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カスタマーサポートの将来性はある?AIの台頭の中、求められる人材の特徴とは

カスタマーサポート 将来性

AIやチャットボットなどが台頭する中、カスタマーサポートの将来性について不安な気持ちがある人も多いのではないでしょうか。

本記事では、新しい技術によって変化するカスタマーサポート職の現状と、今後必要とされるカスタマーサポート人材の特徴について紹介します。

 

カスタマーサポートの現場は新しい技術によって変化している

「多くの職業はAIによって奪われる」と耳にしたことがある人も多いでしょう。野村総研とオックスフォード大学の共同研究では、「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能になる」と発表されました。

新しい技術の台頭により、カスタマーサポートの現場はどのように変化しているのでしょうか。まずは2022年現在のカスタマーサポートの働き方について確認していきましょう。

従来はすべて人力で対応していた

インターネットが発達する前の時代、カスタマーサポートは主に電話での対応を行っておりました。「コールセンター」に問い合わせをし、「オペレーター」が営業時間内に口頭で対応をするのが一般的でした。

その後、インターネットが浸透した後は、時間を問わずに問い合わせできるメールでの問い合わせが主流に。現在ではチャットでの問い合わせも一般的になっています。

これらはAIやロボットに頼らず、すべて人が直接メッセージを打つことで対応していました。

現在はチャットボットを始めとするAIが台頭している

近年では、顧客からの問い合わせに対してすべて人力で対応するのではなく、チャットボットを始めとするAIがカスタマーサポートの現場でも導入されています。

カスタマーサポートで活躍しているAIは、質問内容に含まれるキーワードから、回答を検討する「機械学習」と、言葉に応じて処理を行う「自然言語処理」などがあります。これらを使った代表的な技術がチャットボットです。

チャットボットを利用することで、顧客が問い合わせをした内容をチャットボットが内容を判断して回答をできるようになり、24時間問い合わせが可能に。内容によってはオペレーターに繋がらなくても課題を解決でき、人件費の削減や、問題解決までの時間短縮など様々なメリットがあるため、多くの企業が導入しています。

関連記事:チャットボットとは?企業サイトで導入する時の5つのメリットとポイント

一方、複雑なお問い合わせの場合はオペレーターに繋げる必要があるため、チャットボットを導入していてもオペレーターの採用は必須です。

さらに、カスタマーサポートの役割は「顧客の疑問に答える」だけにとどまりません。顧客の気持ちやニーズに寄り添い、顧客の成功体験や感動を生み出すことも企業にとって重要な役割を果たします。

これらは、単なる「サポート」とは異なるとして「カスタマーサクセス」としている企業も多いもの。

カスタマーサクセスを実行していくためには、AIによって「言葉の裏を読み取る力」「相手を思いやる力」なども必要になります。現在の技術ではこれらの判断や行動をAIのみで実行していくことはできません。

「複雑な内容への対応」「顧客への感動や成功体験」は、AIではなく人によって行われるため、カスタマーサポートがすぐに無くなるとはいえないでしょう。

新型コロナウイルスでの影響は一時的

一方で、新型コロナウイルスの影響でカスタマーサポートの求人数は下がっています。求人数が下がったのは、以下のような理由が影響しています。

  • 経済活動が不透明になった
  • 業績が下がり、新規採用を見送る企業が増えた
  • 派遣の登録を始め、求職者が増加した
  • 緊急事態宣言の発令などにより採用活動が難しくなった
  • カスタマーサポートの在宅勤務などの体制を整えるのに時間を有した

しかし、店舗での対応ができなくなったこともあり、問い合わせの内容は増加をしている企業が多く、カスタマーサポートのニーズは増えているともいえます。

2022年現在では、オンラインでの採用活動も増えており、徐々に求人も再開されています。コロナウイルスによる求人数の減少は一時的で、今後は回復すると考えられます。

 

カスタマーサポート自体の重要性は上がっていく

カスタマサポートの現状について確認したところで、次に将来どのようになっていくのかについて確認していきましょう。

AIだけでは対応できない複雑な問い合わせの人力での対応

すでに紹介したように、現在でもAIを使ったカスタマーサポートを行っている企業は多く、AIだけでは対応できない問い合わせにオペレーターが対応しています。

今後も、複雑な問い合わせに対してはAIではなくオペレーターが対応していく必要性があり、ニーズはすぐになくなることはないでしょう。

ただし、簡単な問い合わせはAIが対応しているため、より高度な問い合わせに回答できる知識と判断力が求められるようになることには注意が必要です。

顧客体験がより重視される

ある程度の品質が保証されているモノが揃っている現在では、モノ自体の品質ではなく、商品やサービスを通した体験が重視されています。そのため、自社の商品やサービスを通した「顧客体験」ひいては「顧客の成功体験」が最重視されているといえるでしょう。

また、コロナウイルスの影響で店舗での接客が少なくなったことや、オンラインで完結する取引も増えたことから、企業と顧客が実際にコミュニケーションする機会が少なくなっています。顧客が企業と商品やサービス・コーポレートサイト・SNSなどではなく、生身の人間と接するのは、カスタマーサポートが初めてになるケースも多いでしょう。

