FAQサイトは一度作ったら終わりではありません。継続的に効果測定を行い、顧客のニーズをとらえて更新し続ける必要があります。
改善のPDCAサイクルをしっかり回すことができれば、顧客の自己解決は飛躍的に増え、顧客満足度の向上やサポートコストの削減など多大な成果を生み出します。
本記事では、良いFAQサイトの条件、改善に欠かせない指標、改善手順、さらには具体的な改善ポイントについて詳しく解説します。
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良いFAQサイトの条件
良いFAQサイトは、主に以下の条件を満たしています。まずは、自サイトがしっかり条件を満たしているかチェックしましょう。
FAQで問題を自己解決できる
FAQサイトの最大の役割として、顧客が問題を「自己解決できること」が求められます。そのため、FAQの数・質を充実させるなど、以下の観点が重要になります。
数・質の充実 |
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わかりやすさ |
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結果の可視化 |
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求めているFAQをすぐに見つけられる
FAQサイトは第一に、顧客の問題を「素早く解決できること」が求められます。顧客が求めているFAQをすぐに見つけられるよう、以下の観点が重要になります。
アクセス性 |
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デザイン性 |
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検索性 |
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FAQを定期的に更新している
FAQサイトは一度作ったら終わりではありません。効果測定を行い、顧客のニーズをとらえて更新し続ける必要があります。FAQの定期的な更新には、以下の観点が重要になります。
情報更新 |
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利用状況の分析 |
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VoC(顧客の声) |
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FAQサイトの改善に欠かせない指標
FAQサイトの改善には、以下などの指標を可視化し、定期的に確認することが大事です。
FAQ閲覧後の問い合わせ(解決率)
FAQ閲覧後のフォーム遷移や問い合わせを見ることで、「解決率」などを推計できます。閲覧後に問い合わせフォームに遷移した、問い合わせを送信したという場合、掲載しているFAQだけでは問題が解決しなかったことを示します。
問題が解決しなかった原因は、以下が考えられます。
FAQの内容が不十分 | 問題:回答がわかりにくい、説明が足りない、情報が古いなど
対策:文章をわかりやすくするなど適切に書き直す |
求めているFAQがない | 問題:該当するFAQが用意されていない(または見つけられない)
対策:問い合わせの内容をもとにFAQを追加など |
株式会社PR TIMESが行ったカスタマーサポート調査では、「約75%がFAQで問題を自己解決できず問い合わせに至ったことがある」という結果も出ています(下図)。
解決率を高めるには、FAQ閲覧後にどういう問い合わせがされたかを分析することが重要です。分析によりコンタクトリーズン=顧客が連絡をする動機が浮かび上がり、FAQの修正・追加に役立てられます。
検索結果なし(0件ヒット率)
顧客がキーワード検索をした際、関連するFAQがヒットしない場合「検索結果なし」と表示されます。この表示回数の割合を「0件ヒット率」と呼びます。例えば、検索回数が100回、「検索結果なし」の表示回数が10回の場合、0件ヒット率は10%となります。
顧客からすれば、「検索結果なし」は門前払いを食らうことと同義です。0件ヒット率を下げなければ、サイト離脱の増加や再訪問の減少、問題未解決による問い合わせ数の増加を招きます。
「検索結果なし」が起きる原因は、以下が考えられます。
- 検索キーワードに関連するFAQが用意されていない
- 関連するFAQはあるが、検索キーワードとFAQの登録キーワードが合致していない
クリック率
FAQサイトでクリック率を見る場合、主に検索結果に表示されたFAQのクリック率を見るのが効果的です。「検索結果のFAQクリック数/検索結果の表示回数=クリック率」で算出できます。
クリック率が高ければ、顧客の検索意図とFAQが合致していることを示します。逆にクリック率が低ければ、検索キーワードに合致するFAQはあっても、顧客が求める内容ではなかった可能性が高いといえます。
検索結果に表示されたFAQのクリック率が低い原因は、以下が考えられます。
表示されたFAQが検索意図と合っていない | 問題:用意しているFAQは顧客が求めている内容ではない
対策:検索キーワードの裏に隠れている“検索意図”を調べ、新たなFAQを追加する |
表示されたFAQの質問文がわかりづらい | 問題:質問文がわかりづらく正しく認識されていない
対策:質問文を認識されやすい文章に書き直す(短縮するなど) |
FAQサイトの改善4ステップ
FAQサイトを改善する際は、以下の4ステップで進めていくのが有効です。
1.FAQサイトのKGI・KPIを設定する
