カスタマーサポートの在宅勤務とは?メリット・デメリットから成功させるポイントまで解説
新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務でカスタマーサポートを行う企業も増えています。
本記事では、カスタマーサポートを在宅勤務するメリットや、難しいポイント、準備しておくとよいアイテムから、在宅勤務を成功させるポイントまで紹介。
これからカスタマーサポートを在宅で行う体制を作りたい方はぜひ参考にしてみてください。
新型コロナウイルスの影響でカスタマーサポートの在宅勤務が進んでいる
新型コロナウイルスの影響や緊急事態宣言などにより、在宅勤務が推奨され、カスタマーサポートも在宅勤務が進んでいます。
出勤している際には、仕事の状況が把握しやすく、顔をあわせてコミュニケーションできることで各メンバーのコンディションもわかりやすい状態でしたが、リモートでの勤務となるとこれらを把握することが難しくなることに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
カスタマーサポートの在宅勤務を行うべきかどうか悩んでいる人に向けて、まずは在宅勤務をするメリットと注意事項を確認していきましょう。
カスタマーサポートの在宅勤務でのメリット
カスタマーサポートを在宅勤務で行うメリットは、「多様な働き方を実現できること」と「通勤時間の短縮」です。それぞれの詳細を紹介します。
メリット1.多様な働き方を実現できる
2019年に厚生労働省が「働き方革命」とし、個々の事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現していくことが発表されました。
在宅勤務を取り入れることで、勤務場所に制約されずに働くことが実現できるようになります。
これまで、「仕事は続けたいけれど、家族の転勤で引っ越しをしないといけないことになった」「介護の都合上、家を空けることが難しい」などの場合は、やむを得ず退職をするケースもありましたが、在宅勤務により仕事を続けることも可能になっています。
労働者にとって個人の事情に合わせて働けるだけでなく、企業にとっても貴重な労働力を失わないというメリットもあります。
メリット2.通勤時間の短縮
出勤する場合は、当然ですが通勤時間が必要となります。
総務省統計局によると、通勤時間は平均1.19時間。毎日これだけの時間が短縮できるとなると、ワークライフバランスを整えやすいという人も多いのではないでしょうか。
参考:総務省統計局「平成28年社会生活基本調査 47都道府県ランキング」
出典:株式会社LASSIC
実際に、株式会社LASSICによる「テレワークのメリットとデメリット 2021年度版」の調査によると、テレワークのメリットは「通勤でのストレスがなくなった」ことが1位となっています。
参考:テレワークのメリット・デメリット意識調査(最新版)】前回2020年度の意識調査から変化は?メリット1位は『○○のストレスがなくなった
通勤によるストレスの緩和や時間短縮により、生産性の向上や、ワークライフバランスが整うなどのメリットを感じられている人も多いです。
カスタマーサポートの在宅勤務の難しいポイント
在宅勤務におけるメリットがある一方、オフィスで顔をあわせなくなることにより、業務の進め方が難しくなる点もあります。
あらかじめ行き詰まりやすいポイントを把握しておき、対策をとっておくことで、スムーズな在宅勤務化を叶えましょう。
1.エスカレーションがスムーズに行いにくい
同じ空間でカスタマーサポートを行っているときには、難しい問い合わせがあった場合に、気軽に聞けたり、エスカレーションしたりしやすい状態でした。
しかし、エスカレ先の相手の状況が見えにくくなることで、スムーズなエスカレが難しくなることも。また、対面でエスカレをするときよりも、内容を伝えるのに時間がかかるケースもあります。
エスカレに躊躇したり、スムーズなエスカレができなかったりすると、お客様を待たせたり、不適切な回答となったりして、顧客満足度を下げることに繋がります。
エスカレを受ける人のスケジュールはカレンダーで確認できるようにする、常時オンラインでつないでおくなどして、エスカレを行いやすい環境を整えましょう。
