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労働生産性を向上させる5つの方法とは?計算式や原因・国際比較した結果など基礎知識を紹介

労働生産性を上げるチーム

「生産性を上げるべきだ」とはよく使われる言葉ではありますが、そもそも「労働生産性」とはどのようなことを指すのでしょうか。

また、生産性を向上させるためにはどのようなことができるのでしょうか。

本記事では、労働生産性の定義・計算式や、低下する原因から向上させる方法まで、労働生産性に関する基礎知識を紹介します。

そもそも「労働生産性」の定義とは?

ヨーロッパ生産本部が1959年3月に公開した『ヨーロッパ生産性本部生産性委員会 ローマ会議の報告と結論』によれば、生産性の代表的な定義は以下だとしています。

生産性とは何よりも精神の態度であり,現存するものの進歩,あるいは不断の改善を目指す精神状態である。それは,今日は昨日よりもより良くなし得るという確信であり,さらに,明日は今日に優るという確信である。それは,現状がいかに優れたものと思われ,事実また優れていようとも,かかる現状に対する改善の意志である。それはまた,条件の変化に経済社会生活を不断に適応させていくことてあり,新しい技術と新しい方法を応用せんとする不断の努力であり,人間の進歩に対する信念である。
引用:ヨーロッパ生産性本部生産性委員会 ローマ会議の報告と結論

つまり働生産性とは、1つのものを生み出す際、生産に必要な諸要素をどれだけ有効的に使えたかということ。その割合を示した数値が労働生産性です。

労働生産性には、「付加価値労働生産性」と「物的労働生産性」の2種類があります。それぞれどのような考え方なのかを確認してみましょう。

付加価値労働生産性

「付加価値労働生産性」とは、社員1人当たりが生み出した成果における利益の指標です。

付加価値労働生産性を算出すると、効率的な働きができているかどうかがわかります。生産性が向上した場合の成果をどう分配するかにおいても重要な指標です。

物的労働生産性

「物的労働生産性」とは、社員1人当たりの生産量や販売個数、販売価格を示す指標です。

付加価値労働生産性が目に見えない指標であるのに対し、物的労働生産性は物的なものを指標とするため、算出しやすいのが特徴。物的労働生産性を算出することで、社員が効率よく業務に行えているかどうかがわかります。

 

労働生産性の計算・算出方法

何に対する労働生産性を見るかで、付加価値労働生産性と物的労働生産性を使い分けて算出する必要があります。それぞれ計算式が異なるため、注意が必要です。

労働生産性の計算方法

付加価値労働生産性の計算式

付加価値労働生産性は、付加価値額を労働力で割ることで算出できます。ただ、1人当たりの付加価値労働生産性を計算するのか、1時間当たりの付加価値労働生産性するのかで、多少計算式は異なります。

  • 1人当たりの付加価値労働生産性=付加価値額÷労働力(労働者数)
  • 1時間当たりの付加価値労働生産性=付加価値額÷労働力(労働者数×労働時間)

付加価値労働生産性を算出するうえで必要な付加価値額とは、以下のように割り出した数値です。

  • 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

例えば、生産コストに5万円かかった製品を10万円で販売した場合、差額の5万円が利益となります。関わっている社員数が5人であれば、社員1人当たりの付加価値額は1万円です。

物的労働生産性の計算式

物的労働生産性は、生産量を労働力で割ることで算出可能です。付加価値労働生産性同様、1人当たりの値を計算するのか、1時間当たりの値を計算するのかで、計算式は異なります。

  • 1人当たりの物的労働生産性=生産量(成果)÷労働力(労働者数)
  • 1時間当たりの物的労働生産性=生産量(成果)÷労働力(労働者数×労働時間)

付加価値労働生産性に比べて算出方法は比較的簡単です。

 

日本の労働生産性国際比較ランキングは低い

日本は、先進37カ国で構成されるOECD(経済協力開発機構)加盟諸国のなかで、非常に低い場所に位置しています。

  • 日本の時間当たり労働生産性は、47.9ドル。OECD加盟37カ国中21位。
  • 日本の1人当たり労働生産性は、81,183ドル。OECD加盟37カ国中26 位。
  • 日本の製造業の労働生産性は、98,795ドル。OECDに加盟する主要31カ国中16 位。

引用元:労働生産性の国際比較2020

特に時間当たりの労働生産性と1人当たりの労働生産性は、1970年以降もっとも低い状態が続いています。経済が停滞し始めた1990年代後半からGDPが下がり、主要先進7カ国のなかでは最下位を記録し続けています。

