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SaaSビジネスにおけるオンボーディング5ステップ|重要性と施策例も解説

オンボーディングに沿って進む男性
SaaSビジネスにおいては、オンボーディングが重要です。本記事では、「オンボーディングって何?」「なぜ重要なの?」「施策は何をしたらいいの?」という方に向けてオンボーディングの重要性や、施策を進めるときの3つのポイントについて確認していきます。

オンボーディングの意味とは?

そもそもオンボーディングとは「on-board(オンボード)」=船や飛行機に乗車するという言葉から由来するものです。

ビジネスにおけるオンボーディングでは、人材領域とSaaSビジネスで使用されることが多く、それぞれ目的が異なります。
まずはそれぞれの目的の違いを理解し、SaaSビジネスにおいて正しいオンボーディングができる知識を身に付けましょう。

人材領域におけるオンボーディング

人材領域におけるオンボーディングでは、新規雇用した人材が即戦力として働けるように育成・サポートするのが目的とされます。
例えば新人研修や新入社員研修などのプログラムもこれに当たります。

SaaSビジネスにおけるオンボーディング

SaaSビジネスでのオンボーディングでは、顧客に継続利用してもらうためのカスタマーサクセスの一部としての取り組みを指します。

SaaSビジネスでは顧客が月額費用を払うなどしてサービスを利用してもらうビジネスモデルのため、いかに継続利用してもらうかが重要となります。

そのためSaaSビジネスにおけるオンボーディングでは、顧客にストレスなくサービスを利用してもらうために、サービスの操作方法などを案内する導入支援を行います。
サービスを利用しはじめたユーザーに、使い方や操作方法について教えることで、ユーザーが迷うことなく使い始められるようにサポートするプログラムです。

SaaSビジネスにおけるオンボーディングの重要性

SaaSビジネスにおいては継続利用がビジネス継続の要となるため、サービス利用開始時のオンボーディングは重要な目的を担っていると言えるでしょう。

まず第一に継続利用してもらうためにはサービスをストレスなくスムーズに利用してもらう必要があります。
そのためには事前の丁寧な説明やサポートシステム導入などのオンボーディング施策が重要です。
これにより途中解約や契約更新の取り止めを防ぎ継続利用に繋がります。

また十分なオンボーディングによりサービスそのものの価値以上に顧客が満足してくれる可能性もあるため、顧客満足度にも繋がります。
それに伴い、サービスそのものの機能はもちろん、手厚いサポートを含めた魅力が顧客に浸透すれば。競合他社との差別化も図れるようになります。

上記のような理由からSaaSビジネスにおけるオンボーディングは重要視される施策の一つとなっているのです。

SaaSビジネスにおけるオンボーディングのメリット

SaaSビジネスにおけるオンボーディングの意味や重要性が理解できたところで、更にメリットを深掘りしていきましょう。メリットをしっかりと理解することで、オンボーディングの目的が明確になり、施策の効果の最大化にも繋がります。

SaaSやサブスクリプションモデルのビジネスでオンボーディングを活用するには、大きく分けて3つのメリットがあります。

サービスの利用方法を共有し、継続利用してもらえる

オンボーディングを行う1番のメリットは、ユーザーが操作に迷わないことです。

「無料プランで利用したけれど、使い方がわからないから利用をやめてしまった」「契約したものの、使い勝手が悪い」となると、当然継続利用には繋がりません。まずは、サービスの基本操作ができるように、ユーザーに使い方を教える、サポートすることが重要です。

ユーザーにサービスの価値を理解してもらうまでの時間を短縮できる

オンボーディング施策を行うことで、ユーザーがサービスの価値に気づきやすくなることもメリットのひとつです。

説明がない場合だと気づかなかった機能やオプションを知ることで、「こんな使い方もできるんだ!」「この機能が欲しいと思っていたの!」と新たな発見に繋がったり、かゆいところに手が届くようになります。機能を100%使いこなせることで、サービスの価値が理解できるもの。価値を見出すまでの時間(Time to Value)が短縮されることで、顧客満足度も上がります。

関連記事:カスタマーサクセスを促す「Time to Value(TtV)」の考え方とは?

