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クレームと苦情の違いとは?意味・対応方法・具体例をわかりやすく解説

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この記事でわかること
・クレームと苦情の意味の違い(権利の主張/不満の表明)
・クレームを伝えるお客様の心理と適切な返し方
・クレーム・苦情対応の3ステップと具体的な言い回し
・やってはいけないNG対応と改善例
・悪質クレーム(カスタマーハラスメント)への対処法
・実務の疑問を解消するよくある質問8選

「クレーム」と「苦情」。どちらもお客様からのネガティブな意見や不満を表す言葉として日常的に使われていますが、実はビジネスの実務において明確な違いがあることをご存知でしょうか。

顧客満足度(CS)の向上や適切なリスクマネジメントを行うためには、この2つの言葉の定義と性質の違いを正しく理解し、現場での対応を最適化することが欠かせません。結論として、クレームは「正当な権利の主張」であり、苦情は「主観的な不満の表明」という明確な違いがあります。

本記事では、クレーム 苦情 違いを徹底的に掘り下げ、それぞれの意味や具体例、お客様対応の基本3ステップ、やってはいけないNG対応、そして近年問題視されている悪質クレームへの対処法まで、実務で今すぐ使えるノウハウをわかりやすく解説します。

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【目次】

  1. クレームと苦情の違いとは?
  2. クレームを伝えるお客様の心理
  3. クレーム・苦情対応の3ステップ
  4. やってはいけないNG対応
  5. 過剰な要求(悪質クレーム)への対処法
  6. よくある質問
  7. まとめ

クレームと苦情の違いとは?

【この章の要点】
クレーム(Claim)は損害に基づく権利の主張、苦情(Complaint)は主観的な不満の表明。日本では実務上どちらも混同されがちだが、対応の緊急度・部門を分けるために区別が必要。

お客様から寄せられる意見に対して適切なリソースを配分するためには、まず言葉の定義を正しく整理する必要があります。「クレーム」と「苦情」は、発生している背景やお客様の最終的な目的が根本的に異なります。

① クレームの本来の意味(Claim):権利の主張

「クレーム」は、英語の「claim」を語源とし、本来は「権利の主張」や「正当な要求」を意味します。単なる感情的な不満ではなく、提供された商品やサービスによって明確な損害(実害)を被った際に、その損害に対する賠償や是正を、契約や法律などの正当な根拠に基づいて求める行為です。

消費者が持つ正当な権利を行使する行為であるため、企業側は真摯かつ迅速に法的・論理的な観点から対応を行う必要があります。

具体的な要求の例

・損害賠償請求: 購入した家電製品の欠陥が原因で漏電し、火傷を負ったため、治療費や休業損害の補償を求める。

・契約不履行に対する是正要求: 契約書に記載されていた仕様と異なるシステムが納品されたため、正しい仕様への再構築や契約解除・返金を求める。

・保証に基づく無償修理要求: 保証期間内かつ通常の使用範囲内で製品が故障したため、無償での修理や代替品への交換を要求する。

ビジネスシーンでのお客様の発言例

「購入したばかりの機器が説明書通りに動かず、本日の業務がすべて止まってしまいました。実損が出ているので、至急代替品の手配と、発生した損害への対応について責任者から連絡をください」

② 苦情の本来の意味(Complaint):不平・不満の表明

「苦情」は、英語の「complain」を語源とし、その本来の意味は「不平」「不満」の表明です。クレームとは異なり、必ずしも明確な契約違反や法的な損害を伴うわけではありません。商品やサービスを利用した際に生じた、お客様個人の主観的な不快感や、期待していた水準とのギャップを企業に伝える行為です。

苦情の多くは、金銭的な賠償を求めるよりも、「不快だった状況の改善」や「意見の伝達」を主な目的としています。企業が平時には気づきにくいサービスの問題点や顧客体験(CX)の課題を教えてくれる、貴重な改善のヒントといえます。

