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アンケート結果の集計方法・まとめ方のポイントを徹底解説

アンケートは企業や組織の課題発見や改善案の作成、効果測定などの目的で、人々の意見や行動を調査するために使われます。「作成」「実施」「集計」「分析」「結果をまとめる」の流れで行われ、分析結果は報告書や資料の形で関係者に共有されます。本記事では、アンケート結果の集計とまとめ方に焦点を当て、集計方法や可視化のやり方、分析手法などを解説。本記事を参考に、アンケート結果を最大限に活用してビジネスや研究に役立ててください。

【目次】

  1. アンケート調査の結果をまとめる流れ
  2. アンケート結果を集計する方法
  3. アンケート結果をまとめ、可視化する方法
  4. 集計したアンケート結果を分析する方法
  5. アンケート結果をまとめ・集計するおすすめツール
  6. まとめ

アンケート調査の結果をまとめる流れ

アンケート調査とは、特定の目的のために多くの人々へ質問し、回答を収集・分析して人々の意見や行動を把握する手法です。企業や自治体、研究機関など多種多様な組織で幅広く活用されています。

アンケート調査全体の流れは、以下のステップに分けられます。

ステップ1 作成
ステップ2 実施
ステップ3 集計
ステップ4 分析
ステップ5 結果をまとめる

アンケートの集計結果は課題の発見や改善策の検討、効果測定などさまざまな目的で活用されています。以降に各ステップについて解説します。

ステップ1:作成

アンケートの質問文は回答者が質問の意図を正しく理解できるよう、明確かつ簡潔に記述してください。質問形式は選択式や記述式など、質問内容に合わせて適切に選択。質問の配置は「関連性の高い項目をまとめる」「回答負担の少ない質問から始める」など、回答者がスムーズに答えられるように工夫すると良いでしょう。アンケートが完成したら配布前に「質問文が分かりやすいか」「回答しにくくないか」をチェックし、気になる点は修正しましょう。

ステップ2:実施

アンケートを実施する時は回答者へ調査の目的や回答方法、回答目安時間などを伝えましょう。事前にアンケートの意義や回答の活用方法を伝えることで、回答者もアンケートがどのような内容なのかイメージしやすくなり、回答率の向上に繋がるはずです。アンケートの実施手段はWebや紙、郵送などがあります。調査のターゲット層や目的、規模に合わせて適切な手段でアンケートを実施しましょう。回答状況を確認して返信が少ない場合は、リマインドを送って回答を促すのも手です。

ステップ3:集計

アンケート結果の集計方法には、「単純集計」「クロス集計」「自由記述の集計」などがあります。集計結果はグラフや表などを活用することで、データの傾向や特徴を分かりやすく表せます。また、集計前にデータクリーニングを行うことで分析の精度が高まります。データクリーニングとは、保有データを整理して解析できる状態に整理することです。回答データに誤記や未記入、重複がないかを確認し、必要に応じて修正や削除を行います。目的に合わせて集計方法や結果の見せ方を適切にすることで、アンケートから有益な情報を引き出して課題の解決や改善に役立てられます。

ステップ4:分析

アンケート結果の集計を終えたら、データ分析を行います。データの相関関係はもちろん因果関係を考察し、分析結果を用いて検証します。分析結果から得た情報は課題解決や新規企画のアイデア、サービス改善など具体的なアクションに落とし込むことが大切です。

ステップ5:結果をまとめる

アンケートを分析したら、結果をまとめます。結果をまとめる際は調査の目的や方法、結果、考察を記載します。結果を分かりやすく伝えるためには、図やグラフを活用すると良いでしょう。結果をきちんとまとめていれば、その後のアクションに繋げやすくなります。アンケート結果の内容を関係者と共有し、議論を重ねることが重要です。

