Googleフォームによる予約フォーム・予約システムの作り方を解説
予約管理やイベント参加者の募集には、使いやすく効率的なフォームが欠かせません。Googleフォームなら、無料で簡単に予約フォームを作成できます。本記事では、基本設定から実践的な運用方法まで、予約フォーム作成の手順をわかりやすく解説します。コストをかけずに予約システムを構築したい方、手軽に予約フォームを作成したい方は、ぜひ参考にしてください。
【目次】
- Googleフォームで予約フォームを作る方法・手順
- 予約フォームで入力してもらうべき項目と作り方のポイント
- フォームを活用!予約システムとして構築・運用するためのポイント
- Googleフォームで予約フォームを作成するメリット
- Googleフォームで予約フォームを作成するデメリット
- まとめ
Googleフォームで予約フォームを作る方法・手順
はじめに、Googleフォームで予約フォームを作成する手順について解説します。初めて作成する方でも混乱しないよう、ステップごとに画面の操作方法や設定のポイントを説明していきます。
ステップ1:Googleアカウントにログインし、新規フォームを作成する
まず、Googleフォームにアクセスします。Googleアカウントにログインし、Googleのトップページの右上に表示されている「9つの点が格子状に並んだアイコン」をクリック。表示されたメニューの中から「フォーム」を選択してください。画面に表示されている選択肢の「空白のフォーム」をクリックすると、新規フォームが作成されます。また、Googleフォームにはさまざまな用途に応じたテンプレートも用意されています。予約フォームを作成するなら、「スケジュール確認」「イベント参加申込書」などのテンプレートを利用すると良いでしょう。
ステップ2:フォームのタイトルと説明を入力する
「無題のフォーム」をクリックすると、フォームのタイトルを入力できます。「イベント参加予約フォーム」「セミナー予約フォーム」など、フォームの目的や用途が一目で分かるようなタイトルにするのがポイントです。また、タイトルの下に説明文を入力することができます。「フォームの説明」をクリックし、予約に関する重要な注意事項やイベントの開催日時、場所、参加費用などの概要情報を記載しましょう。詳細に説明文を記載することで、回答者は事前に必要な情報を確認したうえで入力できます。予約の流れや必要な準備に関する説明を加えるても良いでしょう。
ステップ3:質問項目を設定
タイトルを入力したら、質問項目を設定します。氏名や連絡先など、参加者の情報や希望を正しく収集し、確実に予約を進めるために必要な項目を設定しましょう。基本的な項目は下記のとおりです。
・氏名
・メールアドレス
・電話番号
・参加希望日
・参加人数 など
質問項目を追加する際は、画面右側に配置されているツールバーから「+」アイコンをクリックします。各質問には、回答形式に応じて「記述式」「選択式」「日付」など質問の種類を選択できます。回答必須項目については、質問設定の下部にある「必須」オプションをオンにしてください。オプションをオンにすると、未入力の質問があると回答を送信できないように設定できます。必要な情報の入力漏れを防ぐためにも、確実に回答してもらいたい項目は「必須」にしておきましょう。
ステップ4:回答の保存先を設定
回答データはGoogleスプレッドシートに保存できます。フォーム内で回答結果を確認することもできますが、顧客管理の視点で考えるとスプレッドシートに保存するのをおすすめします。スプレッドシートでは回答者の情報が時系列順に整理されてデータ分析や管理が容易に行えるうえ、自動更新によるリアルタイムでの予約状況確認も可能であるためです。スプレッドシートと連携するには、まずフォーム画面上部にある「回答」タブをクリック。スプレッドシートアイコンをクリックし、「新しいスプレッドシートを作成」を選んで「作成」を押すとスプレッドシートが生成されます。
ステップ5:フォームを送信または共有
フォームが作成できたら公開します。公開するには右上の「公開」ボタンを選択すると公開方法を選択できます。また、公開する方法は下記のとおりです。
・メール
特定の対象者に直接フォームを送信する場合は、回答者の欄の「管理」をクリックするとフォームの共有画面が表示されます。「ユーザー、グループ、カレンダーの予定を追加」の欄にメールアドレスを入力して送信を押すと、フォームが対象者に共有されます。複数のアドレスを一度に指定することも可能です。
・リンク
フォームへのアクセスURLを生成して共有することもできます。公開設定の画面で「回答者へのリンクをコピー」をクリックすると、URLが生成されます。「URLを短縮」を有効にすれば、より簡潔で共有しやすいURLが生成できます。
・埋め込み
ウェブサイトやブログに直接フォームを表示させたい場合は、埋め込みコードを取得しましょう。右上の「︙」をクリックして「HTMLを埋め込む」を選択すると、コードを生成できます。
予約フォームで入力してもらうべき項目と作り方のポイント