有料プランの導入率が高くなる

ユーザーがサービスの価値を理解していない場合、当然お金を払って利用し続けようとは思いません。価値を感じているからこそ有料プランや、より上位プランへのアップセル、継続利用が期待できます。

特に無料プランがある場合、サービスの価値を伝えきり、有料プランだからこそ利用できる機能の価値がわかることで、有料プランへのアップグレードが可能になります。

知っておきたい3つのオンボーディング施策

SaaSにおけるオンボーディングの意味・重要性・メリットを解説してきました。

ここからは実際にオンボーディング施策を進めるにあたってのポイントやステップに入っていきます。
まずはオンボーディング施策において重要なタッチモデルについて理解しておきましょう。

オンボーディングは全ての顧客に同じ施策を行うのではなく、顧客層に合わせた施策をする必要があります。
そのため顧客層を「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の3つに分類し、それぞれの層に向けた方法で対応していきます。

ハイタッチ層へのオンボーディング

ハイタッチ層は最も関係性の深い顧客のことで、サービスの継続利用や更なるサービスの購入など、企業にとって大きな利益をもたらす見込みがあります。

そのため更に関係性を深めるために、密度の濃い個別サポートなどのオンボーディング施策が有効です。
サービスを更に使いこなしてもらえるよう、そして別のサービスも利用してもらえるような取り組みをします。

ロータッチ層へのオンボーディング

ロータッチ層はハイタッチ層とテックタッチ層の中間に位置する顧客層で、安定してサービスを利用してくれる顧客です。

ロータッチ層への取り組みとしては、集団セミナーの開催やマニュアルやお得情報の配布などがあります。
ハイタッチ層へ行うような密度の濃い個別サポートと違い、一度にたくさんのユーザーへ働きかける施策を中心に行います。

とはいえ、数の多いロータッチ層がサービス継続に至らない場合は、企業にとって大きな損失となるため、定期的にアプローチする必要があるでしょう。

テックタッチ層へのオンボーディング

テックタッチ層は最も見込み収益が低いライトな顧客層で、数としても最も多い顧客層です。

サービスに登録はしているものの、使い方がわからないという場合も多いので、Web上で簡潔に行える施策がおすすめです。
例えばFAQの設置や問い合わせフォームの改善など、低コストで行えるサポートを行いましょう。

テックタッチ層がサービスを利用するようになれば、ロータッチ層はもちろん、ハイタッチ層への引き上げも可能です。
それぞれの層に合わせた目的を明確にしたオンボーディングで、施策の効果を最大化させましょう。

SaaSにおけるオンボーディング施策の進め方5つのステップ

オンボーディング施策を行うことは、ユーザーに価値を理解してもらい、有料プランの契約やアップセル、継続に繋がる効果があることがわかりました。では、どのような施策をしていけばいいのか、5つのステップで施策を検討していきましょう。

STEP1.自社のサービスについて深く理解する

オンボーディング施策を始めるときには、自社のサービスの価値はどこにあるのか、最大限に活用するためにはどのように使用するのかを、ユーザーに説明できるよう、自分自身がサービスについて深く理解することが必要です。

「本来の使い方はこうだけれど、このような使い方もできる」「単体の機能としてはこれだけれど、複数組み合わせたらこんなこともできる!」など、使いこなしているからこそわかる魅力を洗い出しましょう。

まずはサービスを提供している自分たちが、誰よりも多くサービスを使用してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

STEP2.新規登録ユーザー目線で、プロダクトを使用してみる

次におすすめの施策としては、自分自身が新規登録のユーザーとなって、登録から使用開始までの流れを体験してみるということです。

ユーザーの擬似体験のプロセスは、プロダクトの機能やUI/UXは常にアップデートされることが多いSaaSビジネスにおいて定期的に実施することが重要です。

もちろん自社の機能を知り尽くしているが故に、あまり課題に気づかないこともあるかと思います。その場合は社内でそのツールについてあまり詳しくない人に、ユーザー体験を依頼して意見を述べてもらいましょう。