アンケート結果を集計する方法

アンケート結果の集計方法は、主に「単純集計」「クロス集計」「自由記述の集計」があります。ここでは各々の特徴について解説します。

方法1:単純集計

「単純集計」とは、各質問項目の回答数を数えて個数や割合を算出するシンプルな集計方法です。単純集計は比較的データの集計が容易であるため、アンケート全体の傾向を迅速に把握できます。グラフや表で視覚的に表現しやすいのも特徴です。

例えば「この商品を知っていますか?」という質問に対し、「はい」「いいえ」の回答数を数えてグラフにすれば、知名度の割合がひと目で分かります。その上で年代別に回答数を集計すると、年代ごとの知名度を算出できます。データの全体的な傾向や回答の分布を知りたい場合は、単純集計が向いています。

方法2:クロス集計

「クロス集計」とは複数の質問項目を掛け合わせて集計し、回答の傾向をより深く分析する手法です。単純集計では全体の傾向を把握できますが、クロス集計を用いると特定の属性における回答の偏りや特徴を把握できます。

例えば「性別」と「商品の満足度」をクロス集計した場合、「男性は比較的満足している」「女性はやや不満を感じている」などの傾向が分かります。各ターゲット層のニーズの違いや効果を測定したい時には、クロス集計を活用すると良いでしょう。

方法3:自由記述の集計

「自由記述の集計」とは、文章で記述された回答内容を集計する方法です。集計のやり方としては、「回答を内容ごとに分類する」「頻出するキーワードを抽出する」「テキストマイニング」などがあります。

自由記述の回答を集計することで、回答者の具体的な意見や感想、回答に至った背景などを把握できます。例えば「サービスの改善点を教えてください」との質問に対する回答に記載された内容を、「機能」「デザイン」「価格」といったカテゴリーに分類。各意見の数を集計することで「サービスに機能面で改善を求めている」「価格には満足している」など、回答者のサービスに対する意見や求めていることが見えてきます。数値の定量データでは捉えきれないユーザーの声を知りたい時に有効な集計方法です。

アンケート結果をまとめ、可視化する方法

アンケート結果は、可視化することでデータの傾向がより明確になります。関係者への共有もスムーズです。ここでは代表的な方法を紹介します。

方法1:棒グラフでデータ量を比較する

棒グラフは、各項目のデータ量を比較するために用いられます。縦軸にデータ量、棒の高さでデータの大小を表し、値の高い項目や低い項目を判別するのに有効です。縦横が逆の場合もあります。棒グラフの特徴は、「アンケートの各選択肢の回答数」「年代別の回答者数」「商品ごとの売上数」などデータの大小や順位をひと目で把握できる点です。複数項目の比較やクロス集計の結果を可視化する際に有効です。

棒グラフにおいて、データを並べる順序に決まりはありません。しかし、やみくもに並べてしまうとデータを把握しづらくなるため、「データの多い順」「五十音順」「時系列順」などの順序で並べるケースもあります。

方法2:円グラフで割合を示す

円グラフは、全体に対する各項目の割合を示すために使われます。円全体を「100%」とし、各項目の割合に応じて扇形の大きさを変えることで、視覚的に割合の違いを表します。円グラフの特徴は、各項目の割合を分かりやすく表現できる点です。各選択肢の回答割合や商品の市場占有率などを表すのに適しています。

ただし、項目数が多くなると扇形が細かくなり見づらくなります。円グラフを使用するなら、回答数を5〜6項目程度に絞るのがおすすめです。回答項目数が多い場合は棒グラフ、少数であれば円グラフというように使い分けると良いでしょう。

方法3:折れ線グラフで時間経過に伴う変化を表す

折れ線グラフは、時間経過に伴うデータの変化を表すことに適したグラフです。時間の流れを横軸、データの値を縦軸に取り、各時点のデータを線で結んでデータの増減や推移を表します。折れ線グラフの特徴は、データの増減や傾向を視覚的に把握できる点です。「データがどのように増えたのか」「一定の範囲で変動しているのか」など、変化のパターンがひと目で分かります。複数の項目を同時に比較することもできます。