具体的な不満の表明の例

・接客態度への不満: 「店舗スタッフの言葉遣いが冷たく、歓迎されていないように感じて不快だった」というサービス品質への不満。

・待ち時間への不満: 「コールセンターに電話をかけたが、15分以上繋がらずに非常に困った」というオペレーション体制への不満。

・商品のイメージとの乖離: 「ECサイトの画像で見た色味と、実際に届いた商品の色味が大きく異なっていてがっかりした」という期待値のギャップによる不満。

ビジネスシーンでのお客様の発言例

「御社の製品は気に入って使っているのですが、サポート窓口の対応がいつも事務的で冷たい印象を受けます。もう少し親身に話を聞いてほしいです」

③ 日本における一般的な使われ方と実務的な使い分け

日本では、「クレーム」という言葉が「苦情(不満の表明)」の意味合いまで内包した総称として広く使われています。日常会話や一般的なニュースなどでは、明確な実害や法的根拠の有無に関わらず、企業に対するネガティブな意見全般を「クレーム」と呼ぶ傾向が強いのが現状です。

しかし、企業の顧客対応(CS:カスタマーサポート)やリスクマネジメントの実務においては、適切なリソース配分と二次トラブル防止のため、以下の「実務での判断基準」を用いて両者を明確に区別します。

実務における見分け方の判断基準

1.「客観的な実害・契約違反」があるか: 法的・契約的な非が企業側にあり、金銭補償や契約修復が必要な場合は「クレーム(権利主張)」と判断し、法務や経営層、上長と連携して対処する。

2.「主観的な不快感・期待とのギャップ」か: 感情やサービス水準への不満であり、補償の必要性がない場合は「苦情(不満表明)」と判断し、現場での傾聴と記録を徹底する。

3.「求めるゴール」は何か: お客様が「金銭や代替品などの実質的対応」を求めているのか、それとも「謝罪やオペレーションの改善」を求めているのかを対話から見極める。

この使い分けを行うことで、重大な法的リスクをはらむ案件を早期に検知すると同時に、現場で解決すべきフィードバックを効率的に仕分けることができます。

④ 「文句」との違い

「クレーム」「苦情」に加えて、現場でよく耳にするのが「文句」です。これらは不満を表現するという点では共通していますが、その目的や背景、対応の要否には明確な違いがあります。

項目 クレーム(Claim) 苦情(Complaint) 文句
目的 権利の主張。損害の是正・補償を求める 不満の表明。改善のための情報提供 感情の吐露。解決の意図が薄い
背景 明確な欠陥や損害(客観的) 不快感や期待とのギャップ(主観的) 感情的な怒りや苛立ち(非論理的)
対応の要否 必須(法務・上長連携による厳格な対応) 推奨(現場での十分な傾聴とデータ記録) 状況による(傾聴のみで収束を図る)
発言例 「初期不良で動かないので、至急返金するか良品と交換してください」 「楽しみにしていたのに、接客対応が遅くて残念でした」 「とにかく気に入らない、もう二度と買わない」

ビジネスシーンでは、「あのお客様は文句ばかり言う」といった非生産的な捉え方をするのではなく、お客様の発言が「クレーム」なのか「苦情」なのかを冷静に分類し、適切なリソースを配分することが重要です。

クレームを伝えるお客様の心理

【この章の要点】
お客様の多くは「謝罪」「共感」「改善」のいずれかを求めている。心理を理解しないまま対応すると、的外れな返答となり二次クレームに発展しやすい。

お客様が時間と労力を割いて企業にネガティブな意見を伝える裏には、明確な心理的動機が存在します。苦情対応やクレーム対応の現場では、相手が以下のどの心理に位置しているかを察知することが極めて重要です。

① 謝罪を求めている心理

お客様は、商品やサービスの不備そのものだけでなく、「不快な思いをさせられた」「時間を無駄にされた」という感情的な被害に対して、企業側からの正当な承認と敬意(謝罪)を求めています。

形だけのマニュアル通りの対応や、冷淡な対応は火に油を注ぎます。傾聴の姿勢でお客様の感情と状況を深く理解し、「不快な思いをさせてしまった事実」を真摯に受け止めてお詫びを伝えることで、お客様の怒りは鎮まり、その後の論理的な解決策の提示を受け入れやすくなります。

② 共感・理解してほしいという承認欲求

トラブルに直面したお客様は、「どれだけ困ったか」「どれだけ不便だったか」というご自身の苦労や感情を企業に理解してほしいという強い承認欲求を持っています。

話を遮らずに「それは大変なご不便でございましたね」と同調し、寄り添う姿勢を見せることで、お客様は「自分の味方になってくれている」と感じ、感情的な壁を下げて冷静な話し合いへと移行できるようになります。

