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アンケート集計をExcelで効率化する!初心者向けの分析極意とは?

顧客満足度や市場調査、従業員のエンゲージメント調査業務、多くの企業や組織においてアンケート調査は重要な業務です。しかし、アンケートでデータを集めても効率よく集計・分析できず、上手く活用できなければ意味がありません。本記事では、Excelを使ってアンケート集計し効率化する方法を紹介。初心者でも分かりやすいように、基本的な集計方法から解説します。

【目次】

  1. アンケート集計の基本
  2. アンケート集計方法
  3. まとめ

アンケート集計の基本

Excelは、その使いやすさから初心者から上級者まで多くのユーザーに支持されている表計算ツールです。ビジネスシーンでも幅広く活用されており、アンケート集計ツールとしても有効です。Excelの基本機能には、データを見やすく整理できる「表作成機能」、必要な情報を素早く抽出できる「並べ替え・フィルター機能」、分析結果を分かりやすく表現できる「グラフ作成機能」などがあります。これらの機能を組み合わせることで、アンケートで収集したデータの傾向を視覚的かつ直感的に把握できます。

Excelの利点としては、基本的な集計から少し複雑な分析まで柔軟なデータ処理が可能である点です。チームのメンバーとの共有も容易です。また、その知名度から多くの企業で既に利用されているため、アンケートを集計するツールとして気軽に扱える点も強みといえます。ただし、大量のデータを扱う、複雑な分析を行うなどExcelだけでは対応が難しい場面もゼロではありません。状況に合わせて、専門ツールと併用すると良いでしょう。

アンケート集計方法

Excelを使ったアンケート集計の手順は下記のとおりです。

1.データを整理する

Excelにデータをインポートし、不要な情報を削除してデータを整えます。入力ミス、無効な値などデータに明らかな誤りがないかも目視で確認しておきましょう。

2.集計方法を決める

アンケート調査の目的に合わせて、集計対象質問項目と集計方法を決めましょう。集計方法には、単純集計、クロス集計、平均値算出などがあります。

3.データをまとめる

決定した方法で、データを集計します。集計後は内容に誤りがないか、論理的に矛盾がないかなどを確認しておきましょう。

4.分析して図にする

集計結果を分析し、必要に応じてグラフや表を作成しましょう。

5.レポートや報告書を作成する

Excelで作成した表やグラフ、分析結果などをレポートとしてまとめます。

以下に、Excelにおける主なアンケート集計方法と活用方法について解説します。

集計方法1:単純集計 

単純集計は、アンケートの基本的な集計方法として広く使われています。各選択肢の回答数と割合を計算することで、全体的な傾向を把握できます。例えば、「この商品を気に入った人は何人いるか」「サービスに満足している人は全体の何%か」といった基本的な情報を知りたい時に有効です。アンケート結果の初期分析や選択肢の人気度比較、基本的なレポート作成などにも役立ちます。

特定の選択肢の回答数を数えるには、「COUNTIF関数」が便利です。複数の条件で絞り込みたい場合は、「COUNTIFS関数」を使用しましょう。回答割合は「回答数÷全体数×100」で計算でき、結果を棒グラフや円グラフで表現すると分かりやすくなります。回答数と割合を表形式で整理することで、より詳細な分析が可能です。

集計方法2:クロス集計

クロス集計は、複数の質問項目を組み合わせて分析する手法です。例えば、性別や年齢層といった属性と、商品の満足度や利用頻度などの回答の関係を調べられます。クロス集計は特定の顧客層のニーズを理解する、マーケティング戦略を立てるなどの場面で役立ちます。

Excelでクロス集計を行う際は、ピボットテーブルを活用しましょう。「行」「列」「値」のフィールドに項目をドラッグ&ドロップするだけで、集計表を作成できます。集計の目的に合わせて、フィールドを「合計」「個数」「平均」などに変更することも可能です。スライサーやフィルター機能を使えば、特定の条件でデータを絞り込めます。分析結果は、積み上げ棒グラフや集合棒グラフなどで視覚化すると属性による回答傾向の違いが分かりやすくなります。

集計方法3: 平均値・中央値・最頻値

アンケートデータの分析方法として、平均値・中央値・最頻値の算出があります。平均値は全体的な傾向を把握するのに適しており、中央値は外れ値の影響を受けにくい特徴があります。数値データや順序データの中心傾向を把握するために使用され、満足度調査や年齢層分析などに効果を発揮します。最頻値は、最も頻繁に出現する値を特定できます。

Excel関数を使えば、平均値・中央値・最頻値を容易に算出できます。平均値は「AVERAGE関数」、中央値は「MEDIAN関数」、最頻値は「MODE.SNGL関数」または「MODE.MULT関数」で計算できます。

データの種類によって適切な分析方法は異なります。例えば、順序尺度データの場合は平均値よりも中央値や最頻値の方が適切な場合があります。データの性質を理解し、目的に応じて適切な代表値を選択しましょう。

集計方法4:回答者属性別集計 (セグメント集計)