例えば複数の商品の売上推移を同じグラフで表示すれば、各商品の売れ行きを比較できます。月別の売上推移やウェブサイトへのアクセス数、株価の変化など時系列ごとのデータ推移を可視化するなら、折れ線グラフが有効です。

方法4:散布図でデータの相関関係を確認する

散布図は、2つのデータの関係性を表すために用いられるグラフです。横軸と縦軸に異なるデータの値を取り、対応する点を打つことでデータの分布や相関の強さを可視化できます。散布図では、2つのデータの間に「どのような関係があるか」を把握できます。

例えば双方のデータが増加傾向にある場合、グラフ上では点が右上がりの分布になります。対して一方のデータが増加し、もう一方のデータが減少傾向にある場合、点の分布は右下がりになります。2つのデータの間に明確な関係性が見られない場合は、ランダムに点が散らばります。相関関係の有無や強さを分析したい時は、散布図を使用しましょう。

方法5:クロス集計表で各属性の傾向や関連性を一覧にする

クロス集計表は、複数の質問項目を組み合わせて集計した結果を一覧にしたものです。クロス集計表を使うと、属性ごとの傾向の違いや関連性を詳細な数値で表せます。グラフと組み合わせて使用すると、より分かりやすくデータを可視化できます。クロス集計表のデータをグラフで可視化することで、属性ごとの傾向の違いを視覚的に捉えやすくなります。

集計したアンケート結果を分析する方法

アンケートの集計結果を分析する方法は多岐にわたります。ここでは代表的な分析方法の特徴と活用例について解説します。さまざまな分析手法を使い分けることでアンケートから必要かつ有益な情報を引き出し、課題発見や改善策の検討に繋がるでしょう。

方法1:クラスター分析

「クラスター分析」とは、属性情報や回答パターンなど複数の要素を持つデータから、類似の要素を集めて各グループに分類する分析方法のことです。クラスター分析では、属性やパターンに基づいてデータを分類することで、潜在的な顧客層やニーズの異なるグループを明確化できます。

具体的には、購買履歴データから購買頻度や購入商品の傾向が似ている顧客をグループ分けする、嗜好や価値観が似ている回答者をグループ分けするなどといったことが可能です。分析結果は、マーケティング戦略やターゲティング広告、商品開発などに活用されています。

方法2:アソシエーション分析

「アソシエーション分析」では、データに隠れている関連性やパターンを発見できます。一見関連性のなさそうな要素が実は深い結び付きがあるといった、人の目では気づきにくい関係性をデータから見つけ出せます。

例えばWebコンテンツの閲覧履歴を分析すれば、ユーザーの嗜好や興味を抱いている事象が見えてくるはずです。分析結果をもとに、ユーザーに関連したWebコンテンツの提案も可能です。アソシエーション分析を使用することでデータに隠れていた関係性が見つかり、ビジネスにおけるさまざまな意思決定に繋げられます。

方法3:テキストマイニング

「テキストマイニング」とは、文章で記述されたテキストデータを分析して重要なキーワードや傾向を抽出する分析方法です。テキストマイニングでは数値データからは見えない回答者の意見や感情、潜在的なニーズなどが明確になります。顧客アンケートや商品レビュー、SNSの投稿などの分析に活用されています。テキストマイニングの結果から見えてきたデータをもとに顧客の感情や意見を理解できれば、課題発見や改善策の提案、新規企画の発案などに役立てられます。

方法4:時系列分析

「時系列分析」とは時間の経過に伴って変化する「時系列データ」を分析し、過去の傾向から将来を予測する分析方法です。時系列分析では、データの推移やトレンド、周期的な変動などを把握できます。データの推移を分析すれば、各要素が時間経過と共にどのような変化を遂げたかが明確になります。長期的に増加している要素があれば、その要素が「トレンド」として話題になっている可能性があると考えられます。また、年間や四半期など特定の期間に同じようなデータ変動が繰り返されるのであれば、その要素の増減要因が「季節」にあると分かります。

