声なき顧客「サイレントカスタマー」とは?対策方法と、対策しない恐ろしさ
顧客について分析するときには「ロイヤルカスタマー」もしくは「クレーマー」に注目する企業が多いでしょう。しかし、声なき顧客「サイレントカスタマー」の存在を忘れてはいけません。
本記事では、サイレントカスタマーの意味や、対策しないことについての恐ろしさ、そしてどのように対策をしていったらいいのかについて解説します。
サイレントカスタマーの意味とは
「サイレントカスタマー」とは、名前の通り「意見を直接企業に伝えない顧客」のこと。
商品やサービスに不満があっても、それを企業に直接伝えることはなく、ただ商品やサービスの利用をやめてしまいます。また、思ったことを企業には不満を伝えなかったとしても、口コミやSNSに不満を投稿するケースも増えています。
サイレントカスタマーの割合
一説によるとサイレントカスタマーの割合は、およそ9割にもおよぶといわれています。ほとんどの顧客は商品やサービスに対して自らフィードバックを与えてくれるわけではないことを覚えておきましょう。
サイレントカスタマーへの対策をしないことの恐ろしさ
「何も言ってくれないならしかたない」「クレーマーになるよりいいかも」と思う方もいらっしゃるかもしれません。サイレントカスタマー向けの対策をしていない企業が多いのですが、何も対策をしていない場合恐ろしいことに繋がってしまいます。
次に、サイレントカスタマーへの対策をしないと、どのような危険性があるのか確認しておきましょう。
1.ネガティブな口コミで潜在顧客を失う可能性がある
サイレントカスタマーへの対策をしないことの1番の危険性は「サイレントカスタマーだけでなく、潜在顧客を失う可能性がある」ことです。
サイレントカスタマーは、企業に対して直接クレームをつけることはありませんが、その他の場所ではネガティブな口コミをしていることもあります。身近な人や、SNSでネガティブな口コミを広められることで、潜在的な顧客を失っている可能性があるのです。
グッドマンの法則
アメリカ政府の要請にてジョン・グッドマンが調査した内容で、以下のような法則があることが判明しています。
【グッドマンの第一法則】 「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品サービスの再入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い」
【グッドマンの第二法則】 「苦情処理(対応)に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミに比較して、二倍も強く影響を与える」
【グッドマンの第三法則】 「企業の行う消費者教育によって、その企業に対する消費者の信頼度が高まり好意的な口コミの波及効果が期待されるばかりか、商品購入意図が高まり、かつ市場拡大に貢献する」
参照:http://www.customer-loyalty.jp/goodman.html(顧客ロイヤルティ協会・佐藤知恭)
今回注目したいのは第二の法則である「悪い口コミはいい口コミよりも2倍伝わりやすい」という部分です。近年のSNSの普及率を考えると、インターネットでの口コミは無視できないものになっています。
悪い口コミの影響力を正しく認識しておくことが重要です。
1人の顧客の後ろには10人の顧客がいると認識する
サイレントカスタマー1人の後ろには、10人の潜在顧客がいると思うと、「サイレントカスタマーの対策をしっかりしないといけない」と危機感を覚えたのではないでしょうか。
SNSによって個人の拡散力は拡大しています。一人の投稿が何十万、何百万もの人に届く可能性も考え、1人ひとりの顧客に真摯に向き合うことを忘れないようにしましょう。
2.問題に気づかないまま顧客を失う
サイレントカスタマーは、クレームを入れることはしなくても90%以上は二度と商品やサービスを利用しないといわれています。
不満なことを伝えてくれたら改善できますが、何を不満に思ったのかもわからないまま、ただ離れられてしまうと改善のチャンスすら与えられません。
不満を伝える顧客のほうが再購入率は高い
先に紹介したグッドマンの第一法則によると、商品に満足していない顧客のうちクレームを伝えた顧客は、伝えていない顧客よりも購入率が高いとされています。
新規顧客獲得は、既存顧客へ販売する5倍のコストが必要
アメリカの大手コンサル会社のディレクターであるフレデリック・F・ライクヘルドによると、新規顧客の獲得は既存顧客へ販売するときの5倍のコストがかかる(1:5の法則)といわれています。
一度は商品・サービスを利用した顧客はリピートへ繋げることが企業の利益率を上げるために欠かせません。
サイレントカスタマーを生み出さない対策方法
サイレントカスタマーを無視していると、気づかないまま顧客を失うだけでなく潜在顧客までも失う結果になるとわかりました。
サイレントカスタマーを生み出さないためには、顧客に口を開いてもらえるような環境を作ることがポイントです。
不満を持った場合、ストレスなく伝えられるように
- 問い合せ先をわかりやすく、明確にしておく
- 問い合わせの際に入力する手間をかけていないか確認する
- 一度問合せした後の対応が素早く、質が高いか(2度目の問い合わせにつながる)
を確認しておきましょう。
また、攻めの顧客対応としてアクティブサポートを行うこともポイントです。
関連記事:攻めの顧客対応「アクティブサポート」とは?メリット・注意点・対応例を紹介
サイレントカスタマーに声を発してもらうサポートを
顧客の9割以上を占めるサイレントカスタマー。SNSの普及によりその脅威はますます拡大しているといえ、対策しないと知らない内に顧客・潜在顧客を失ってしまいます。
サイレントカスタマーに声を発してもらうためには、少しでも声を伝えやすい環境を作ることが重要です。
「問い合わせ先がわかりにくい」「問い合わせをしてもすぐに返答をもらえなかった」となると、ますます声を発してもらえにくくなってしまいます。
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