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【マネジメントで使える心理学】ピグマリオン効果とは?使い方の5つのポイントと注意点

ピグマリオン効果を示した画像

教育現場でうまれた心理学で、教師の期待が学生の成績を高めるという考え方「ピグマリオン効果」についてご存知でしょうか。

教師を上司、学生を部下に置き換えれば、ビジネスの場でも使えます。

本記事では、ピグマリオン効果を使ったマネジメントの5つのポイント、そして注意点も解説します。

マネジメントで使えるテクニックを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

ピグマリオン効果とは?

ピグマリオン効果とは、教師からある程度期待されている学生の方が、全く期待されていない学生よりも良い成績を収めやすいという心理学です。

元々は教育現場で使われていたピグマリオン効果は、ビジネスの現場でも使われるようになりました。

 

ピグマリオン効果の具体例

ピグマリオン効果は、教育現場やビジネスのマネジメントに幅広く活かされています。

まずは、ピグマリオン効果の由来となった実験や、具体的な活用例を見てみましょう。

ピグマリオン効果の由来となったネズミを使った実験

1963年に教育心理学者のローゼンタールが、ネズミを使った迷路実験を行ったことで、ピグマリオン効果はうまれました。

実験では、学生を2つのグループに分け、それぞれにネズミを渡します。ネズミは両方とも同じ種類でしたが、一方は「賢いネズミ」、もう一方は「頭の悪いネズミ」と説明しました。

「賢いネズミ」のグループの方がネズミを丁寧に扱い、実験に真面目に取り組むこととなり、ネズミの迷路実験でも優秀な結果を収めました。

教育現場における具体例

1964年にサンフランシスコの小学校でも、ピグマリオン効果の実験が行われました。

実験では、学校の生徒を対象にした「ハーバード式突発性学習能力予測テスト」を行うと予告。さらにテスト前には、教師に「今後学力が伸びるであろう生徒」の名前を載せた名簿を渡しました。

実は、名簿は無作為に載っていたのはランダムに選ばれた生徒の名前でしたが、教師は名簿に名前の載った生徒に期待を向けました。結果、期待をかけられた生徒の学力は向上したのです。

部下のマネジメント

ビジネスの現場では、上司が部下に期待をかけることで、成績や能力の向上が見込めます

上司から期待をかけられた部下は、上司の期待に応えようとして、さまざまな行動を起こします。例えば、期待に応えるためにどう行動すべきかを考えたり、定期的に上司に相談や報告をしたりといった行動です。

期待をかけられることによってモチベーションが高まるだけでなく、行動そのものが変わるため、能力向上の機会も増えるのです。

 

ピグマリオン効果をマネジメントで使うときのポイント

ピグマリオン効果をマネジメントに使う際には、5つのポイントがあります。

【ピグマリオン効果の5つのポイント】

  1. 達成できる課題を与える
  2. 裁量権を与える
  3. 褒めてモチベーションを高める
  4. 相手の適性に沿った期待をかける
  5. どう期待しているか具体的なイメージを示す

各ポイントの理由について、詳しく解説していきます。

ポイント1.達成できる課題を与えて自信をつけさせる

ピグマリオン効果をマネジメントで使うときの1つ目のポイントは、「達成できる課題を与えて自信をつけさせる」ことです。

期待をかける際には、具体的な課題を与えることで、行うべきことが明確になります。

ただし、課題は達成できるレベルのものにすることがポイントです。

与えられた課題を達成できなかった場合、期待をかけられていた分、大きく自信を失くしてしまいます。

まずは、確実に達成できそうな課題からチャレンジさせてみるように注意しましょう。

ポイント2.裁量権を与える

ピグマリオン効果をマネジメントで使うときの2つ目のポイントは、部下に期待をかけるだけでなく、「裁量権を与える」ことです。

口では「期待しているよ」といいながら、裁量権を与えずに指示ばかり出されていたら、部下は「期待しているなんて、口だけじゃないか」と感じてしまいます。

「予算10万円の範囲で自由に進めてもらって大丈夫」「業務時間30時間使っていい」など、自己判断で動ける余白を作っておきましょう。

ポイント3.褒めてモチベーションを高める / 維持する

ピグマリオン効果をマネジメントで使うときの3つ目のポイントは、「褒めることでモチベーションを高める」ことです。

マネジメントの最中は、定期的に部下を褒め、モチベーションを高めましょう。

人は、褒められることでやる気を出します。ミスがあれば叱ることも必要ですが、モチベーション向上が目的であるときは、まずは褒めるようにしてください。

ポイント4.相手の適性に沿った期待値・内容を設定する

ピグマリオン効果をマネジメントで使うときの4つ目のポイントは、「相手の適性に沿った期待値を設定する」ことです。

かける期待値は、相手の適性に沿った内容に設定しましょう。

例えば同じ営業職であっても、口の上手さで契約を取る人もいれば、誠実な対応で得た信頼を基に契約を取る人もいます。相手の適性に合った期待値をかけることで、素質を最大限に引き出してあげましょう。

