「顧客の声を聞きたいけど具体策が分からない」と悩んでいる人はいませんか?このようなときに使えるのが、アンケートです。アンケートは、多くの情報を集めて意思決定をするために有効なツールです。本記事では、アンケートの基本概念や種類、活用方法などについて解説します。アンケートを効果的に活用して、サービス向上や経営戦略の立案などに役立てましょう。
>>ユーザーアンケートを簡単に作成!Tayoriの資料ダウンロード【無料】
アンケートとは
アンケートはマーケティング調査や学術研究、顧客満足度調査など、さまざまな分野で利用されています。調査では質問票を利用するケースが大半です。回答者は、自分の意見に合った選択肢を選ぶ、意見や考えを記入するなどして調査に協力します。企業や組織は収集したデータをもとに、サービスや商品の課題と改善点を探ります。
アンケートの基本概念
アンケートは、意見や情報を収集するための調査手段です。目的は顧客満足度調査や市場調査、学術研究など多岐にわたり、紙ベースの質問票やオンラインフォームで実施します。調査内容によっては、電話やフィールドワークで対象者から直接話を聞きます。アンケートの質問形式として挙げられるのは、選択肢から選ぶ「多肢選択式」と自由に意見を書ける「自由回答式」などです。調査対象者はサービスを利用している顧客や特定地域の住人など、調査の目的に応じて選ばれます。収集されたデータは統計的手法を用いて分析され、調査結果は意思決定や改善策の策定に活用されます。
アンケートの歴史
国勢調査のような人口センサスもアンケートに含めて考えるのであれば、古代ローマの時代には既に人口や土地、財産を調査が行われていたと言われています。1790年には、アメリカで16歳以上の白人の人口を確定して徴税と議員配分を決定する目的で人口センサスが実施されています※1。日本で初めて国勢調査が行われたのは、大正9年(1920)のことです。近代的統計調査の先駆者である杉亨二氏が、人口センサスの実施を提唱していました。第1回国勢調査により国民へ近代統計調査が浸透し、他の統計調査の波及にも繋がりました※2※3。
※2 大正9年(1920年)第1回 国勢調査 我が国最初の国勢調査|総務省統計局
アンケートの重要性
さまざまな人たちの意見を聞くことは、組織が意思決定するために役立ちます。アンケートは、組織が多くの声を集めるサポートをしてくれます。顧客や従業員のニーズを知り、組織として効果的な戦略を立てるためにアンケートを活用してみましょう。
データ収集の手段としてのアンケート
アンケートは、たくさんの人たちから広範囲にわたるデータを収集できるツールです。オンラインや紙ベースなら効率的に多くの声を集められるうえ、データが多ければ多いほど、統計的に信頼性の高いデータが得られます。設計次第で匿名性を確保できるので、正直な意見も得やすくなるでしょう。主な質問形式は、選択肢形式や自由回答形式です。昨今では、Tayoriをはじめオンライン上でアンケートを作成できるサービスが多くあります。コストを抑えつつ、より多くのデータを収集したいならオンラインアンケートサービスの導入を検討してみましょう。
意見収集と改善点の発見
企業や組織がアンケートを実施する大きな目的は、事業の改善と成長の促進と考えられます。例えば、自社商品やサービスに対して顧客がどのように感じているかを知りたいなら、実際に利用している人の声を聞くのが確実です。顧客の意見を収集するために、アンケートは有効な手段です。アンケートを通じて顧客の意見を聞くことで自社商品やサービスに対する評価が分かり、改善や新規開発の判断材料になります。自身の声が反映されたと分かれば、顧客としても「この企業はちゃんと利用者の声を聞いてくれる」となるでしょう。アンケート調査による意見収集と改善点の発見は、企業の信頼性を向上させることにも繋がります。
アンケートの目的
先述のとおり、アンケート調査を行う目的は多岐にわたります。下記に主な目的を挙げました。
1.顧客満足度の評価
より良い製品やサービスを提供するためには、顧客満足度を知る必要があります。アンケートを通じて利用者の声を聞いて分析することで、顧客のニーズや改善点が見えてくるでしょう。
2.市場調査
市場のトレンドや競合他社の動向を知るためにアンケートを利用することもあります。新製品の開発や新たな市場への参入前に、消費者の意見や需要の把握に行われることが多いです。
3.従業員満足度の評価
従業員の満足度や職場環境の改善点を把握するために、アンケートを活用するのも有効です。マネジメント側が現場の課題を把握し改善することで、従業員のモチベーション向上や離職率の低減に繋がります。