STEP3.ユーザーフローを洗い出し、カスタマージャーニーを作る

STEP2を経て具体的なユーザーの擬似体験をすると同時に、どのようなユーザーのフローがあるのかを洗い出しましょう。

例えば、以下のようなステップが出てくると思います。

・HPトップページを閲覧
・機能ページを閲覧
・登録画面で登録情報の入力
・メールでの承認
・初回ログイン
・管理画面での操作の実施

最初から詳しいカスタマージャーニーなどを作る必要はなく、ステップを洗い出すだけでも問題ないです。まずは一通りのユーザーフローを洗い出し、それぞれのステップでどのような課題がありそうかを書き出してみます。

このステップの洗い出しによって、新規登録時や初回ログイン時の管理画面課題など、新たな課題が発見できる可能性があります。

関連記事:カスタマージャーニーとは?目的と重要性からマップの作り方まで徹底解説

STEP4.カスタマーサクセスの定義・KPIを決める

自社のサービスについて理解が深まり、基本的な操作の流れや、ユーザーがどのステップで課題を感じているかを洗い出したら、具体的なオンボーディング施策に落とし込みましょう。

施策を実行する際には、検証すべきKPIとセットで実施することが必要です。

「どのような状態になれば顧客がサービスを使いこなせていると判断できるか」「顧客にとって価値を提供できたと判断できるか」カスタマーサクセスの定義をKPIとして定めておくこともおすすめです。

KPIとして設定するものは、定量的にカウントできるものにすることがポイント。「利用時間」「使用頻度」など計測しやすく、かつサービスを活用できているのか判断できるKPIを立てましょう。

オンボーディング施策が効果的かどうかは、実施前と実施後のKPIの比較で検証することができます。

関連記事:カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違い・KPI・事例・おすすめの本を徹底解説

STEP5.顧客とコミュニケーションを取りながらデータ分析しPDCAをまわす

最後はPDCAを継続的に回していくフェーズです。STEP4で立てたKPIが達成できているのか、顧客の動きをデータで確認したり、顧客とお問い合わせなどでコミュニケーションを取りながら「どの段階でつまずいているのか」「何がネックになっていてKPIが達成できていないのか」を確認していきましょう。

仮設を立てた後は、新たなオンボーディング施策を試し、検証していくことで、ユーザーにとっても企業にとってもベストなオンボーディングができあがります。

顧客とのお問い合わせのやり取りの管理は、株式会社PR TIMESが提供しているクラウド情報整理ツール「Tayori」で試してみるのもおすすめです。

オンボーディング施策の例

具体的にオンボーディング施策として何をしたらいいのか検討がつかない場合は、「チュートリアル」と「設定アシスト」を導入することがおすすめです。

オンボーディング施策としてまず取り入れたいのは、チュートリアルです。ユーザーに実際に操作してもらいながら基本操作を確認することで、使い方や基本的な機能を説明できます。

「ユーザーに操作してもらいながらポップアップを出すのは技術的に難しい……」という場合は、動画やスライドショー、画像などを使って操作方法を説明するのも一案です。

例えば、次のようなFAQページで、GIF画像や画像を埋め込んで操作イメージを抱いてもらうという方法もあります。

また、サービスを使う際に設定が必要な場合は「設定アシスト」を利用しましょう。アシストに沿って入力が完了してから利用できるようにする、プログレスバーやチェックリストなどを活用して、設定が終わっていないことを可視化するなどの施策もおすすめです。

オンボーディングの基本はカスタマーサポート

オンボーディング施策を行うことは、ユーザーにとっても企業にとってもメリットが多いもの。ユーザーが操作方法に迷うことなくサービスを利用できるようにサポートすることは、カスタマーサポートの考え方にも繋がります。

これまでカスタマーサポートに寄せられた基本的な操作や使い方に関する内容は、チュートリアルにも含めるといいでしょう。ユーザービリティが上がるだけでなく、カスタマーサポートの対応コストも減らせます。

「ユーザーがどこでつまずいているのかわからない」「カスタマーサポートへの問い合わせ内容がまとまっていないので、把握できない」という場合は、まずは顧客の声を集めて分析することがおすすめです。

クラウド情報整理ツール「Tayori」のFAQ機能を使えば、顧客から質問の多かった操作方法などをまとめた本格的な「よくある質問ページ」が簡単に作成可能です。

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