③ 改善を期待しているという建設的な意見

ネガティブな連絡の中には、その企業やブランドに対する愛着や期待の裏返しとして、サービス向上を心から願って届く建設的な意見もあります。「もっと良くなってほしい」という貢献意欲から生まれる声です。

このようなお客様は、企業の潜在的な課題や市場の真のニーズを教えてくれる非常にありがたい存在であり、真摯に対応して社内フィードバックに活かすことで、将来的な顧客ロイヤリティ(ファン化)の強化へ繋げることができます。

顧客の心理タイプと対応のまとめ

お客様の心理(顧客の心理タイプ)を捉え違えないよう、実務では以下の3つのタイプに応じたアプローチを意識してください。

心理タイプ お客様の言動例 担当者の対応例・返し方の一言
謝罪要求型 「普通こんなことあり得ないでしょ? どう責任を取るつもりですか」 「さようでございますか。私どもの配慮が足りず、多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」
共感・承認欲求型 「今日使う予定があって楽しみにしていたのに、これじゃ困るんですよ」 「お楽しみになられていたとのこと、そのご期待を裏切る形となってしまい、本当に心苦しく存じます」
建設的・改善期待型 「ここが使いにくいから、次のアップデートで直した方が良いと思いますよ」 「貴重なご指摘をいただきありがとうございます。今後のサービス向上のため、開発責任者へ必ず共有いたします」

クレーム・苦情対応の3ステップ

【この章の要点】
クレーム対応は「①傾聴と共感→②事実確認(5W1H)→③解決策提示」の順で進めるのが基本。順序を間違えると火に油を注ぐ結果になる。

どのような規模の不満であっても、苦情対応やクレーム対応の基本的な流れは共通しています。鉄則は、プロセスを省略せず、以下の3ステップを正しい順序で実行することです。

【ステップ1: 傾聴と共感】 

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【ステップ2: 事実関係の確認】

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【ステップ3: 解決策・代替案の提示】

ステップ1:傾聴と共感で受け止める

初期対応で最も重要なのは「傾聴」です。お客様が話している最中は、言い訳や反論を一切挟まず、最後まで話を遮らずに聞き取ります。まずは感情をすべて吐き出してもらうことで、怒りのピークを下げることが先決です。

現場で使えるスクリプト例(電話・チャット共通)

お客様: 「昨日届いた商品が割れてたんだけど!今日使いたかったのにどうしてくれるの?」

担当者: 「さようでございましたか。大切なお品物が破損していたとのこと、私どもの手配が至らず、多大なるご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。本日ご使用のご予定があったとのこと、お客様の焦るお気持ちやお困りのご状況を察しますと、本当に心苦しい限りでございます」

このように、まず非を認め(限定的謝罪)、感情に寄り添う姿勢を示すことで、信頼関係の土台を作ります。

ステップ2:事実関係を正確に確認する

お客様の感情が落ち着き、冷静に対話ができる状態になったら、問題解決のために必要な情報を構造的に整理します。ここでは先入観を排除し、5W1Hを用いて客観的な事実確認に徹します。

5W1H 確認項目 実務でそのまま使える質問例
When(いつ) トラブルの発生日時、購入時期 「恐れ入りますが、その症状にお気づきになったのはいつ頃でございましたでしょうか?」
Where(どこで) 発生場所、購入店舗、利用画面 「差し支えなければ、どちらの店舗(またはどの画面)でご購入いただいたか教えていただけますか?」
Who(誰が) 関与した担当者、申告しているお客様 「その際、対応いたしましたスタッフの特徴や、名前などはお分かりになりますでしょうか?」
What(何を) 具体的な商品名、起きた事象 「お手元の製品の状態について、具体的にどのような挙動になっているか詳しくお伺いできますか?」
Why(なぜ) 発生原因(社内調査用) (お客様への質問ではなく、ヒアリングした事実から社内で原因を究明する)
How(どのように) 経緯、お客様の求める要求内容 「お客様としては、今回どのような形(交換・返品など)での対応をご希望でいらっしゃいますか?」

感情的な言葉(「最悪だった」「全然動かない」など)を、客観的な事実(「スタッフの挨拶がなかった」「電源ボタンを押してもランプが点灯しない」など)へと丁寧に分解していくのがポイントです。