需要予測やマーケティングキャンペーンなど、意思決定に「期間」や「季節」の要素が有効な時は時系列分析を活用すると良いでしょう。

方法5:重回帰分析

「重回帰分析」では、複数の要因が複雑に絡み合って結果に影響を与えている場合、定量的に各要因の影響度を評価できます。例えば顧客満足度の向上が目的であれば、「価格」「品質」「サービス」「ブランドイメージ」などの要素のうち、どの要素が顧客満足度に影響しているのかが分かります。

重回帰分析を活用すれば、問題が発生した際に複数の要因の中から根本的な原因を特定できます。また、実施した改善策がどの程度効果があったかを定量的に評価することもできます。重回帰分析による予測結果の精度が高ければ、要因の目標値や変動値をモデル式に当てはめることで将来的な結果の変動を予測するシミュレーションも可能です。

アンケート結果をまとめ・集計するおすすめツール

アンケート結果をまとめて集計するには、ツールを使用するのが一般です。ここでは、よく使用されているツールとおすすめのツールを紹介します。

ツール1: Excel(エクセル)

「Excel(エクセル)」は、「Microsoft(マイクロソフト)」が提供している表計算ソフトです。Excelには「平均値」「最大値」「最小値」「中央値」など、基本的な統計量を算出できる関数を使用できます。アンケート結果の集計にも活用でき、ピボットテーブルとグラフ作成機能と併用すれば詳細なデータ整理と分析を行えます。

ピボットテーブルを使えば、回答項目ごとの集計や複数項目の組み合わせによるクロス集計を容易に行えます。また、「棒グラフ」「折れ線グラフ」「円グラフ」などさまざまなグラフを作成でき、集計結果を分かりやすく可視化できます。

その知名度と多くの人が使い慣れていることから、データ分析や集計に利用している企業の多いでしょう。しかし、扱うデータ量が膨大になるとファイルサイズが大きくなり、データの処理に時間がかかる可能性があります。また、高度な統計分析を行うには、ある程度の統計知識が必要となります。

ツール2: Googleスプレッドシート

「Googleスプレッドシート」は、「Google(グーグル)」が提供する表計算ソフトです。パソコンにインストールしなくてもWebブラウザ上で利用でき、インターネット環境さえあればどのデバイスからでも作業できます。Excelと同じくデータ分析に使える関数が用意されていて、「棒グラフ」「折れ線グラフ」「円グラフ」などグラフ作成機能も充実しています。Excelで作成したファイルとの互換性も高く、インポートやエクスポートが可能です。

ツール3: Googleフォーム

Googleフォームは、Googleが提供するフォーム作成ツールです。Googleアカウントを持っていれば誰でも手軽にフォームを作成できます。収集した回答はリアルタイムで自動的に集計され、集計結果は自動的にグラフで表示されます。集計結果をGoogleスプレッドシートにデータを出力すれば、より詳細な分析やデータ加工が可能です。

Googleフォームの利点は、無料で手軽に利用できる点です。アンケート作成から集計までを一貫して行えるため、初心者でも気軽に使えます。ただし、集計結果の確認は基本的なデータのみに留まるため、詳細な統計分析を行いたい場合は、Googleスプレッドシートと連携すると良いでしょう。「手軽にアンケートを作成して集計したい」「コストを抑えたい」などシンプルな使い方をするなら有効なツールです。

ツール4: アンケート作成ツール

「Tayori」のようなアンケート作成ツールを利用するのも手です。細かい機能はサービスごとに異なりますが、予算やアンケートの規模、ツールの提供する機能を踏まえて、最適なツールを選びましょう。

まとめ

本記事では、アンケート結果の集計方法やまとめ方について解説しました。アンケート結果の主な集計方法には「単純集計」「クロス集計」「自由記述の集計」があります。調査の目的に合わせて適切な集計方法を選択しましょう。集計結果は、可視化するとより分かりやすくまとめられます。ひと目で分かりやすく情報を伝えるために、「棒グラフ」「円グラフ」「折れ線グラフ」などを活用しましょう。

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