4.イベントやプロジェクトのフィードバック
イベントやプロジェクト開催時に、アンケートが配られる機会も多いでしょう。参加者からのフィードバックを集めることで、次回開催時の計画や改善に活かされます。
アンケートの種類
アンケート調査の方法は、オンラインをはじめ紙ベースやインタビュー形式などさまざまです。上記以外にも、電話調査や訪問調査などのインターネットに不慣れな人からの意見を聞く方法もあります。ここでは、オンラインと紙ベース、インタビュー形式に焦点をあてて特徴と適用場面について解説します。
オンラインアンケート
インターネットが普及した現代において、オンラインアンケートは迅速かつ効率良く多くの意見を集められる手段として有効です。パソコンやスマートフォンで手軽に回答できるため、比較的回答率も高いです。紙ベースやインタビュー形式では収集したデータをパソコンに入力しなければなりませんが、オンラインアンケートの場合はその必要はありません。回答データを自動的に集計し、リアルタイムで分析することも可能です。調査対象者へは、メールやSNS、ウェブサイトを通じてアンケートを送ります。このため、多くの人へ一斉にアプローチをかけられます。印刷や郵送の費用もかからないので、コストパフォーマンスも良くなります。
オンラインアンケートの種類としては、下記が挙げられます。
1.Webアンケート
インターネット上で実施されるアンケートのことで、迅速かつコスト良く多くの回答を得られます。Tayoriをはじめ、さまざまな企業がWebアンケート作成ツールを提供しています。
2.モバイルアンケート
スマートフォンやタブレットを利用して回答するアンケートです。外出先や移動中でも手軽に回答できるため、比較的回答率が高いと考えられます。
3.メールアンケート
メルマガのようなメール配信サービスを通じて配布されるアンケートで、リンクをクリックして回答します。不特定多数の人が見られるWebアンケートよりも、ターゲットを絞って対象者にアプローチできます。
4.SNSアンケート
FacebookやTwitterなどのSNSを利用して実施されるアンケートです。広範囲に拡散しやすく、多くの回答を得ることができます。
紙ベースのアンケート
紙ベースのアンケートは、高齢者やデジタルデバイスに不慣れな対象者に対して有効です。学校や病院、地域コミュニティなどで利用されるケースが多く、手渡しや郵送で配布し、手書きで回答を記入してもらいます。回収したアンケートの調査結果は手動で集計します。インターネットアクセスが限られている地域でも、紙ベースであればアンケートを実施が可能です。オンラインアンケートと併用することで、幅広い層からの回答を得られるでしょう。
インタビュー形式のアンケート
インタビュー形式のアンケートとは、対面や電話などで対象者と話して回答を得ることです。新商品開発やマーケティング戦略、顧客満足度調査、ブランドイメージの評価など、ターゲット層の実態をより詳細に把握するために利用されることが多いです。インタビュー形式によるアンケートのメリットは、対象者から文字だけでは伝わりにくい情報を聞ける点です。インタビュアーが回答に応じて柔軟に質問すれば、対象者の意見をより深く掘り下げられます。そこから、予想外の情報や新しいアイデアを得られることもあるはずです。
効果的なアンケートの作成方法
効果的なアンケートを作成するためには、目的とどのような情報が必要かを明確にしたうえで対象者を選定しましょう。質問は簡潔で分かりやすく、回答しやすい形式にしてください。質問項目が多すぎる、質問文が長すぎるなどすると、回答する側に「手間だ」と感じさせてしまうリスクがあります。回答率を上げるためには、適切な回答形式を選ぶこともポイントです。
質問の設計
アンケート調査で必要なデータを集めるためには、質問の設計が重要です。下記に質問の設計のポイントをまとめました。
1.質問はシンプルに
質問は明確かつ簡潔にし、一目で意図が理解できるようにします。質問の内容を複雑にしてしまうと、回答者が混乱して適切な回答を得られなくなるリスクがあります。
2.数を絞る
質問は必要な項目だけに絞りましょう。質問数が多すぎると回答者が負担を感じ、回答率が低下する可能性が高まります。
3.誘導的な質問を避ける
公平性を保つためにも、誘導的な質問は避けましょう。中立的な質問を設計することで、回答者の本音を引き出すことにも繋がります。
4.専門用語の回避
専門用語や業界用語を避けて、誰にでも理解できる言葉を使いましょう。どうしても専門用語を使わざるを得ないときは、補足を記載すると回答者の負担を軽減できます。
