攻めの「戦略人事」とは?求められる4つの役割や戦略を立てる3つのポイントを紹介
人事業務を行うときに「もっと戦略を持ってプランを立てたい」「このまま同じような人の採用を続けていてもいいのかな?」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、企業の成長を牽引する「攻めの人事」について紹介します。人事に求められる役割や、戦略を立てるときのポイントについて確認していきましょう。
戦略人事とは?
バックオフィス業務は「縁の下の力持ち」ともいわれ、企業のサポート役のように思われがちです。しかし、近年では「戦略人事」「戦略総務」といった、人事や総務などのバックオフィスが主体となって企業を牽引していくことが注目を集めています。
戦略人事の特徴
「戦略人事」は、その名の通り、人事が経営戦略を持って業務を行うことです。
企業の3つの経営資源と呼ばれている「ヒト」「モノ」「カネ」。優秀な人材の確保は、企業の成長に直結します。
そのため、戦略人事では企業の経営戦略に沿って、必要な人材を戦略的に確保し、マネジメントしていくことを目指しています。
戦略人事を行うメリット
戦略人事を行うことは、企業の経営戦略に必要な人材が揃った状態を作れることがメリットです。
特に、スタートアップやベンチャー企業など少数精鋭でスピード感が求められる企業の場合、人材配置にタイムラグを生じさせることがなく、最適な人材を配置できるのは企業の成長に大きな意味を持ちます。
従来の人事との違い
従来の人事は、ある程度の採用基準は持っていながらも、経営戦略に沿って必要な人材を自ら獲得していくところまでは対応できていませんでした。
戦略人事では、従来の人事にこの後紹介する「HRBP」「OD&TD」の役割が追加されたものだといえるでしょう。
戦略人事が行うべき4つの役割とは?
戦略人事では「HRBP」「OD&TD」「CoE」「OPs」の4つの役割が求められます。それぞれの機能について確認してみましょう。
HRBP:HRビジネスパートナー
HRBPとは、HR(人事)ビジネスパートナーのことです。
経営戦略、事業戦略に沿った人材を把握するため、経営陣やリーダー、そして各部署の従業員へのヒアリングをしながら、人的資源のマネジメントを行います。
人事部以外の様々な部署との関わりが多く、相談役の役割も持ちます。
OD&TD:組織&人材開発
OD(Organization Development)は、組織開発。TD(Talent Development)は、人材開発を指します。
企業文化の醸成や、組織の方向性を決定するなど組織開発を行うこと。
また、理想とする組織の構築に必要な人材の獲得や育成などが人材開発の役割です。
戦略人事では従来の人事業務に加えて、これらのHRBP、OD&TDの役割が求められています。
CoE:センターオブエクセレンス
CoE(Center of Excellence)とは、人事領域における統括のことを指します。
複数の部署の統括を行い、全社における最適化を目指します。
また、研修を行ったり、評価制度を構築することも求められます。
OPs:オペレーション部門
最後にオペレーション部門です。CoEで決定した内容を実際に細かく分類して運用していくことが求められます。
従来の人事では、これらのCoEの一部、そしてOPsの役割を果たしているといえるでしょう。
戦略人事における戦略の立て方3つのポイント
戦略人事では、経営陣や各チームとの連携をして人材資源のマネジメントを行ったり、組織や人材の開発が必要なことがわかりました。
では、そもそもの核となる「戦略」はどのように立てたらいいのでしょうか。
1.企業理念や経営理念を明確にする
戦略人事における戦略を立てる1つ目のポイントは、企業理念や経営理念を明確にすることです。
理念が明確になっていると、組織開発の方向性が明確になります。
2.中長期的なビジネスプランを理解する
戦略人事における戦略を立てる2つ目のポイントは、中長期的なビジネスプランを理解することです。
中長期的なビジネスプランを理解することで、どのような人材が必要なのかを把握できます。現場の理解だけでなく、経営的な視点からも必要な人材を判断していくことが求められます。
3.採用計画・育成計画を立てる
戦略人事における戦略を立てる3つ目のポイントは、採用計画や育成計画を立てることです。
理念や、中長期的なビジネスプランの把握から、必要な人材を検討した後は、人材をどのように集めるのかプランを立てる必要があります。現在の従業員を育成するのか、それとも必要なスキルを持った人材を採用するのか検討し、プランを立てましょう。
人事戦略を立てる時に注意する3つのポイント
最後に、人事戦略を立てるときに注意するべきポイントも確認しておきましょう。
1.自社の明確な判断基準を持つ
人事戦略を立てる際には、自社の明確な判断基準を持つことが重要です。
「優秀なスキルがあっても理念に共感していない人は採用しない」「チームワークを最も重視する」など、明確な判断基準を持つと採用時に悩むことがなくなります。
自社にあう人材か判断できる基準を持っておきましょう。
2.企業にとって必要な人材像を明確にする
人材採用をするにあたって、自社にとって必要な人材像を明確にしておくことも重要です。
スキル面だけでなく、マインド面も含めて、必要とされる人材像を明確にしておきましょう。
3.現場とのコミュニケーションを重視する
人事戦略を立てる際には、現場で活躍している従業員とのコミュニケーションも欠かせません。
経営的な視点だけでなく、現在のチームに求められている人材を把握したり、チームの雰囲気や個人の性格を把握するためにも、現場とのコミュニケーションは積極的に行うようにしましょう。
人事の社内規定を明確にしておこう
戦略人事を行う際には、「企業理念」や「会社として目指す方向性」を社内に明確に示す必要があります。
「とはいえ、どのように共有したらいいのかわからない」という方は、まずは情報を体系的にまとめることがおすすめです。
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また、新入社員、転職者、退職者に案内する内容をまとめるためにも、Tayoriが活用できます。
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これから、戦略人事を行っていこうというチームは、ぜひTayoriを活用してみてはいかがでしょうか。