FAQは一度作ったら終わりではありません。特に「デザインの改善」は、FAQの成果に直結する重要な取り組みです。
デザインの対象は、レイアウトや配色といったビジュアルだけに留まらず、ユーザー体験、情報設計、インターフェースなど広範にわたります。それらの改善を絶えず続けることで、顧客の自己解決はさらに増え、満足度の向上や問い合わせ対応の負担軽減といった成果のインパクトを最大化できます。
本記事では、FAQの概要、デザインが分かりにくい場合のリスク、デザインのポイント、さらには具体的なデザインを改善するコツについて詳しく解説します。
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FAQとは
FAQは、「Frequently Asked Questions」(よくある質問)の頭文字を取った略称です。製品・サービスに対する疑問や問題をすぐに解決できるよう、あらかじめ想定される質問と回答をWebページにまとめ、顧客に向けて公開します。
FAQで顧客の自己解決が増えれば、顧客満足度の向上や、問い合わせ対応の負担軽減などの効果が期待できます。また、FAQは顧客向けだけに留まりません。コールセンターや社内ヘルプデスクに導入し、業務の疑問や問題に答えることで、従業員の業務効率を高めるといった活用方法もあります。
FAQのデザインが分かりにくい場合のリスク
FAQのデザインが分かりにくい場合のリスクとして、次のようなものが考えられます。
問い合わせ対応の負担増加
FAQのデザインが分かりづらいと、顧客は欲しい情報をすぐに見つけられません。折角FAQサイトに訪問しても問題を解決できず、結果、電話やメール、フォームの問い合わせに至ってしまいます。
株式会社PR TIMESが行ったカスタマーサポートにおける調査では、「75%がFAQへの不満で自己解決できず問い合わせに至る」という結果も出ています(下図)。
出典:生成AIのCS活用は二極化 最新カスタマーサポート調査をTayoriが公開(株式会社PR TIMES)
FAQサイトを設置したのに一向に問い合わせが減らない場合は、FAQの内容とあわせて、デザインの見直しも検討が必要かもしれません。
顧客満足度の低下
FAQの使い勝手、特に検索性が悪ければ、顧客満足度の低下につながります。例えば、FAQがカテゴリー分けされていない、キーワード検索ができない、ランキング表示などのピックアップがないと、顧客は欲しい情報を見つけるのに苦労してしまいます。
顧客満足度の低下を防ぐには、顧客の目線に立ち、デザインが問題ないかしっかりテストを行うことが大事です。
離脱による機会損失
FAQのデザインが分かりづらいと、顧客は欲しい情報を見つけられず、サイトを離脱してしまいます。これは、ビジネス上の機会損失です。なぜなら、カスタマーサポートには顧客ロイヤリティを高める役割があるからです。
顧客の欲しい情報を素早く提供し、自己解決をサポートできれば、顧客ロイヤリティは高まり、ひいてはリピート率の向上や解約率の低下などが期待できます。顧客との関係を継続的に維持するためにも、FAQは重要なコンテンツといえます。
FAQをデザインする際のポイント
FAQをデザインする際のポイントとして、次のような試みがオススメです。
FAQをカテゴリー分けする
FAQの一覧性を高めるデザインとして、カテゴリー分けは効果的です。FAQが雑多に並んでいるだけだと見づらく、欲しい情報を見つけるのに時間がかかってしまいます。料金、修理、返品・解約など、カテゴリーごとにFAQを分類し、区分けして掲載してみましょう。
閲覧数の多いFAQをページ上部に表示する
閲覧数の多いFAQ(または問い合わせ数の多いFAQ)は、ページ上部に表示するだけでも高い効果を発揮します。閲覧数の多いFAQは、それだけ同じ疑問を持った人が多いということを示します。ページ上部に閲覧数のランキングを設置したり、FAQを閲覧数順に並べ替え表示できたりすると、顧客は検索の手間をかけることなく欲しい情報を見つけられます。
レスポンシブデザインにする
レスポンシブデザインとは、PCやタブレット、スマホなどのデバイスにあわせて、Webページの表示が自動で最適化される仕様です。顧客がどのデバイスでアクセスしても見やすくなるよう、FAQサイトもレスポンシブデザインを強くオススメします。
モバイルファーストの時代、近年はインターネットへのアクセスはスマホが最も多いため、特にスマホでの表示には注意が必要です。
検索機能を設置する
顧客が素早く欲しい情報にたどり着けるよう、さまざまな検索機能を設置するのも効果的です。
キーワード検索が最も一般的ですが、他にも以下のような検索機能があります。
自然文検索 | キーワード以外にも日常で使うような自然文(話し言葉)で検索できる。 |