お客様からの問い合わせを漏れなく受け付け、チーム全体で事実確認の進捗を管理するには、Webフォームの活用が効果的です。例えば、Tayoriの問い合わせフォーム機能を活用すれば、5W1Hに必要な項目をあらかじめ網羅した専用フォームを簡単に作成でき、初動の事実確認をスムーズに行うことが可能です。

ステップ3:解決策や代替案を提示する

事実確認の結果に基づき、お客様が納得できる具体的な解決策や代替案を提示します。

1. 解決の方向性の確認: お客様の最終的な要求を再確認し、社内規定の範囲内で対応可能なラインを決定します。

2. 実行可能な解決策の提示: 交換、返品、返金、無償修理、あるいは次回利用時の割引など、明確なアクションを示します。

3. 提案理由の説明: なぜその対応になるのか、事実に基づいた客観的な理由を説明し、納得感を持たせます。

対応できないケース(例:返品期限切れ)の断り方と代替提案の実例

「お客様、お調べいたしましたところ、誠に恐れ入りますが当該商品はご購入から1年以上が経過しており、弊社の規定上、返品・返金でのご対応を承ることが叶いません。ご期待に沿えず大変申し訳ございません。しかしながら、今後も長くご愛用いただきたく存じますので、今回に限り、無償での修理対応、もしくは最新モデルへの優待割引価格での買い替えをご提案させていただきたいのですが、いかがでしょうか?」

できないことは毅然と断りつつも、別の選択肢(代替案)を用意して誠実さを示すことで、お客様の納得感を引き出し、信頼を維持することができます。なお、対応後のスムーズな案内や社内共有の参考として、謝罪メールの書き方|5つのポイント・状況別例文12選問い合わせメールの書き方とは?マナーや基本構成、シーン別の例文を紹介も併せて確認しておくと、文章での回答時に役立ちます。

クレーム対応完了チェックリスト

対話を終了する前に、以下のチェックリストを用いて対応漏れがないか確認しましょう。

・[  ] 【傾聴】 お客様の話を途中で遮らず、最後までしっかりと聞き取ったか?

・[  ] 【共感・謝罪】 ご不便をおかけしたことに対する限定的な謝罪と共感の言葉を伝えたか?

・[  ] 【事実確認】 5W1Hに基づき、感情と事実を切り離して正確な情報を把握したか?

・[  ] 【解決策提示】 企業としてできる最善の解決策、または納得感のある代替案を提示したか?

・[  ] 【記録・共有】 二次クレーム防止とサービス改善のため、サポートツール等に対応内容を詳細に記録したか?

やってはいけないNG対応

【この章の要点】
「話を遮る」「感情的になる」「安易な謝罪」の3つは、いずれもクレームを悪化させ二次クレームに直結する典型的な失敗パターン。

どれだけ正当な理由が企業側にあったとしても、対応時の言葉遣いや態度一つでお客様との関係は急激に悪化します。現場のオペレーターや担当者が無意識にやってしまいがちな「クレーム対応 NG」のパターンを、具体的な言い換え(Before/After)と共に解説します。

NG対応 NG発言例(Before) なぜNGか OK例・言い換え(After)
相手の話を遮る・否定する 「でも、それは利用規約に書いてありますので…」「しかしですね…」 お客様が話している最中に「でも」「しかし」と否定から入ると、「突っぱねられた」「話を聞く気がない」と不信感が強まり二次クレームを招きます。 「さようでしたか。ご不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございません。恐れ入りますが、弊社の規定についてご説明させていただいてもよろしいでしょうか」
感情的になる・言い訳をする 「そんな無理なことを言われても困ります」「こちらのミスだけではありません」 お客様の強い口調に引きずられて感情的に反論したり、自己防衛の言い訳をしたりするのは企業の代表として失格です。二次クレームやSNSの晒しリスクを高めます。 「ご指摘の件、会社として非常に重く受け止めております。至急事実関係を確認し、組織として真摯に対応させていただきます」
不適切な謝罪(安易な謝罪) 「すべて弊社の責任ですので、お望み通りにいたします」 事実確認が取れていない段階で、責任の範囲を超えて全面的に非を認めるのは危険です。後から撤回する際にお客様の強い怒りを買い、不当要求を呑まざるを得なくなります。 「この度は、私どもの製品(サービス)に関しまして、お客様にご不快な思いをさせてしまいましたことを心よりお詫び申し上げます」(限定的謝罪