まず最初に、FAQサイトが目指すKGI・KPIを設定しましょう。明確な数値目標を立てることで取るべきアクションが定まりやすくなり、チームメンバーや上長の理解も得られやすくなります。
例えば、KGIを「問い合わせ数を〇%削減する」と設定した場合、KPIは以下のようにブレイクダウンできます。
- 問い合わせの多い内容から上位〇位までをFAQに反映させる
- FAQ閲覧後の問い合わせフォーム遷移率を〇%低下させる
- 0件ヒット率を〇%まで低下させる
- 検索結果のFAQクリック率は〇%以上を維持する
2.改善策を考える
次は、KPIの達成に必要な改善策を考えます。これまでの利用状況をGoogleアナリティクスなどで分析することで、優先度の高い改善ポイントが見えてきます。
例えば、FAQサイトの「よくある問い合わせをFAQに反映させる」というKPIに対しては、以下のような改善策が効果的です。
- コンタクトリーズンを分析する(顧客ニーズを把握する)
- 定期的に分析・更新をする担当者やタイミングを決める
- 分析・更新のスピードを早めるためFAQ作成ツールを導入する
3.改善策を実行する
改善策を固めたら、早速実行していきましょう。改善策一つとっても、具体的なアクションは以下のようにいくつか挙げられます。
FAQの数・質を高める |
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FAQの検索性を高める |
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4.結果を確認する(可視化する)
改善策の実行後は一定期間データを蓄積し、結果の推移を追いかけましょう。いつでもスムーズにKPIを確認できるよう、リストやダッシュボードを作成し関係者に共有するのもオススメです。
改善しなかった数値は、要因を探り次の改善策に繋げます。一度のアクションでKPIを達成できることは稀です(すぐに達成できた場合、KPI設定自体に問題があるかもしれません)。結果を次に活かすというPDCAサイクルを回し、FAQサイトを育てていくことがなによりも重要です。
FAQサイトの改善ポイント
FAQサイトを改善する際は、以下のポイントを意識してみてください。
よくある問い合わせから対策する
まずは、問い合わせの多い内容から優先的にFAQを充実させましょう。FAQは往々にして一度作ったまま放置されがちですが、顧客のニーズに合わせてFAQを修正・追加することで、問い合わせ数の削減や満足度の向上が期待できます。
顧客のニーズを把握するには、VoCの収集・分析が有効です。コンタクトリーズン分析を行い、問い合わせ数が多い内容からFAQを追加しましょう。また、0件ヒット率やFAQクリック率などの指標も、顧客ニーズの把握に活用できます。
検索性を向上させる
求めているFAQに素早くたどり着けるよう、キーワード検索やカテゴリ分け以外にも、幅広い検索方法をサイト内に組み込むのが有効です。
キーワード検索以外の検索方法は、主に以下が挙げられます。
自然文検索 | キーワード以外にも日常で使うような自然文(話し言葉)で検索できる。 |
サジェスト検索 | キーワードを入力した際、検索者のニーズを予測して次の候補キーワードが自動的に表示される。 |
タグ検索 | FAQに関連キーワードをタグ付けすることで、同じタグ付けがされたFAQだけをピンポイントで検索できる。 |
よく見られているFAQを強調する
PV数の多いFAQは、多くの顧客が求めている人気の情報といえます。検索窓の近くにランキングを設置したり、FAQをPV数で並べ替え表示できたりすると、顧客は検索の手間をかけることなく人気のFAQを見つけることができます。
また、FAQを更新日時で並び替え表示できると、新しい製品・サービスに関するFAQを見つけやすくなります。
FAQをわかりやすく書く
質問文(Q)
サイト内検索をした際、検索結果に表示されたFAQが求めているものであっても、質問文がわかりづらいとクリックをされません。そして、顧客は求めているFAQへ一向にたどり着くことができません。
質問文が正しく認識されるよう、シンプルにしたり、関連キーワードを盛り込んだりしてみましょう。
回答文(A)
せっかく求めているFAQにたどり着いても、回答文がわかりづらく理解するのに時間がかかっては大変勿体ないです。最悪の場合、問題を自己解決できずにFAQサイトから離脱してしまいます。
「誰にでもすぐ伝わる回答」を意識して、主に以下のポイントを押さえましょう。
- 文章は簡潔にする
- 専門用語や難解な単語はなるべく使わない(使う場合は注釈をつける)
- 複雑な仕組みなどを説明する際は写真・図解を用いる
定期的に更新する
FAQサイトを一切更新せず放置していると、顧客のニーズにマッチしていないどころか、正しくない古い情報を伝えかねません。VoCをはじめとした各種データをしっかり分析し、定期的にアップデートすることが最重要です。
FAQサイトの更新には手間がかかります。複数名で分担したり、FAQ作成ツールを導入し簡便化したりすることがオススメです。繁忙期などリソースが限られた状況でも更新をしていける環境を構築しましょう。
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まとめ
FAQサイトを継続的に改善していくことで、顧客の自己解決は増え、顧客満足度の向上やサポートコストの削減など大きな効果が生まれます。顧客のニーズに合った最適なFAQを提供できれば、顧客との関係性はより強固なものとなるでしょう。
ただ、問題としてよく挙がるのが「リソース」です。FAQを更新する時間がとれない、という悩みの声が散見されます。
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