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「経営判断」と「顧客対応」はなお人の仕事――中小企業221社に見る、AI観の分かれ目

「経営判断」と「顧客対応」はなお人の仕事――中小企業221社に見る、AI観の分かれ目

事業承継の総合支援サービスを運営するオーナーズ株式会社は2026年9月8日、中小企業の経営者・役員221名を対象にした「中小企業のAI活用による人材・生産性に関する調査」の結果をプレスリリースとして配信しました。

AIの役割をどのような存在だと捉えているかを尋ねたところ、「人の仕事を補完し、生産性を高めるもの」が40.3%、「一部の業務では人の仕事を代替するもの」「人の仕事を大きく代替するもの」を合わせた“代替派”も40.3%と、回答がちょうど二分する結果になりました。

AIを使っているかどうかで、見える景色が変わる

今後3年程度でAIが自社の事業や業務に影響を与えると答えた経営層は7割を超えましたが、その内訳を見ると「AI活用層」では92.7%、「AI未活用層」では49.5%と大きな差がありました。

AIを「人の仕事を代替する存在」と捉える割合も、活用層が53.6%だったのに対し未活用層は27.0%にとどまり、26.6ポイントの開きが生まれています。

AIを実際に使っている経営者ほど、その影響力をより大きく、より代替的なものとして実感している様子がうかがえます。

「経営判断」と「顧客対応」はなお人の仕事

一方で、AIに任せることに慎重な業務を尋ねた設問では、「経営方針・事業方針の最終判断」が47.5%でトップとなり、「重要顧客との関係構築」が40.3%、「現場の経験や勘が必要な判断」が36.7%と続きました。

AIに期待する効果が「業務負荷の軽減」や「作業時間の削減」といった定型業務の効率化に集中する一方で、顧客との関係構築や経営判断のような、文脈や信頼関係の積み重ねが問われる領域には、AIを一歩引かせておきたいという意識がうかがえます。

カスタマーサポートの現場に置き換えると、問い合わせの一次対応や定型的なFAQ対応はAIに任せやすい一方、重要顧客との関係づくりや、過去のやり取りの文脈を踏まえた判断が必要な対応は、引き続き人が担うべきだと考えられている構図と重なります。

AIが得意な「速さ」と、人にしか担えない「関係性の積み重ね」を切り分ける発想は、企業規模を問わず共通しているのかもしれません。

活用が進むほど、不安も具体的になる

AI活用・導入における不安では、「AIの誤った情報に気づかず判断してしまうこと」が65.5%、「社員がAIの回答を鵜呑みにし、過信してしまうこと」が64.7%と、いずれも誤情報や過信に関する項目が上位に並びました。

必要な整備についても、AI活用層は「社内ルールや利用方針の整備」を最も多く挙げたのに対し、AI未活用層では「AIを使える人材の育成・社員向け研修」が最多でした。

使い始める前の企業にはまず学びの機会が、すでに使っている企業にはルールの整備が必要というように、フェーズによって課題の中身が変わっていく様子は、顧客対応の現場でAI導入を検討する際にも参考になりそうです。

「まず使ってみる」が分かれ目になる

今後1年以内にAI活用を進めたいと答えた割合は、活用層で90.0%、未活用層でも52.3%にのぼりました。

オーナーズ代表取締役社長の作田隆吉氏は、同社のコメントとして「とにかくまずは業務でAIを使ってみて、どんなことが実現できるのか体感してみること」が重要だと述べています。

AIを「代替」と見るか「補完」と見るかは、思想の違いというより、実際に使ってみた経験の有無によって形づくられている部分が大きいのかもしれません。

顧客対応という、信頼と文脈がものを言う領域でAIとどう付き合っていくかを考えるうえでも、まず小さく試してみるという姿勢が、今回の調査から読み取れる一つのヒントだと言えそうです。

出典:中小企業経営層のAI観は二分、人の仕事を「代替するもの」「補完するもの」ともに40.3%。「経営判断」「顧客対応」はなお”人の仕事”で、AI任せには慎重になる傾向にあり

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著者:Tayori Blog編集部

日頃からカスタマーサポートと向き合うメンバーが、問い合わせ対応の課題解決とビジネス成長を支援するため、カスタマーサポートや業務効率化に役立つ情報を発信しています。

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