続・最初に設定しないと絶対損するGoogleAnalytics8つの必須設定&応用 2015
Web担当者に向けたGoogleAnalyticsの機能解説。前回ご紹介した基本の5つの設定に加えた8つの機能を今回はご紹介します。実践的な内容も含みますが、前半分と加えて使えば鬼に金棒です。
損しないよう、この機会に一度、設定を見返してみましょう。
1. 広告やキャンペーンの計測
初期設定では取得できないデータを計測する場合、計測方法は大きく2つあります。
- AdWordsからの流入
- その他広告キャンペーンやメルマガからの流入
それぞれの設定について説明します。
AdWordsからの流入
GoogleAdWordsのアカウントをAnalyticsと連携すると広告グループや広告キャンペーン、キーワードなどの情報が自動的に計測出来ます。こちらを連携させてみたいと思います。その際、AnalyticsへのログインはAdWordsにログイン出来るアカウントを使用する必要がありますのでご注意ください。
Analytics設定のプロパティにある「AdWordsのリンク設定」をクリックして画面を表示します。続いて、リンク済みのAdWordsアカウントの選択でデフォルトアカウントにチェックが入っていることを確認します。そして「続行」をクリック。
次にリンクの設定に移ります。はじめに「リンク グループのタイトル」を入力します。ここでは「Tayori」としました。そしてリンクされたビューのプルダウンメニューをクリックし、すべてを選択します。最後に詳細設定をクリックします。
詳細設定が開いたら「リンク グループに追加されたすべてのAdWordsアカウントの自動タグ設定を有効にする(推奨)」にチェックが入っているか確認します。そして、「アカウントをリンク」をクリックします。ちなみに後から編集すると「保存」にボタンが変わります。
すべての設定が終了したら「完了」をクリックします。
その他広告キャンペーンやメルマガからの流入
AdWords以外の広告やメルマガは自動でトラッキングされないため、URLにカスタムキャンペーンを設定する必要があります。この設定を適切に行うには「集客」レポートで「メディア」と「参照元」がどのように表示されるのかを把握しておく必要があります。
カスタムキャンペーンURLの例
http://www.tayori.com/register?utm_source=Google&utm_medium=banner&utm_campaign=Tayorihttp://www.tayori.com/register?utm_source=email&utm_medium=newsletter&utm_campaign=summer
カスタム キャンペーンのパラメータ
URL生成ツール
また、カスタムキャンペーン用のURLはGoogleがURL生成用のWebサイトを用意しているため、そちらを使うと簡単に作成することが出来ます。
2. サイト内の検索キーワードを計測
サイト内に検索ボックスを設置している場合、利用状況をトラッキングすることで、ユーザニーズという貴重な情報を得ることが可能です。最近はGoogle経由での自然検索キーワードが取得できないため、この情報は非常に重要です。
設定方法を以下のとおりです。
「Analytics設定」にある「ビュー」項目の「ビュー設定」を操作します。
ビュー設定下部に「サイト内検索の設定」があり「サイト内検索のトラッキング」を「オン」にします。
「クエリパラメータ」項目には、検索キーワードを含むクエリパラメータを指定します。この検索条件のクエリパラメータですが、調査する必要があります。ホームページを作成している会社に聞くのが一番早いですが、自分でも簡単に調べられます。Webサイトに設置してある検索窓に適当な言葉(今回はCS)を入力します。そうすると、「www.tayori.com/?s=CS」などとURLが表示されます。(URLは各社のものに準じます)この場合、?と=の間の「s」となります。この「s」をクエリパラメータに入力します。
また、検索キーワード毎に計測しない場合は「URLからクエリパラメータを削除」にチェックを入れると、ページ名にクエリパラメータが含まれません。
3. サイト内リンクのクリック数、PDFなどのDL計測
通常はページビュー単位でしか計測できませんが、「イベントトラッキング」機能を利用することでダウンロードファイルリンクやバナーのクリック数を取得することが可能です。
PDFダウンロードイベントの設定例
<a href=”sample.pdf” onClick=”ga(‘send”, ‘event’, ‘download’, ‘sample.zip’);”>
イベントトラッキングの代わりにバーチャルページビューで計測することも可能です。
イベントトラッキングの詳細設定
イベントトラッキングでは以下の4項目を計測できます。
- Category
- Action
- Label
- Value
上記のうち「Category」と「Action」は必須項目です。また、それぞれの項目には任意の値を入力することが可能です。自由記述ですからよく考えて設定しましょう。
イベントトラッキングコード
ga(‘send’, ‘event’, ‘Category’, ‘Action’, ‘Label’, ‘Value’);
LPでイベントが発生した場合、直帰率とカウントされませんが、させたい場合は以下のようにトラッキングコードを修正します。
イベントトラッキングコード(直帰率反映)
ga(‘send’, ‘event’, ‘Category’, ‘Action’, ‘Label’, ‘Value’, {‘nonInteraction’: 1’});