また、エスカレをする方法も重要です。「基本はカスタマーサポートツール内で行い、緊急度が高い場合は社内コミュニケーションツールにて連絡をし、通話をする」など、抜け漏れなく対応できるような方法を周知させましょう。
2.メンタルケアやフォローがしにくい
対面で業務をしている際には、相手の表情や声などでコンディションを確認しやすいです。しかし、それぞれが顔を合わせなくなり、文面だけでのやり取りになると、メンタルケアやフォローが必要なタイミングを図ることが難しくなります。
さらに、自宅に一人で業務に取り組むことで、気持ちの切り替えも行いにくくなり、よりネガティブな状態に陥りやすくなっていることも。
在宅勤務の場合は、対面で作業するときよりも高い頻度でメンタルケアやフォローを行っていくことが重要です。
予め定期的な1on1のスケジュールや、顔を合わせたミーティングの時間を確保しておいたり、カジュアルに雑談できるような環境を作ることで、SOSに早めに気がつけるようにしましょう。
3.OJTやレクチャーが対面よりもスムーズに行いにくい
在宅勤務の場合は、OJTやレクチャーが対面よりも行いにくくなることに注意が必要です。デジタルツールの使用に慣れていない場合は、オンライン上でOJTやレクチャーができるような環境を整えることから始めなければなりません。
- マニュアルのデジタル化
- オンライン会議ツールの導入
などは最低限行ってから、在宅勤務に入りましょう。
ツールの使用に慣れていないメンバーがいる際には、使用方法をレクチャーし、テクニカルサポートの窓口を作ることも重要です。
これらの体制を整えていても、対面で同じマニュアルを見つつ、相手のリアクションも見ながらレクチャーを進めるときと比較すると、理解度はどうしても下がってしまう可能性があります。
予めレクチャーの時間を長めに確保したり、理解度を確認できるテストや、質問できる時間を取るなどして対策をしておきましょう。
カスタマーサポートの在宅勤務で準備しておきたいアイテム
カスタマーサポートの在宅勤務をする際には、
- インターネットの接続環境
- 社内VPNの設定
- インターネットの接続機器パソコン
などの通信環境の設定から始めます。
通話によるカスタマーサポートを行う場合は、
- カメラ
- マイク
- イヤホン、ヘッドフォン
なども準備しておく必要があるでしょう。
さらに、以下のようなツールも導入が必要です。
- クラウド型のビジネスフォン
- オンライン会議ツール
- 社内コミュニケーションツール
- カスタマーサポートツール
- オンラインでのマニュアル・ナレッジ蓄積ツール
またこれらのツールにログインする際には、社内VPNに接続してからではないと閲覧できないようにする、パスワードは2段階認証を必須にするなどしてセキュリティ対策を行いましょう。
すべてオンラインでの操作が必要になるため、ITツールの操作に慣れていないメンバーにはレクチャーをする必要があります。
機材や通信環境のトラブル、ツールへのログインができないなどの状態になると、業務を円滑に進められません。テクニカルサポートを設定し、安定して業務を行える環境を担保しておくと安心です。
カスタマーサポートの在宅勤務を成功させる3つのコツ
カスタマーサポートの在宅勤務は、
- 雑談を含めたコミュニケーションの時間を作る
- エスカレーションの体制を整える
- OJTやナレッジの蓄積をオンライン化させる
などの取り組みをすることで、導入を成功させましょう。それぞれのポイントの詳細について紹介します。
1.雑談を含めたコミュニケーションの時間を作る
在宅勤務を行う際には、チームメンバーのコンディションや、進捗が見えなくなることが難点だとお伝えしました。これらを解決するために、雑談を含めたコミュニケーションの時間を意識的に取ることが、在宅勤務を成功させるために重要なポイントです。
具体的には以下のような時間を作りましょう。
- 毎朝のオンラインミーティングで顔を合わせる
- オンライン会議システムを利用して常時接続しておく
- ランチ会を設定して、雑談をしながら休憩する
- 短時間の1on1を頻繁に設定して、困りごとがないか確認する
- 進捗管理やステータスチェックの頻度を上げて、止まっている作業がないか確認してコミュニケーションを取る
- 調子が悪そうなときだけではなく、良いときにも声をかけ、見ていることを伝える