ただ、GDPがまったく伸びていないというわけではありません。日本の1人当たりGDPの推移は、2012年から少しずつ成長しています。日本の場合は総人口が減少し続けていることを鑑みると、経済成長のギャップはそれほど進んでないという見方もあります。

しかしアメリカやイギリス、ドイツに比べるとGDPの上昇幅は半分程度。国際的に比較してみると日本の労働生産性は低いといえるでしょう。

 

業界・企業規模・業種別の労働生産性を比較

労働生産性の高いチーム

労働生産性は、業界や企業規模、業種によって傾向が異なります。「資本集約型産業」「労働集約型産業」に分けて特徴を解説しながら、企業規模別の労働生産性の違いも確認していきましょう。

労働生産性が高いのは「資本集約型産業」

労働生産性が高いのは「資本集約型産業」です。資本集約型産業とは、製造業や金融業など、業務において設備や機械などが欠かせない業種のことです。

中小企業庁が公開している『2020年版小規模企業白書』でもその違いは明らか。情報通信業や建設業に次いで労働生産性が高い傾向にあることを読み取れます。

これらの業種は、設備や機械を稼働すればするほど労働生産性があがります。近年ではITツールの導入やDXによる業務の効率化も進んでいます。そのため労働力が低下しても高い労働生産性を維持できるのです。

労働生産性が低いのは「労働集約型産業」

一方、労働生産性が低いのは「労働集約型産業」と呼ばれる業種です。小売や宿泊、飲食などを含めたサービス業や医療がこの産業に該当します。

例えば宿泊では、1人のお客さんに対して複数のスタッフが案内やサービスの提供などを行います。付加価値は大きくなりますが、1つの成果に対して投入する労働力が多いのが特徴です。

医療に関しても、ハイスペックな医療機器を導入してはいるものの、1人の患者に対して医者が看護師など複数人のスタッフが必要。そのため労働生産性が低い傾向にあります。

企業規模別に見る、労働生産性の高い(低い)業種

企業規模別の労働生産性の違いも見られます。基本的に企業規模が大きくなるにつれて労働生産性はあがりますが、大企業のなかでも労働生産性には大きな差が見られます。

2020年版小規模企業白書』によれば、2019年度でもっとも労働生産性が高いのは、学術研究や専門・技術サービス業です。一方、もっとも労働生産性が低いのが医療や福祉、宿泊業や飲食業など。

企業規模に関係なく、1回の業務に複数人の労働力が必要とされる業種では、労働生産性が低くなる傾向にあります。

 

日本の労働生産性が低い主な3つの原因

公益財団法人日本生産性本部が公表した『労働生産性の国際比較 2020』によれば、日本の1人当たりの労働生産性は、OECD加盟37カ国中26位となっています。これは、2019年の数値であり、先進国中では下位の順位です。

日本の労働生産性が低い理由として、3つの原因が考えられます。

労働生産性が低い原因

原因1.長すぎる労働時間

考えられる1つ目の原因は、長すぎる労働時間です。

日本には、プロジェクトに対する貢献度や成果の度合いではなく、従事した時間の長さで社員を評価する習慣がいまだ根強く残っています。定時退社はやる気のなさの表れと捉えられてしまうため、残業することで仕事への意欲を示さなければならないこともしばしば。

結果として、時間内にやるべきタスクを終わらせる意識が低下し、時間に対する労働生産性はほとんどあがりません。

原因2.多すぎる従業員

考えられる2つ目の原因は、従業員数が多すぎることです。

長時間労働が常態化している日本では、社員数を増やすことで労働生産性を向上しようという考えが一般的。しかし、適切な時間で働ける環境が整っていなければ、新しい労働色を投入しても、根本的な解決はのぞめません。そのため、従業員数は増えていくのに労働生産性はまったく上がっていないという悪環境が生まれます。

原因3.時給や日給が当たり前な給与体系

考えられる3つ目の原因は、時給や日給などの給与体系です。

日本の多くの企業では、時給や日給で給料を換算しています。つまり、時間を対価に報酬が支払われる仕組みです。時間内に取り組んだ内容にかかわらず一定の報酬が与えられるため、一人ひとりが時間に対する成果を意識して働くことが非常に困難。

安定した収入を確保する代わりに、労働生産性の向上を見込めないシステムになっているのです。

 