予約フォームを作成する際、「どんな質問を組み込めば良いか分からない」と迷う方もいるでしょう。ここでは、予約フォームに組み込むべき項目を5つ紹介。作り方のポイントを含めて解説します。
項目1:【必須項目】氏名→「記述式」
氏名は参加者を特定するために必須の項目です。「漢字」「ひらがな」「カタカナ」などさまざまな入力形式に対応する必要があるため、「記述式」を選択しましょう。質問文には「氏名」もしくは「お名前」と入力します。ふりがなが必要な場合は、漢字の氏名欄とは別に質問を設けましょう。外国人の参加が想定される場合は、「姓」「名」を分けて入力できるように質問項目を2つに分けるのも手です。「名前と名字の間にスペースを入れる」といった細かい指定がある場合は、説明文の欄に補足説明を入れておくと親切です。
項目2:【必須項目】メールアドレス→「記述式」
予約確認メールの送信や緊急時の連絡に使用します。質問の種類は「記述式」を選択し、質問文には「メールアドレス」と入力。必須項目に設定することで、確実な連絡手段を確保できます。アドレスの入力ミスを防ぐには、「メールアドレスの収集」機能が有効です。設定内の回答にて収集機能をオンにすることでアドレスの形式が自動的に検証され、入力ミスがあればエラーが出ます。説明欄に「確認のためもう一度ご入力ください」といった文言を追加することでも、入力ミス防止に繋がります。
項目3:【任意項目】電話番号→「記述式」
電話番号を記載してもらうなら、質問の種類に「記述式」を選択して質問文に「電話番号」と入力しましょう。説明文に「市外局番から入力してください(例:03-1234-5678)」と記載して入力形式を指定すると、データの整理が容易になります。国際電話番号に対応する場合は、国番号を入力する欄の追加を検討してください。必須項目に設定するかどうかは、予約の種類や連絡の重要度に応じて判断します。緊急連絡手段として必要な場合は、必須項目として設定しましょう。「日中連絡がつきやすい番号」といった補足情報を質問文に加えることで、より確実な連絡手段を確保できます。
項目4:【必須項目】参加希望日→「日付」or「プルダウン」or「チェックボックス」
参加希望日を把握するための項目です。質問の種類は、ランダムに日程を入力してもらうならカレンダーから日付を選択する「日付」がおすすめです。複数の日程から選択できるようにする場合は、「プルダウン」や「チェックボックス」を使いましょう。予約調整をスムーズにするには、「第一希望日」「第二希望日」のように複数の質問項目を設定してください。時間帯の希望を収集する場合は、改めて「プルダウン」や「チェックボックス」で質問項目を作成すると良いでしょう。
項目5:【必須項目】参加人数→「プルダウン」or「記述式」
イベントやセミナーでは、参加人数の把握が重要です。「プルダウン」もしくは「記述式」を選択し、質問文に「参加人数」と入力してください。「プルダウン」の場合は、「1人」「2人」「3人」など人数の選択肢を設定します。参加人数を制限したい時に有効です。参加人数に上限がない時は、「記述式」で自由に人数を入力できるようにすると良いでしょう。必要に応じて、「大人」「子ども」などの質問項目を設けるのも手です。参加人数によって料金が変動するなど注意事項がある時は、質問文や説明欄に料金体系を明記することで未然にトラブルを防げます。
フォームを活用!予約システムとして構築・運用するためのポイント
Googleフォームの基本的な機能はシンプルですが、工夫次第で予約管理ツールとして活用することが可能です。Googleフォームで作成した予約フォームを予約システムとして活用するためのポイントを紹介します。
ポイント1:スプレッドシートと連携する
予約状況の管理やデータ分析をするなら、Googleスプレッドシートと連携するのがおすすめです。フォームで収集した回答は、スプレッドシートに自動保存されます。関数やフィルタ機能を活用することで、日付や時間帯別での予約状況の集計や特定の予約抽出などが可能となります。条件付き書式機能を使えば、「定員オーバーしている」といった状況を視覚的に管理することもできます。
ポイント2:自動でメールを返信できるように設定する
回答者に自動で返信メールを送りたい時は「設定」画面の「回答」をクリックし、「メールアドレスを収集する」と「回答のコピーを回答者に送信」をオンにしてください。回答者は、返信メールが来ることで「予約受付が無事に済んでいる」と安心できます。「Google Apps Script」を使用すれば、リマインドメールを送ることも可能です。
ポイント3:アドオンやスクリプトを活用する
Googleフォームの機能はシンプルなこともあり、細かく複雑な管理がしにくい点が悩みどころです。しかし、アドオンやGoogle Apps Scriptを活用することで、実現できることが増えます。例えば「Choice Eliminator」を導入すれば、定員に達した時間帯が出た場合に該当の選択肢を非表示にできます。また、Google Apps Scriptで予約数のカウントや定員到達時の自動〆切といったプログラムを組み込むことも可能です。ただし、これらの機能の利用には専門的な知識が必要となります。