※メールやチャットでのテキスト対応時におけるNG表現の回避や、より洗練された文面作成については、謝罪メールの書き方|5つのポイント・状況別例文12選のテンプレートを参考にすると確実です。

過剰な要求(悪質クレーム)への対処法

【この章の要点】
カスタマーハラスメントには「毅然とした対応」と「組織的な記録・共有」の2軸で臨む。個人任せにしないことが担当者を守る。

近年、正当な「クレーム」や「苦情」の範囲を逸脱し、従業員の人権を脅かすような悪質な要求を行うカスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻な社会問題となっています。これらはお客様満足度向上のための傾聴の対象ではなく、企業の防衛対象です。

① 毅然とした態度で断る

社会通念上、常識の範囲を超える不当な要求に対しては、曖昧な返答で引き延ばさず、応じられない旨を毅然とした態度で明確に伝えることが重要です。一度要求を受け入れると、要求がエスカレートする原因になります。

現場が「これはカスハラ(悪質クレーム)だ」と気づくための判断基準チェックリスト

・[  ] 土下座の要求: 社会通念を超えた過剰な謝罪スタイルの強要

・[  ] 金品の過剰要求: 発生した実損を遥かに超える慰謝料や迷惑料の要求

・[  ] 長時間拘束: 同じ主張を繰り返し、数時間にわたって電話を切らせない、または帰らない

・[  ] 人格否定・暴言: 「バカ」「無能」「辞めちまえ」といった従業員個人への罵詈雑言

・[  ] 脅迫・晒し予告: 「SNSやネットで拡散して会社を潰してやる」といった威嚇

これらに該当する場合は、個人の判断で解決しようとせず、速やかに上長や専門部署にエスカレーションしてください。

② 組織として対応し記録を残す

困難なクレームやカスハラへの対応は、担当者個人の力量に依存させるのではなく、組織全体で取り組む体制の構築が不可欠です。

・対応マニュアルの整備: 「どのような言動があったら対応を打ち切るか」「どの時点で上司に交代するか」の基準を明確にしておく。

・詳細な記録の保持: 対応日時、お客様の具体的な発言(暴言の直録など)、対応担当者を細かくログに残す。

正確な対応記録を残しておくことは、万が一裁判や警察への相談などの法的対応が必要になった際の強力な証拠となります。また、「組織が守ってくれる」という安心感をもたらし、現場担当者の精神的負担を軽減することにも繋がります。

企業の信頼を守り、従業員を保護するためのより具体的なステップについては、以下の関連記事に詳しくまとめられています。

参考:カスタマーハラスメント対応策:企業が取るべき具体的なステップ

よくある質問

クレームとカスハラの違いは何ですか?

クレームは「商品・サービスの不備に対する正当な権利主張や改善要求」であるのに対し、カスハラ(カスタマーハラスメント)は「社会通念上不相当な手段・要求を用いて、従業員の就業環境を害する悪質な行為」です。前者は誠実に対応すべきですが、後者は毅然と拒絶・打切りを行うべき対象です。

クレームと苦情、法律的に対応義務が異なりますか?

異なります。クレーム(権利の主張)は、企業側に契約不履行や製造物責任(PL法)などの違法性・過失がある場合、法的な損害賠償や瑕疵担保責任(追完請求など)の対応義務が生じます。一方、苦情(主観的な不満)には法的な対応義務まではありませんが、顧客満足度(CS)向上の観点から任意の改善対応が推奨されます。

クレーム対応の一次対応で絶対に言ってはいけない言葉はありますか?

「でも」「しかし」といった否定の接続詞と、「そんなことを言われましても困ります」という突き放しの言葉です。これらはお客様に「言い訳をされた」「拒絶された」と感じさせ、二次クレームへ発展させる最大のトリガーになります。

電話・メール・チャットでクレーム対応の仕方は変わりますか?

基本的な3ステップ(傾聴・事実確認・提案)は同じですが、チャットやメールなどのテキスト対応では感情が伝わりにくいため、より丁寧な言葉遣いと、迅速なファーストレスポンスが求められます。特にチャットでは「タイピング中の待たせ方」にも配慮が必要です。

クレーム対応マニュアルには何を盛り込むべきですか?

