カスタマーサクセスを促す「Time to Value(TtV)」の考え方とは?
カスタマーサクセスに取り組む際に、知っておきたい「Time to Value(TtV)」。顧客が商品・サービスの価値に気づき、期待を超えるまでの「時間」に注目した考え方です。カスタマーサクセス先進国のアメリカでは既に注目されている内容について、確認してみましょう。
Time to Value(TtV)とは「価値実現までの時間」
カスタマーサクセスを行っている方でも、「Time to Value(TtV):タイムトゥバリュー」についてはあまり耳にしたことがない方も多いのではないでしょうか。まずは、Time to Value(TtV)の意味を確認してみましょう。
顧客が価値に気づくまでの時間
Time to Value(TtV)とは、顧客が商品やサービスを利用して「利用した価値があった」と気づくまでの時間のことです。食品の場合は食べてすぐに「おいしい」とわかるので、Time to Value(TtV)は数秒です。一方、サービスや長年使い続けていく商品などは価値があると感じるのに時間がかかる場合もあります。
特にSaaSモデルではサービスを利用した後、次の支払いまでにサービスの価値を理解してもらう必要があります。
そのため、できるだけ早く商品の価値を理解してもらうことが重要になるのです。
期待を超えるまでの時間
Time to Value(TtV)では、商品やサービスを利用し、期待値を超えるまでの時間も考えます。期待値を超えた場合、SaaSにおいては継続的に利用する割合が高まったり、無料バージョンから有料バージョンへとアップセルする可能性もでてきます。
LTV(ライフタイムバリュー)を最大化させるためには、期待値を超えるまでの時間も意識することで、よりビジネスへの効果が期待できるでしょう。
Time to Value(TtV)を計測する・KPIとするメリット
顧客が価値を見出すタイミングを知るためには、Time to Value(TtV)を計測する必要があります。価値を見出すまでに時間がかかるもの、短いものもあるでしょう。競合他社と比較することで、自社のTime to Value(TtV)が適切なのか判断できます。
そして、Time to Value(TtV)を1つのKPIとし、短縮するための施策を行うことが重要です。当然顧客は、お金を投資してサービスを受けているわけですから、早くに収益・利益を得たいものです。Time to Value(TtV)をできるだけ早くに感じられるように対策をしていくことで、継続的にサービスを利用してもらえるようになるでしょう。
Time to Value(TtV)を短縮する方法
ではTime to Value(TtV)を短縮するには、どのような方法があるのでしょうか。本記事では3つの方法を紹介します。
1.チュートリアルの作成
1つ目は、チュートリアルやオンボーディングガイドを作成することです。サービスを初めて利用する場合、すべての機能を適切に把握することは難しいもの。そこで、チュートリアルを見てもらうことによって、基本的なバリューを強調したり、作業を行うことで実際に達成感を味わってもらうことがポイントです。
チュートリアルは、ウェブサイトのわかりやすい部分に掲載したり、よくある質問部分に載せておくことで、ユーザーが見つけやすくなるでしょう。また、商品を発送する際には、チュートリアルへアクセスできるURLやQRコードなどを記載しておくと親切です。
2.カスタマーサービスのサポート
2つ目は、カスタマーサポートの対応を向上させることです。カスタマーサポートに連絡してきているということは、正常に利用できていない証拠。できるだけ迅速に、かつ丁寧に対応することで、Time to Value(TtV)の短縮に繋がります。
顧客はお問い合わせフォームを利用した場合、70%の人が回答に24時間以上時間がかかると我慢の限界がくると回答しています。また、問い合わせから1時間以内の回答が、「早い」と感じてもらえるポイント。
詳細: 【お問い合わせフォーム対応時間に関するアンケート調査】 Tayori調べ
すべての内容について1時間以内に返答することは難しいですが、できるだけ24時間以内に回答できるような体制を整えることが重要です。
3.商品やサービスのUXの向上
3つ目は、商品・サービスのUXを向上させることです。直感的に利用できるようにすることで、Time to Value(TtV)は短縮されます。
商品・サービスを初めて利用する人が、どの段階でつまづいているのか、どの段階がわかりにくいのかを調査し、改善していくことでUXを向上させていきましょう。
わかりやすいチュートリアルを共有しよう
Time to Value(TtV)を短縮するために、最も短期間で効果を出せるのがチュートリアルの作成です。チュートリアルは、既存顧客のTime to Value(TtV)の短縮だけでなく、新規ユーザーが実際に利用したときのイメージをつけられるメリットもあります。
チュートリアルは、「よくある質問」ページに入れるのもおすすめです。操作や使い方が難しいものは、テキストだけでなく、動画で説明を入れるといいでしょう。
>>動画を使ったよくある質問ページはこちら
株式会社PR TIMESが運営するクラウド情報整理ツール「Tayori」では、簡単によくある質問を作成できます。チュートリアルを作成した際は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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