企業が行うべきブランディングの方法とは?ゼロから始めるブランディング
マーケティングを行うときによく聞く「ブランディング」。「うちには関係ないから……」とブランディング施策を行わないのは、もったいない!本記事では、中小企業こそ行うべきブランディングの重要性や、方法を解説します。価格競争に巻き込まれず、自社の価値をつけられるよう、ブランディングをはじめてみるのはいかがでしょうか。
ブランディングとは「高級なイメージ」とは別物
「ブランディング」というと、高級ブランドのイメージが強く、「うちの会社は、高価な印象はいらないからブランディングなんて……」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、ブランディングとはハイブランドにすることとは別物です。
企業が顧客に持ってもらいたいイメージと、顧客が持つイメージを一致させたり、「◯◯といえばこの会社」「◯◯といえばこの商品・サービス」という認識を浸透させたりすることが「ブランディング」なのです。
ブランディングを行う意味・メリット
ブランディングの成功により、市場や顧客に「◯◯といえばこの商品・サービス」というイメージが浸透すると、たくさんのメリットが生まれることが想像できるのではないでしょうか。
広告やPRにコストをかけなくても集客できるようになるため、集客コスト削減ができること。ブランドが確立しているため、競合他社との価格競争にまきこまれないこと。顧客にとってオンリーワンのブランドになれることなどが主なメリットです。
正しくブランディングができてないデメリット
ブランディングできていない場合は、できている場合と逆のことが起こります。
商品やサービスに対して特にイメージするものがないため、価格で勝負することになり、価格競争にまきこまれがちになってしまうのです。
全く同じスペックの商品でも、ブランディングされているものと、されていないものでは価格が異なることも珍しくありません。
そのため、顧客に価格以外の価値で選んでもらえるよう、ブランディングをして価値を正しく認識してもらうことが重要です。
ブランド・エクイティとは?
ブランディングと並んで、よく使われる言葉に「ブランド・エクイティ」があります。エクイティ(Equity)とは「資産」のこと。
ブランド論の第一人者として知られるデイヴィッド・アーカーはブランド・エクイティとは
「ブランドの名前やシンボルと結びついたブランドの資産(あるいは負債)の集合であり、製品やサービスの価値を増大させるもの」
としています。
つまり、企業のロゴやマーク、名前などは単なる「デザイン」ではなく、ブランドとしての「価値」を示すもの。ブランディングされたものは会社の資産であるとする考え方です。
ロゴが記載されたカバンの価値について考えてみましょう。無名ブランドのロゴの場合、ロゴは単なるロゴとしての役割しか果たさず、価格には影響しません。しかし、ルイヴィトンやシャネルなどの高級ブランドとして認識されているブランドロゴの場合、同じカバンであってもロゴに価値があるため高価で取引されるでしょう。これがブランドの価値であり、資産となるということです。
ブランディングの進め方
「これからブランディングをしていきたいけれど、どうしたらいいのかな?」「ブランディングを行っていくのは難しそう……」とお悩みの方も多いでしょう。確かに、ブランディングは顧客の中でのイメージを作っていく必要があるため、一朝一夕でできるものではありません。以下の5つのステップを行うことで、長期的にブランディングを行っていきましょう。
STEP1.競合や市場を分析してポジションを把握する
ブランディングを行う場合には、まず自社の市場でのポジションを把握することが重要です。市場を分析して、どの位置に競合他社が多いのか、自社はどの位置を狙うのか明確にしましょう。
STEP2.ターゲット・ペルソナを決める
市場での自社のポジションを明確にした後は、ターゲット・ペルソナを具体的に設定しましょう。ペルソナとは、マーケティング用語で「自社の商品やサービスを利用すると想定されるユーザーの中で、最も重要・多数だと思われる人物モデル」のことです。
「ターゲットにする人はなるべく絞りすぎないほうがいいだろう」「万人受けするほうがいい」と、「20代の女性」「子供がいる方」などざっくりと決めるのはNG。万人受けを狙った場合は、誰にも刺さらないものになる可能性が高いのです。
「東京都目黒区在住の34歳の女性。夫は、IT企業に勤務している38歳。年収800万円。2歳の男の子がいる」など、細かい設定を決めた後、1日のスケジュールや休日の過ごし方、利用しているSNS、悩んでいることなど特定の人物がイメージできるくらいできる限り詳しく設定していきましょう。
STEP3.アイデンティティを定める
市場と、ペルソナを明確にした後は、ブランディングしていく方向性や、アイデンティティを定めましょう。具体的には、顧客にどのようなイメージを持ってもらいたいのか、ということ。
競合する企業が多い場合は、自社なりの切り口を見つけて、アイデンティティやオリジナリティを作ることが重要です。
STEP4.体験やコンテンツに落とし込む
ブランディングしていく方向性を定めたら、体験やコンテンツに落とし込んでいきます。実際にどのようなコンテンツを作って広めていくのか、顧客にどのような体験をしてもらうと、求めている印象をいだいてもらえるのかについて検討しましょう。
STEP5.PDCAを回していく
ブランディングは、世間に対してのイメージを作っていくようなもの。イメージは一朝一夕で変わるものではありません。長期での一貫した姿勢や取り組み、お客様からの信頼によってブランディングは築かれていきます。
長期的にブランディングをする上でも、PDCA(Plan・Do・Check・Action)をまわすことがポイントです。方向性や戦略を決めた上で、実行レベルに落とし込める計画を策定します。計画を実行して、効果検証をして、再度行動に移すことを繰り返しましょう。
企業がブランディングを行うときの注意点
ブランディングを行っていく際に、すでに強力なライバルがいる場合、同じ方向性でブランディングを行なわない方が得策です。すでに顧客や市場からのイメージができあがっている場合、それを覆すのは簡単なことではありません。
似たような内容だったとしても、自社ならではの切り口やアイデンティティを見つけてブランディングを行うようにしましょう。
ブランディングは一貫性のある体験が重要
ブランディングを行うためには、顧客に一貫性のある体験をしてもらうことが重要です。
メディアや広告では「顧客第一」と謳っていても、実際の接客や問い合わせ時に感じられなければ、意味がありません。商品やサービス・ロゴ・スタッフ・ウェブサイトやSNSなど、自社がコントロールできる部分は、一貫性を持った内容にするよう意識することが大切です。
お客様のお問い合わせ対応一つを取っても、重要な顧客体験であり、一貫性のある体験を通じてブランディングをするためには欠かせない要素となります。
株式会社PR TIMESが運営するTayoriでは、カスタマーサポートの対応漏れを無くし、スピーディーな対応を実現するための各種ツールが用意されています。より良い顧客体験の実現、それを通じた企業のブランディングの構築に、お試しいただければと思います。