回答者属性別集計(セグメント集計)は、アンケートデータを性別や年齢、居住地、職業などの属性でグループ分けして分析する方法です。属性による回答傾向の違いを明確にし、ターゲット顧客層の特性やニーズを詳しく把握できます。主な活用シーンには、ターゲット層ごとのニーズや意識の違いの把握、商品・サービス評価の属性別比較、顧客セグメントごとのマーケティング戦略立案、特定の属性への施策効果測定などが挙げられます。

Excelで回答者属性別集計を行うには、フィルター機能とピボットテーブルが有効です。フィルター機能では各属性のデータ抽出ができ、ピボットテーブルでは複数属性を組み合わせた詳細な分析が可能です。分析結果は棒グラフや折れ線グラフで視覚化すると、属性による違いが分かりやすくなります。分析目的に応じて年齢層などの属性区分を設定するのがポイントです。

集計方法5:時系列分析

時系列分析は同じアンケートを異なる時期に複数回実施し、回答の変化を追跡する方法です。顧客満足度やブランドイメージの推移、新施策の効果検証、市場トレンドの把握、季節変動の分析など、幅広い用途に活用できます。

効果的に時系列分析を行うためには、Excelのピボットテーブル機能を使用して期間ごとの集計表を作成すると良いでしょう。実施時期を「列」、分析したい項目を「行」に配置することで、時系列における変化が数値で分かります。時系列分析のデータを可視化するなら、折れ線グラフがおすすめです。横軸に「期間」、縦軸に「集計値」を設定すると、時系列における変化の傾向を分かりやすく表現できます。

時系列分析を行う際は、事前に外部環境の変化や競合動向、自社施策など、さまざまな要因を考慮して変動の背景を把握しておきましょう。短期的な変動に一喜一憂せず、長期的なトレンドを捉える視点を持ち、本質的な変化を見抜くことが重要です。

集計方法6:自由記述回答の集計 (テキストマイニング)

自由記述形式の回答を分析するなら、テキストマイニングを活用しましょう。テキストマイニングとは文章データを分析して必要な情報を見つけ出し、重要なポイントや傾向を探し出す方法です。テキストマイニングで特定のキーワードの出現頻度を集計することで、頻繁に言及されているテーマや課題を特定できます。

Excelでは「COUNTIF関数」や「COUNTIFS関数」を使用してキーワードの出現回数をカウントできます。効果的な分析のためには、事前に集計したいキーワードをリストアップし、同義語や類義語も考慮に入れることが重要です。

ワイルドカードを活用することで、「改善」「改善点」「改善策」などの関連語をまとめて集計することも可能です。ワイルドカードは文字列のパターンを指定する際に使用する記号で、Excelでは主に「*(アスタリスク)」「?(クエスチョンマーク)」「~(チルダ) 」が使えます。

「*」は、0文字以上の任意の文字列、つまり「すべての文字数の文字列」に適用できます。例えば「A*」で検索すると、「A」で始まるすべての文字列が見つかります。「?(クエスチョンマーク)」は任意の1文字に適用され、「A?」で検索すれば「AB」「AC」「A1」など、「A」に続く文字列を検索できます。「~(チルダ)」は、「*」「?」などのワイルドカード文字そのものを検索したい場合に使います。ワイルドカードの特性を理解し、目的に応じて適切に使い分けることで、より効率的なデータ処理が実現できます。

集計方法7:割合算出と構成比分析

アンケートデータの全体像を把握するなら、割合算出と構成比分析を行いましょう。回答全体における各選択肢の割合や属性ごとの回答傾向を数値化することで、データの特徴を明確します。割合算出と構成比分析は、選択肢の占める割合の把握や属性による回答傾向の比較、売上や顧客層の構成比分析などの場面で活用できます。分析の際は、「対象項目のデータ数÷全体のデータ数×100」を計算式として入力し、Excelのセル参照機能を活用することで効率的に分析を進められます。

結果が出たらセルの表示形式をパーセンテージに設定し、必要に応じて小数点以下の桁数を調整。円グラフや帯グラフを用いて視覚化することで、構成比を把握しやすくなります。性別や年齢層などの属性別に構成比を比較することで、より詳細な分析が可能となるでしょう。

また、初めてアンケートを行う場合、どのようなツールや準備物が必要になるのかまとめました。効率的にアンケート集計を行うために参考にしてください。

○集計ソフトウェア

・「表計算ソフト:Excelなど基本的な集計やグラフ作成が可能。
・アンケート作成ツール:アンケート作成から集計まで行うことができる。ツールによっては分析も可能。

○集計計画書

アンケートの目的や集計項目、分析方法などをまとめた計画書を用意することで、効率的な作業を実現できる。

主な記載項目:

・調査・集計の目的
・集計項目と集計方法
・分析方法と報告書の構成
・作業スケジュール
・集計結果の出力形式

まとめ

アンケート集計は、組織の成長と改善するための情報源として重要な役割を果たします。Excelなどの表計算ソフトを使用すれば、効率的にデータの可視化と分析を実施できます。集計方法には単純集計やクロス集計などさまざまな方法があるため、目的に応じて使い分けましょう。

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