また、ナビゲーションの利用状況を把握する場合は以下のように書きます。
イベントトラッキングコード(ナビゲーション利用状況)
ga(‘send’, ‘event’, ‘ナビゲーション’, ‘PR’, this.href);
外部リンクのクリック数を計測する場合は以下のようになります。
イベントトラッキングコード(外部リンクのクリック数)
ga(‘send’, ‘event’, ‘Exit Links’, this.href, location.pathname, , {‘nonInteraction’: 1});
一つ一つ入力するのは面倒な場合はjQueryを利用する方法もあります。
jQueryを利用した方法
<script type="text/javascript">// <![CDATA[ jQuery(function() { jQuery("a").click(function( ) { if (location.hostname !== this.hostname) { ga(‘send’, ‘event’, ‘Category’, ‘Exit Links’, ‘this.herf’, location.pathname, , {‘nonInteraction’: 1’}); }); }); // ]]></script>
4. ユーザー属性の取得
ユーザ属性を取得したい場合は「カスタムディメンション」設定を利用します。これを利用すれば標準的なトラッキングでは計測できない情報を自由に取得可能です。
- 利用例
- 会員・非会員の区別
- 初回訪問日
- 初回流入時の経路や検索キーワード
- アクセス元の企業名
- フォームに入力した人物の属性情報
カスタムディメンションを利用するにはAnalytics設定でディメンションを有効にし、トラッキングコードを対象ページに設置する必要があります。最大20個まで設定でき、有効期限の範囲を設定可能です。次に設定方法について説明します。
Analytics設定にある「プロパティ」→「カスタム定義」→「カスタムディメンション」をクリックして新規作成します。
カスタムディメンションを追加画面で「名前」に任意の名称を設定します。次に範囲をクリックし「ヒット、セッション、ユーザー、商品」を設定します。設定後、アクティブにチェックが入っていることを確認したら、最後に「保存」をクリックします。
範囲の定義については以下の表にまとめています。
作成したカスタムディメンションを反映させるためには専用のトラッキングコードが必要なので、表示されたサンプルコードを使って反映させましょう。今回はWebサイトなのでJavaScript版を利用します。
具体的には以下のようにトラッキングコードに反映させます。
トラッキングコード例
<script>// <![CDATA[ (function(i,s,o,g,r,a,m){i['GoogleAnalyticsObject']=r;i[r]=i[r]||function(){ (i[r].q=i[r].q||[]).push(arguments)},i[r].l=1*new Date();a=s.createElement(o), m=s.getElementsByTagName(o)[0];a.async=1;a.src=g;m.parentNode.insertBefore(a,m) })(window,document,'script','//www.google-analytics.com/analytics.js','ga'); ga('create', 'UA-xxxxxxxx-1', 'auto'); ga(‘set’, ‘dimension1’, ‘dimensionValue’); ←ディメンションインデックスを1〜20の間で設定。 ga('send', 'pageview'); インデックス番号は設定画面で確認可能。 // ]]></script>
5. ページのリンク箇所を正確に計測
「ページ解析」レポートを用いると、ページ内のどのリンクがクリックされたのかを視覚的に把握できます。しかし、標準的な実装では、リンク先URLが同一のリンクである場合はその合算で表示されてしまうため、画面の上部と下部でクリック率の違いが把握できません。
ここでは拡張リンクアトリビューションを有効にするやり方を説明します。
1)拡張リンクアトリビューションタグの設定
トラッキングコードの”ga(‘require’, ‘linkid’, ‘linkid.js’);”の様に、拡張リンクアトリビューションタグを設定します。
<script>// <![CDATA[ (function(i,s,o,g,r,a,m){i['GoogleAnalyticsObject']=r;i[r]=i[r]||function(){ (i[r].q=i[r].q||[]).push(arguments)},i[r].l=1*new Date();a=s.createElement(o), m=s.getElementsByTagName(o)[0];a.async=1;a.src=g;m.parentNode.insertBefore(a,m) })(window,document,'script','//www.google-analytics.com/analytics.js','ga'); ga('create', 'UA-xxxxxxxx-1', 'auto'); ga(‘require’, ‘linkid’, ‘linkid.js’); ga('send', 'pageview'); // ]]></script>