5.質問の順序
質問の順序を工夫するのも手です。関連する質問をまとめて配置すると回答者としてもアンケートの流れを把握しやすく、スムーズに回答できるはずです。
回答形式の選定
アンケートを作成する際は、回答形式の選定も大きなポイントです。目的に応じて最適な回答形式を選びましょう。回答者の負担を軽減するために、回答しやすい形式にするのも重要です。また、結果の集計と分析をしやすいような回答形式にしておくと、調査後の作業が効率良く進むでしょう。
回答形式の種類は下記のとおりです。
1.単一選択型
性別や年齢など明確な選択肢がある場合に使用します。集計が簡単で回答者の負担が少ないメリットがありますが、選択肢が限定されるため詳細な情報を得るデメリットもあります。
2.複数選択型
複数の選択肢から複数の答えを選ぶ回答形式です。複数の選択肢を選んでもらうため集計が複雑になりがちですが、詳細な情報を得られます。
3.順位型
商品のランク付けといった複数の選択肢を順位付けするときに使用します。アンケートを実施する側としては対象商品の順位を把握できますが、回答者によっては負担に感じるケースもあります。
4.スケール型
満足度や意見の強さを測る場合に使用します。スケールに1から5などの数値を設定し、回答者は数値を選ぶことで商品やサービスの満足度を評価します。
5.自由記述型
改善点や提案など自由に意見や感想を書いてもらいたい場合に使用します。集計や分析に時間はかかるものの、企業側は詳細な意見や新しいアイデアを得られるはずです。
アンケート結果の分析と活用
アンケートの調査結果を分析して活用することで、顧客満足度の向上やマーケティング戦略の最適化、問題点の早期発見が可能となります。調査結果の分析と活用方法について解説します。
結果の集計と分析
アンケート結果の集計と分析は、企業が意思決定をする判断材料を示すために重要なプロセスです。アンケート調査結果の集計方法と分析方法を紹介します。
○集計方法
1.単純集計
各質問に対する回答数や割合を集計する方法です。選択肢ごとに回答を数えて、どの項目が多く、少ないかを「見える化」します。アンケートの集計方法として、よく使われる方法です。
2.クロス集計
複数の質問や属性を組み合わせて集計する方法です。
例)性別や年齢別に満足度を分析して特定のグループの傾向を把握する。
3.自由記述集計
自由記述の回答をカテゴリごとに分類して数値化する方法です。
例)「サービスの質」に関する情報を集めるために、自由記述の項目からサービスの質について書かれている回答をピックアップする。
○分析方法
1.アソシエーション分析
データ間の関連性を見つけ出し、パターンを抽出する方法です。
例)スーパーマーケットの購買データから「卵を購入する人は牛乳も購入する傾向がある」といった関連性を見つける。
2.主成分分析
多数の変数を少数の主成分に集約し、データの構造を簡潔に把握する方法です。
例)顧客満足度調査の結果を「価格」「品質」「サービス」などに集約する。
3.時系列分析
時間の経過によるデータの変化を分析する方法です。
例)売上データをもとに季節ごとの売上変動を把握する。
4.クラスター分析
似た特徴を持つグループに、データを分類する方法です。
例)顧客の購買履歴をもとに「高価格帯の商品を頻繁に購入するグループ」などに分類する。
5.決定木分析
データをツリー構造で分類し、予測や意思決定を支援する方法です。
例)顧客の購買データをもとに特定の商品を購入する可能性が高い顧客を予測する。
結果の活用方法
アンケート結果を活用することで、組織の改善や戦略立案が可能です。結果をもとに仮説を立てることで、具体的な行動策の策定と実行に移せます。アンケート調査を通してフィードバックの循環を作り出せれば、業務の継続的な改善に繋がります。また、アンケートの調査結果は社内ミーティングの資料にも使えます。商品やサービスに対する顧客の声を視覚的にも分かりやすくすることで課題や強みが明確になれば、より良いサービスを提供できます。企業それぞれの課題や戦略に合わせて、効果的にアンケートを活用しましょう。
まとめ
本記事では、アンケートの基本概念や歴史、種類、作成方法、結果の分析と活用について解説しました。アンケートを通じて顧客や従業員の声を聞くことで、より良いサービスの提供や職場環境の構築が実現できます。Tayoriでは、シンプルな操作性で手軽にオンラインアンケートを作成できます。調査結果の集計や分析をサポートできる機能も利用できるので、気になる人は以下のリンクをご参照ください。