ポイント4:共有設定でアクセス権限を付与する
フォームの安全な運用と情報保護には、共有設定によるアクセス権限の付与が不可欠です。想定する回答者を明確にし、適切な共有設定を行いましょう。まず、編集権限は必要最小限のユーザーにのみ付与。「Google Workspace」を利用している場合は、「(組織名)のユーザー」を選択することで組織外からのアクセスを制限できます。また、リンク共有時に「リンクを知っている全員」を選択すると誰でも回答できてしまいます。限定イベントといった予約フォームを公開範囲に制限をかける場合は、共有方法に注意が必要です。
ポイント5:予約後のフォローアップを忘れない
回答者に対する予約後のフォローアップも重要です。回答内容を確認し、不明点があれば迅速に連絡することでトラブルを未然に防げます。予約に期限を設けている場合は、Google Apps Scriptやスプレッドシートの通知ルールを活用することで自動的にリマインドを送信できます。また、予約日前日にリマインドメールを送れば、無断キャンセル防止に繋げることも可能です。
Googleフォームで予約フォームを作成するメリット
Googleフォームによる予約フォームや予約システムの作成には、いくつかのメリットがあります。ここでは3点紹介します。
メリット1:無料で利用可能
Googleフォームは、Googleアカウントを所持していれば無料で利用できます。質問項目の設定や回答の自動集計、スプレッドシートとの連携など、主要な機能も無料で利用可能。オンライン決済やリアルタイムでの予約状況更新など複雑な管理は難しいものの、基本的な予約管理であれば十分に活用できます。予約システムの導入コストを削減できるため、予算を抑える必要があるイベントの予約管理などにおすすめです。
メリット2:簡単に作成およびカスタマイズできる
Googleフォームを使えば、プログラミングの知識がなくとも「ドラッグ&ドロップ」といった直感的な操作で簡単に予約フォームを作成できます。質問形式も「記述式」「選択式」「チェックボックス」「プルダウン」「日付」「時間」など、予約管理に使えるものが豊富にあります。予約フォームに使えるテンプレートも用意されているうえ、カスタマイズも可能。素早く手軽に予約フォームを作りたい人は、Googleフォームを試してみましょう。
メリット3:回答を自動で集計できる
Googleフォームでは、回答データは自動的に保存されます。回答結果はフォームの「回答」をクリックすることで、すぐに確認できます。Googleスプレッドシートと連携すれば、日付や時間帯での絞り込みやグラフ作成による視覚的な分析が可能。予約状況の把握や分析、集計が容易になります。
Googleフォームで予約フォームを作成するデメリット
Googleフォームによる予約フォームの作成は手軽で便利ですが、一方で本格的な予約システムと比較すると課題もあります。ここでは、主なデメリットを3点挙げます。
デメリット1:高度な予約管理機能が不足している
Googleフォームは、フォームやアンケートの作成がメインのツールです。予約管理に特化したツールではないため、空き状況のリアルタイム表示や細かい料金設定、オンライン決済などの機能は標準では利用できません。リマインダーメールや顧客管理などGoogle Apps ScriptやGoogleスプレッドシートとの連携でできることもありますが、専門的な知識や技術が必要です。
デメリット2:デザインの自由度が低い
Googleフォームはデザインをカスタマイズできますが、「画像の挿入はヘッダーのみ」「使用フォントが限定的」など細かい調整がしにくい面もあります。「ブランドイメージを重視したい」「Webサイトとの統一感を出したい」などデザインにこだわりたい場面では、物足りなさを感じるでしょう。
デメリット3:大規模な運用には不向き
Googleフォームは小規模なイベントや個人レベルの予約管理に適していますが、大量の情報を管理する必要がある大規模な運用となると機能不足な面もあります。数百人規模のイベントには、より高度な機能と安定性を備えた専用の予約システムの導入を考えましょう。
まとめ
本記事では、Googleフォームによる予約フォームと予約システムの作り方について解説しました。予約フォームとして活用する際は、「氏名」「メールアドレス」「電話番号」「参加希望日」「参加人数」などの基本的な質問項目を設定。回答データはGoogleスプレッドシートと連携させることで、効率的な顧客情報管理が可能です。スクリプト機能を活用すれば、リマインドメールの自動送信も実現できます。ただし、オンライン決済機能やリアルタイムでの空き状況確認といった高度な機能が必要な場合は、専用の予約システムの利用を検討しましょう。
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