- 社内コミュニケーションツールではカジュアルに投稿できる文化を作る
オンライン上で顔をあわせていても、不調やうまくいっていないことについて自分から共有するのは難しいメンバーもいます。業務の進捗を確認しながら、困っていることがないのか確認し、声をかけるようにすることがおすすめです。
また、「一人で仕事をしている」と感じさせないためにも、チームでの目標を立てたり、社内コミュニケーションツールでカジュアルに会話できる文化を作るのも効果的です。
2.エスカレーションの体制を整える
在宅勤務で、エスカレーション先の上司の状況が見えない場合「こんな内容でエスカレーションしていいのかな」と不安に思い、エスカレを躊躇してしまうケースがあります。また、エスカレをしたのに、うまく取次できておらずトラブルに発展することも。
確実にエスカレーションをするための体制を整えることは、業務を円滑に進めるために必須です。
- 誰にエスカレーションするのか
- どのツールを使うのか
- エスカレーションの報告方法
- 期限や緊急度の伝え方
- エスカレーション対応完了後の報告
上記のような内容を細かく設定し、チーム内に周知させましょう。
また「3分以上悩んだことはエスカレをしてよい」と具体的にエスカレをする基準を決めておくと、エスカレしやすくなります。エスカレを受けた人は「このような初歩的なことを聞いてはダメ」などの態度や伝え方をするのはNGです。
相手の理解を促しながらも、次回からエスカレしにくくなるような雰囲気を出していないか気を配る必要があります。まずは、早めに報告してくれたことへの感謝を伝え、次回からも悩んだらエスカレしてほしい旨を伝えるなど、言葉と態度でエスカレをよしとする文化を作っていきましょう。
エスカレを受ける人が対応に追われて、顧客そしてチームメンバーに丁寧なサポートができなくなってしまわないように業務量の調節をすることも忘れないようにしてください。
3.OJTやナレッジの蓄積をオンライン化させる
業務を一人で悩ませず、エスカレをして対応していくことは在宅勤務で重要なことですが、常にエスカレが発生してしまうと、チームの成長に繋がりません。
ナレッジをチームで共有していくためにも、OJTや知識はオンライン上のナレッジベースに蓄積していきましょう。
オンライン上でナレッジベースを作成する際には、
- 情報が最新になるように更新をする
- 検索性が高いものを選ぶ
- 操作が簡単なものを選ぶ
がポイントです。誰でも使いやすく、そして間違った情報や古い情報がない状態にしておくことで、ナレッジベースとしての価値が高まります。
情報の管理をしやすく、検索性の高いナレッジマネジメントツールを導入することで、より効率的に活用できるようになります。詳細は以下の記事からご確認ください。
関連記事:ナレッジマネジメントツールとは?活用するための5つのポイント
在宅勤務でも質の高いカスタマーサポートを実現
カスタマーサポートの在宅勤務は、ハードルが高いようにも思えますが、本記事で紹介したポイントを押さえることで、比較的スムーズに移行可能です。
対面せず業務を進めることになっても、顧客にとって質の高いカスタマーサポートを実現するためにも、そして従業員にとってより働きやすい環境を整えるためにも、在宅勤務に合わせた体制を整えていくことが必須です。
オンラインで質の高いカスタマーサポートを実現するためには、カスタマーサポートツールを導入することも大きな手助けとなります。
ぜひ本記事を参考に、在宅でのカスタマーサポート体制を整えてみてはいかがでしょうか。
カスタマーサポートツール選びで悩んでいる方は、無料で簡単に使い勝手を試せる「Tayori」がおすすめです。
お問い合わせごとにメモやコメントを入れ、ステータス管理や担当者の割り振りができる問い合わせ管理は、在宅勤務のエスカレーション時にも重宝します。
また、Tayoriを使うとナレッジベースの作成が可能です。社内マニュアルとしてだけでなく、お客様にも展開できます。情報のカテゴリ分けやタグの設定なども可能。検索性の高いFAQを簡単に作成できます。
作成したFAQはお問い合わせフォームと連携でき、お客様自身の問題解決をサポートします。
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