ポイント5.期待値は、相手がイメージできるように具体的に示す

ピグマリオン効果をマネジメントで使うときの5つ目のポイントは、「期待値を具体的に示す」ことです。

単に「期待しているよ」と伝えるのではなく、どのように期待しているのか、相手がイメージできるように具体的に示してあげましょう

漠然と期待されても、相手は期待にどう応えたらいいのかわかりません。どのような期待をしているのか、具体的にイメージできるように示すことで、期待に応えるための行動も具体的になります。

 

逆効果に!?ピグマリオン効果を使ってマネジメントするときの注意点

ピグマリオン効果を使ってマネジメントする際は、相手にとってちょうどいい期待をかけることと、褒めることが大切です。過度に期待をかけすぎたり褒めすぎたりすると、逆効果になることもあります。

ピグマリオン効果が逆効果にならないよう、注意点をしっかりと確認しておきましょう。

注意点1.過度に期待をかけすぎない

ピグマリオン効果を実践する際には、マネジメントする相手の適性や能力を考え、応えられる内容・レベルの期待をかけましょう。

期待されている内容を無理難題と感じてしまえば、相手は「どうせできない」とやる気を失ってしまいます。

注意点2.現状に満足してしまうほど褒めすぎない

ピグマリオン効果に限らず、マネジメントをする際に褒めることは大切です。ただし、相手が現状に満足してしまうほど、褒めすぎてはいけません

相手が現状に満足してしまうと、「期待に十分応えた」と思って行動を起こさなくなってしまいます。

相手にかけた期待が戻ってきたら、新たな課題(期待)を設定し、現状に満足しきらないようにコントロールしましょう。

 

ピグマリオン効果と比較される心理的行動

ピグマリオン効果と比較される心理的行動には、以下のように複数あります。

  • ホーソン効果
  • ハロー効果
  • プラシーボ効果
  • ラベリング効果
  • ゴーレム効果

マネジメントに使えるものもあれば、相手に悪影響を与えかねないものもあります。ピグマリオン効果と合わせて、1つずつ確認していきましょう。

ホーソン効果

ホーソン効果は、ピグマリオン効果と似た心理学です。

ピグマリオン効果が「期待に応えようとする心理学」であるなら、ホーソン効果は「周囲からの注目に応えようとする心理学」です。

両方とも「人は周囲からの期待や注目、関心に応えようとする」という、人間心理を活用しています。

ハロー効果

ハロー効果は対象者を評価する際に、対象者のもつ際立った特徴に、ほかの部分の評価が引きずられてしまう心理学です。

ネガティブな特徴に引きずられて全体の評価が落ちてしまうことも、ポジティブな特徴に引きずられて過剰に評価してしまうこともあります。

プラシーボ効果

プラシーボ効果とは、簡単にいえば「思い込み」が身体や実力に影響を与える心理学です。

プラシーボ効果のエピソードに、営業マネージャーが部下に地図を見せながら「この家から半径100m以内のどこかに、契約したがってる人がいたんだけど、どの家か忘れてしまった」と伝えるというものがあります。実は契約したがっている人なんていないのですが、いると思い込んでいる部下は、本当に契約を取ってきたというエピソードです。

ラベリング効果

ラベリング効果とは、まるでビンにラベルを貼るように「君はこういう人だよね」と相手を決めつけることで、相手の行動や心理がラベル通りに変わってしまうという心理学です。

ラベリング効果もピグマリオン効果と同じく、マネジメントに活用できます。ただし、実際の相手とあまりにかけ離れたラベリングをしてはいけません。

例えば身長160cmの男性に対して「背が高いね」といっても、相手には嫌味にしか聞こえないでしょう。相手が納得できるラベルでなければ、意味がないのです。

ゴーレム効果

ゴーレム効果は、ピグマリオン効果と正反対の心理学です。

ゴーレム効果は、悪い印象をもちながら相手と接すると、相手の良いところを打ち消してしまうという考え方です。「頭の悪い生徒だ」と教師に思われている生徒は本当に頭が悪くなり、「どうせ契約を取れない」と思われている営業担当者は本当に契約が取れなくなってしまいます。

 

心理学をマネジメントに活用しよう

周囲の期待に応えようとするピグマリオン効果は、マネジメントにも活用できることがわかりました。

ピグマリオン効果以外にも、プラシーボ効果やハロー効果など、マネジメントに活用できる心理学はたくさんあります。ただし、心理学をマネジメントに活用するときは、相手に悪い影響を与えないよう気を付けてください。

例えばラベリング効果では、相手が納得できるラベルを貼らなければいけません。ピグマリオン効果と正反対の、ゴーレム効果にも注意が必要です。

また、マネジメントの際は、相手を公正に評価することも大切です。ハロー効果を念頭において、相手の何か際立った特徴に引きずられて、全体の評価が歪んでしまわないようにしましょう。

まずは、部下へ期待を伝え、褒めることから始めてみてはいかがでしょうか。

部下からの相談・報告には、クラウド情報整理ツール「Tayori」のフォーム機能がおすすめです。報告必須事項の指定が可能なので報告漏れを防ぐこともできます。フォームで収集した情報を受信箱で管理し、評価に活用しましょう。

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