労働生産性を向上させる5つの方法

労働生産性の向上は、超少子高齢化が進行している日本において、すぐに取り組むべき課題の1つです。最後に、労働生産性が低い要因をもとに、改善するための5つの方法をご紹介します。

労働生産性を向上させる方法

方法1.業務の内容・時間の可視化

労働生産性を向上させる1つ目の方法は、業務内容や時間の可視化です。

労働生産性を向上させるには、投入労働力を変えずに、売上高をあげるというアプローチが考えられます。そのためにはまず、業務を見える化して無駄な工数を洗い出すこと必要です。

どの工程にどれほどの時間がかかっているのか、社員一人ひとりの業務内容を書き出していきましょう。社員ごとに効率が異なっている場合は、なぜ異なっているのかを検討することで労働生産性の向上が望めます。

方法2.業務の平準化

労働生産性を向上させる2つ目の方法は、業務の平準化です。つまり、業務をルール化していきましょう。

例えば、同じような業務を複数人で行う場合、平準化が必要となります。結果にいたるまでのプロセスを1つに定めることで無駄な工程が発生するのを予防し、かつ成果に一定のクオリティを担保できるのがメリットです。

属人化している業務に関しても、平準化を検討しましょう。担当者が何らかの理由で休職・退職してしまった場合でも混乱が起こりにくく、業務がストップすることを防げます。

方法3.業務の自動化・効率化

労働生産性を向上させる3つ目の方法は、業務の自動化や効率化です。

毎月発生する業務については自動化を検討してみましょう。例えば、勤怠管理や請求書の対応などが自動化の対象として考えられます。勤怠の締め日に自動でデータを収集し、集計してくれるサービスを使えば、浮いた時間を重要な業務に当てることが可能になります。

業務の効率化においても同様です。例えば、データの入力なども書類を電子化するサービスを使えば時間を大幅に削減できます。手作業による労力の度合いが大きい業務に関しては、効率化できる方法がないか一度検討してみてください。

方法4.個人のスキルアップ

労働生産性を向上させる4つ目の方法は、個人のスキルアップです。労働生産性の向上において、社員の能力の強化は大きく関係します。

社員の能力を伸ばす取り組みとして、研修制度や、スキルアップをサポートする制度の導入がおすすめです。研修制度は、社内で行うOJT(業務を通して行う職業訓練)と社外で行うOFF-JTの両方を用意しておくとよいでしょう。OFF-JTがあることで、繁忙期関係なく研修を行えます。

スキルアップのサポート制度は、資格取得やセミナー受講などの費用を会社が負担するのが一般的です。そのほか、スキルアップした社員に対する手当の制度なども考えられます。

方法5.ITツールの導入

労働生産性を向上させる5つ目の方法は、ITツールの導入です。労働生産性を向上するためにはITツールの導入は必須です。業務内容の可視化や自動化と合わせて導入を検討してみてください。

考えられるITツールとしては、AIやIoTを活用したものがあげられます。例えば「RPA」がその1つです。RPAとはRobotic Process Automationの略で、AIなどの機会学習技術を活用し、人間のみが可能とされていた作業をロボットが代行するという取り組み。

人の手がいらない部分を自動化するだけでなく、人の手が必要とされている部分までサポートできるITツールが登場し始めているのです。これらのITツールをうまく活用し、労働生産性の向上を目指していきましょう。

 

具体的な指標を立て、労働生産性を向上させよう

労働生産性を上げるには、長時間漠然と業務を行うのではなく、時間に対する成果や業務の進行度合いを意識するなどが大切。まずは現状の労働生産性を数値化しましょう。日本の労働生産性上昇率は0.2〜0.6の間を推移しているのが現状ですので、会社としても最低限その数値を目指してみてはいかがでしょうか。

比較的簡単に取り組めるのは、業務の平準化です。一人ひとりが担当している業務をツールを使って視える化し、業務のルールつくりを行います。作成したルールを共有するためにナレッジベースを構築するのもよいでしょう。

ナレッジベースの構築には、株式会社PR TIMESが運営する「ayori」を活用すると便利です。

Tayoriの事例

導入事例:PR TIMES 当社テレワーク対応

Tayoriの「よくある質問(FAQ)」機能を使うことで、カテゴリ別にあわせた規則を分類可能。

タグを設定することも可能なため特定の内容を確認したい場合、キーワードを入れて簡単に検索できます。

業務のルールを管理するためにも、従業員に周知させるためにも使えるTayori。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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