そのため、カスタマーサポートの対応が、よりリアルな「企業」としての人格を与えやすくなります。

カスタマーサポートの印象が企業の印象に直結しやすくなるため、これまで以上に満足度の高い対応が求められるようになるでしょう。

 

今後必要とされるカスタマーサポート人材の特徴

より高度な問い合わせへの対応や、顧客体験が重視されるカスタマーサポートの現場では、どのような人が重宝されるのでしょうか。

今後必要とされるカスタマーサポート人材は、以下のような特徴があります。

  • 専門性の高い知識を有していること
  • 単なるサポートではなく、顧客の成功体験を実現できること
  • マネジメントを行えること

それぞれの項目の詳細を確認していきましょう。

1.テクニカルサポートなど専門性の高い知識を有していること

今後のカスタマーサポートでは、「送料」「お届けまでの日数」といった、Q&Aにも記載して簡単に確認できるような内容への回答は必要なくなり、AIでは回答できないより複雑で高度な問い合わせへの対応が求められます。

そのためには、専門性の高い知識を有していることが重要です。

また、新型コロナウイルスの影響も後押ししデジタルシフトが進んだ現在では、テクニカルサポート人材が不足しています。

転職サービス「doda」が発表したコロナ前後での「決定年収上昇率ランキング(職種版)」では、IT・通信系のヘルプデスクが、年収上昇率ランキングの4位にランクインするなど、ニーズが高まっていることがわかります。

参考:転職サービス「doda」、コロナ前後での「決定年収上昇率ランキング(職種版)」を発表 1位のクリエイティブ系は、コロナ前から決定年収が約7%上昇

現在では特にIT・通信系のテクニカルサポートのニーズが高まっていますが、その他の分野でも専門知識を有しており、非専門家からの問い合わせにもわかりやすく言語化して伝えられる人材は重宝されるといえるでしょう。

2.単なるサポートではなく「サクセス」を実現できる

すでに紹介したように、カスタマーサポートでは顧客の成功体験をアシストすることが求められており、「カスタマーサクセス」の考え方が重視されるようになっています。

出典:株式会社ユニリタ

株式会社ユニリタの「カスタマーサクセスに関する実態調査」によると、カスタマーサクセスとして専任的に従事する人数は、2〜10名程度をアサインする組織が昨年度から約10%増加。専任化していない組織は約5%減少していることから、カスタマーサクセスを組織化している企業は増加傾向にあることがわかります。

参考:50%以上の企業がカスタマーサクセス専用ツールの導入を検討している!?カスタマーサクセス組織の要員も増強傾向<2022年度版:カスタマーサクセス実態調査>

今後も、カスタマーサクセスの専任化・組織化は進んでいくと考えられ、カスタマーサポートとしての知識を生かして、カスタマーサクセスに取り組める人材は、今後も重宝されるといえるでしょう。

カスタマーサクセスで求められる内容や、カスタマーサポートの違いについては、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:カスタマーサクセスとは?注目される背景やカスタマーサポートとの違いなど徹底解説

3.マネジメントを行える

カスタマーサポートは未経験の人材の採用をしていたり、アウトソーシングで人材を確保していたりする企業も多いです。しかし、これらの人員をマネジメントできる人材は多くありません。

プレイヤーとして、難しい問い合わせにも的確に対応できるカスタマーサポート人材も重宝されますが、目の前の問い合わせに回答するだけではなく、

  • チームとして効率がよいサポートを検討できる
  • ナレッジの蓄積やマニュアルの作成に貢献できる
  • チームメンバーの業務管理、モチベーションコントロールや、メンタルケアを含めたマネジメントができる
  • チームとしての問い合わせ回答率・満足度を上げる仕組みを検討できる
  • 顧客が問い合わせをしなくてもセルフで解決できる仕組みを作れる
  • カスタマーサポート内だけではなく他の部署との連携も図れる

上記のようなことを叶えられる人材は、マネジメント要員としてもニーズが高いです。

さらに、マネジメントを行う場合は、給与にも反映されることが多いもの。今後カスタマーサポートとして求められるためにも、キャリアアップのためにも、マネジメントについてもキャッチアップしてみてはいかがでしょうか。

 

企業に必要不可欠なカスタマーサポートはより質を求められる時代に

AIを始めとする様々な技術の導入により、カスタマーサポートの現場も一部ロボットに置き換えられる部分も出てきました。しかし、今後さらに重要度が増す「顧客の成功体験」のためには、人による顧客対応もまだまだ必要不可欠です。

より質の向上が求められるカスタマーサポートで活躍し続けるためには、専門的な知識や、カスタマーサクセスの考え方などが重要になります。

ぜひ本記事を参考に、今後のカスタマーサポートとしてのキャリアを検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事:カスタマーサポートのキャリアパスは?CSのキャリアアップ・転職のためにしたい3つのこと

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