タグ検索 | FAQに関連したキーワードをタグ付けすることで、同じタグ付けがされたFAQだけをピンポイントで検索できる。 |
問い合わせ動線を設置する
FAQだけですべての問題に対処するのは難しいため、解決できなかった場合のルートとして、問い合わせまでスムーズに進める導線を設けましょう。例えば、FAQの下部に問い合わせ先のメールアドレスや電話番号を記載したり、「お問い合わせ窓口はこちら」というボタンを設置し、そこから問い合わせフォームに遷移させるのが一般的です。
チャットボットを設置する
チャットボットは、「Chat(チャット)」と「Robot(ロボット)」を組み合わせた造語です。プログラムが一問一答の対話形式で顧客の疑問に答えます。まるで人と話しているかのようなリアルタイムなコミュニケーションが大きな特徴です。
チャットボットとFAQを併用することで、FAQのアクセシビリティを高めることができます。例えば、チャットボットをTOPページに設置し、顧客に質問をしてもらいます。チャットボットは数多あるFAQのなかから、質問に該当するFAQのリンクを提示し、欲しい情報へスムーズに誘導するということができます。
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FAQのデザインを改善する際のコツ
FAQのデザインを改善する際は、次のようなコツを押さえるのが効果的です。
数値目標を設定する
FAQの目的は、顧客の疑問や問題を解決することです。その目的に向けて改善できているかどうかは、肌感覚ではなく、明確な数値目標(KPI)を設定し進捗を追いかけましょう。
数値目標を立てることで、見るべき指標、改善すべきデザイン箇所が定まりやすくなり、チームメンバーや上長の理解も得られやすくなります。各指標をスムーズに確認できるよう、リストやダッシュボードを作成し関係者に共有するのもオススメです。
数値目標の具体例としては、次のようなものがあります。
- 問い合わせ数を〇%削減させる
- FAQページの閲覧数を〇%向上させる
- FAQページ閲覧後の問い合わせフォームへの遷移率を〇%低下させる
- 検索結果に表示されたFAQのクリック率は〇%以上を維持する
A/Bテストをして改善する
Webサイト同様、FAQのデザインもA/Bテストによる効果検証が大事になります。どれだけ改善案を考えたとしても、実際に試さなければ絵に描いた餅です。A/Bテストを素早く繰り返し、効果の高いデザインを採用していくことで、FAQの効果を最速最短で高められます。
例えば、質問に対して複数の回答が考えられるFAQがあるとします。その場合は、実際に複数の回答を掲載し、そのなかで最も反応が良かった回答(クリック率が高いなど)がどれかを確認するとよいでしょう。
質問と回答を見つけやすくする
FAQを構成する「質問」と「回答」の文章を改善し、より見つけやすくする(読みやすくする)のもオススメです。
質問文(Q)
検索をした際、検索結果に表示されたFAQが求めているものであっても、質問文が分かりづらいとクリックされません。そして、顧客は求めているFAQへ一向にたどり着くことができません。
質問文が正しく認識されるよう、シンプルに短くしたり、関連キーワードを盛り込んだりしてみましょう。
回答文(A)
顧客が折角求めているFAQにたどり着いても、回答文が分かりづらく、内容を理解するのに時間がかかってしまっては大変勿体ないです。最悪の場合、問題を解決できずにサイトから離脱してしまいます。
「誰にでもすぐ伝わる回答」を意識して、次のようなポイントを意識してみてください。
- 文章は簡潔にする
- 専門用語や難解な単語はなるべく使わない(使う場合は注釈をつける)
- 複雑な仕組みなどを説明する際は図表・写真を用いる
まとめ
FAQのデザインを改善していくことで、顧客の自己解決はさらに増え、顧客満足度の向上や問い合わせ対応の負担軽減など、得られる効果をより大きくしていけます。
FAQのデザインをより良くしたい方にオススメしたいのが、「Tayori(タヨリ)」です。Tayoriは、「フォーム・受信箱」「FAQ」「アンケート」「チャット」の4つの機能を提供するカスタマーサポートツールです。
FAQ機能では、テキスト入力とドラッグ&ドロップだけでFAQを作成でき、デザインやレイアウトも誰でも簡単に編集できます。また、「AIチャットボット β版」を活用すれば、作成したFAQからチャットボットを自動で作成でき、顧客はより素早く欲しい情報にたどり着くことができます。
Tayoriには無料プランが用意されています。まずは無料でFAQを作成したいという方は、ぜひTayoriを試してみてはいかがでしょうか。