2)拡張リンクアトリビューションを使用する
Analytics設定のプロパティ→プロパティ設定下部にある「ページ解析」で、「拡張リンクアトリビューションを使用する」を「オン」にします。
6. ソーシャルボタンのクリック数の計測
Facebookの「いいね」ボタン、Google+の「+1」ボタンなどのソーシャルプラグインがサイト上に設置されている場合は計測可能です。Google+は特別な設定は必要ありませんが、その他のFacebookやTwitter、Pathなどは設定する必要があります。
トラッキングコードに追加する記述
ga(‘send’, ‘social’, ‘socialNetwork’, ‘socialAction’, ‘socialTarget’);
Facebookいいねボタンの計測サンプル
<script src="”//connect.facebook.net/en_US/all.js#xfbml=1”"></script> <fb:like></fb:like> <script>// <![CDATA[ FB.Event.subscribe(‘edge.create’, function(targetUrl) { ga(‘send’, ‘social’, ‘facebook’, ‘like’, targetUrl); }); // ]]></script>
7. サイト読み込み速度の計測
「ページ速度」レポートでは、ユーザにページが表示されるまでの時間を確認できます。初期状態ではユーザの1%が自動的にトラッキングされるようになっていますが、PVの少ないサイトでは十分なサンプル数がトラッキングされないため、変更する必要があります。
サンプルとして2%にする場合の記述はこのようになります。
2%にする場合のコード
<script>// <![CDATA[ (function(i,s,o,g,r,a,m){i['GoogleAnalyticsObject']=r;i[r]=i[r]||function(){ (i[r].q=i[r].q||[]).push(arguments)},i[r].l=1*new Date();a=s.createElement(o), m=s.getElementsByTagName(o)[0];a.async=1;a.src=g;m.parentNode.insertBefore(a,m) })(window,document,'script','//www.google-analytics.com/analytics.js','ga'); ga('create', 'UA-xxxxxxxx-1', 'auto', {‘siteSpeedSampleRate’: 50}); <- 1−100の間で指定。 ga('send', 'pageview'); 初期値は1 // ]]></script>
8. 広告向け機能を有効にする
広告向け機能を有効にすることで、Googleのディスプレイ広告のデータをGoogleAnalyticsに取り込み、Analyticsのデータを用いてリマーケティング広告を行うことが可能となります。
具体的には以下のデータが確認できます。
- ユーザ分布とインタレストカテゴリ
- マルチチャネルレポート
- Googleディスプレイネットワークインプレッションデータ
- リマーケティングユーザーリスト
- DoubleClickプラットフォームの統合
設定は非常に簡単です。プロパティ設定の広告向け機能カテゴリのユーザーの分布とインタレスト カテゴリに関するレポートの有効化をオンにし、以下のトラッキングコードの”ga(‘require’, ‘displayfeatures’);”部分を追加しWebサイトに埋め込むだけです。
広告向け機能を有効にした場合のトラッキングコード
<script>// <![CDATA[ (function(i,s,o,g,r,a,m){i['GoogleAnalyticsObject']=r;i[r]=i[r]||function(){ (i[r].q=i[r].q||[]).push(arguments)},i[r].l=1*new Date();a=s.createElement(o), m=s.getElementsByTagName(o)[0];a.async=1;a.src=g;m.parentNode.insertBefore(a,m) })(window,document,'script','//www.google-analytics.com/analytics.js','ga'); ga('create', 'UA-XXXXXX-XX', 'example.com'); ga('require', 'displayfeatures'); ga('send', 'pageview'); // ]]></script>
場合によってはWebサイトのプライバシーポリシーを変更する必要性がありますので、詳細については管理画面の詳細と書いてあるリンク先のヘルプにてご確認ください。
まとめ
かなりボリュームのある設定なので覚えるべきことも沢山あってお疲れのことでしょう。しかし、一つ一つ自分のペースで理解し、設定していくことで今後のPDCAに必ず活きてくることと思います。秋からのKPI向上は今日の努力にかかっています。
GoogleAnalyticsは様々な指標を自由に確認できることが売りですが、Tayoriもお問い合わせの指標をシンプルかつ直感的に把握することが可能です。Googleアナリティクスを設定するついでにTayoriで無料アカウントを作り、Analyticsトラッキングコードの要領で一緒に設置してみませんか?