主に以下の4点です。

1. クレームと苦情、カスハラの定義と見分け方

2. 初期対応の基本スクリプト(言い回し・NGワード集)

3. 5W1Hを網羅したヒアリングシート・記録フォーマット

4. 二次対応へのエスカレーション基準と緊急フロー

SNSでのクレーム(炎上リスク)にはどう対応すればよいですか?

SNS上で顧客と直接論争を行うのは絶対に避けてください。公式アカウントからは「ご不便をおかけし申し訳ございません。詳細を確認し対応したいため、恐れ入りますがDM(ダイレクトメッセージ)または弊社問い合わせ窓口までご連絡いただけますでしょうか」と案内し、クローズドな環境へ誘導して事実確認を行うのが鉄則です。

クレーム対応担当者のメンタルケアはどうすればよいですか?

「お客様の怒りは担当者個人ではなく、企業や仕組みに向けられたものである」という認識をチームで共有することです。また、悪質な案件はすぐに上席へ交代できる体制を整え、対応終了後は「話を吐き出せるデブリーフィング(振り返り・ガス抜き)の時間」を5分でも設けることが有効です。

クレームを減らすための予防策はありますか?

過去に寄せられたクレームや苦情のデータを分析し、「よくある不満」を先回りして解消することです。Webサイト上のFAQ(よくある質問)セクションを充実させ、お客様が自己解決できる環境を整えることが、問い合わせおよびクレームの発生数を根本から減らす最も有効な予防策になります。

FAQの見やすさやレイアウトについて詳しく知りたい方は、Q&AやFAQの見やすいレイアウトのポイントとは?を参考にしてください。

悪質なクレーム(カスハラ)を受けた場合、警察や弁護士に相談すべき目安はありますか? 

従業員に対する「脅迫・不退去・業務妨害(過度な長時間の拘束や連日の執拗な電話)」などの刑事罰に触れる言動が見られた場合、または「不当な金銭・慰謝料の要求」など法的な争いに発展する恐れがある場合は、速やかに警察や弁護士(顧問弁護士)へ相談してください。現場で解決しようとせず、通話録音や対応履歴などの客観的な証拠を保存したうえで、組織として外部機関と連携して毅然と対処することが重要です。

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まとめ

「クレーム」は本来の言葉の意味として“権利の主張”(損害に基づく正当な要求)であり、「苦情」は“不満の表明”(主観的な期待とのギャップ)という違いがあります。企業の実務においては、これらを混同せず、それぞれの性質に合わせて適切に仕分けることが効率的なお客様対応への第一歩です。

対応時には、「①傾聴と共感」「②事実確認(5W1H)」「③解決策提示」の3ステップを厳守し、「話を遮る」「安易な全面謝罪」といったNG対応を避けることで、二次トラブルの大部分を防ぐことができます。また、近年増加しているカスタマーハラスメントに対しては、個人で抱え込まずに本記事のチェックリストやマニュアルを活用し、組織全体で毅然と対処する体制を整えましょう。

お客様から寄せられるクレームや苦情は、企業のサービスやプロダクトをさらに磨き上げるための「貴重な改善のヒント」でもあります。これらを適切に管理・分析し、顧客体験(CX)の向上へと繋げていきましょう。

現代のカスタマーサポートにおいては、多様化するお客様の声に迅速に対応しつつ、現場の負担を軽減する仕組み作りが求められています。【2026年最新調査】CS現場のリアル。自動化へのシフトとAI活用で見えた「人の役割」とはでも触れている通り、属人的な対応からツールを活用した効率化へのシフトが不可欠です。

例えば、お客様が疑問を自己解決できるTayoriのFAQ機能や、一次対応を24時間自動化するAIチャットボット機能を導入することで、苦情の発生そのものを予防し、本当に手厚い対応が必要な重大クレームへリソースを集中させることが可能になります。

まずは、自社のサポート体制の健康診断として、Tayoriのお役立ち資料を参考にしてみてください。

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著者:Tayoriブログ編集部
日頃からカスタマーサポートと向き合うメンバーが、問い合わせ対応の課題解決とビジネス成長を支援するため、カスタマーサポートや業務効率化に役立つ情報を発信しています。

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