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【ビジネスに使える心理学】コンコルド効果とは?損切をする3つの対策方法

コンコルド効果を表したガチャポン

コンコルド効果とは、今までしてきた投資が惜しくて、損失になるとわかっていても投資を継続してしまう心理状態のこと。

本記事では、コンコルド効果の意味や由来、日常に潜むコンコルド効果の例も紹介。コンコルド効果について、わかりやすくお伝えします。

また、損切をする3つの対策方法も紹介するので、いざというときのために覚えておきましょう。

 

コンコルド効果とは?

コンコルド効果とは、簡単にいえば、「もったいない」という気持ちに縛られているような状態です。

まずは、コンコルド効果の意味や由来、もったいないという気持ちの正体「サンクコスト」について解説します。

コンコルド効果の意味・由来

コンコルド効果とは、今まで投資してきたコストを惜しく感じてしまい、損失になるとわかっていても投資を継続してしまう心理のことです。

コンコルド効果は、「コンコルド」という旅客機事業に由来しています。

コンコルドは、英仏共同事業として開発・運行されていた音速旅客機です。1969年に開発がはじめられたコンコルドは、当時の人々の注目を集めました。

しかし、開発費用の大きさから採算は合わず、1976年に製造中止。以降も、成功の見込みがないまま運航を続け、2003年にようやく運航停止に至りました。

「大きな投資をしたから」と惜しむ気持ちが、損失をさらに大きくしてしまったのです。

サンクコスト(埋没費用)とは

コンゴルド効果を語るときに使われる「サンクコスト」という言葉の意味についても確認しておきましょう。サンクコストは「埋没費用」とも呼ばれ、すでに回収不可能となってしまったコストを指します。

音速旅客機「コンコルド」も、途中で事業をやめたからといって、今まで費やしてきた費用や労力を回収できるわけではありませんでした。しかし、事業を継続してもコストを回収できる見込みはなく、サンクコストは大きくなっていくばかりでした。

いくら惜しんでも、サンクコストは戻ってきません。事業を継続・撤退を判断する際は、サンクコストを断ち切ることが重要となります。

 

コンコルド効果の例

私たちは生活のさまざまな場面で、コンコルド効果の影響を受けています。

課金ゲームやギャンブル、恋愛にまで、コンコルド効果の影響がみられます。日常的なコンコルド効果の例を紹介するので、似た経験がないか思い返しながら、読み進めてみてください。

ガチャに代表される課金ゲーム(ソシャゲ)

ソーシャルゲームやネットゲームなどのオンラインゲームには、「ガチャ」という課金要素があります。

ガチャ(ガチャガチャ・ガチャポンなどと呼ばれるカプセルトイ)の中には、いくつものゲーム内アイテムが入っており、ランダムで当たります。レアなアイテムほど当たる確率が低く、たくさん課金したからといって、レアアイテムが当たるわけではありません。

課金額が確率に関係ないとはわかっていても、今まで課金したお金が惜しくて、目当てのアイテムが出るまでガチャをし続けてしまうのです。

ギャンブル

ギャンブルにも、ガチャと同じようなコンコルド効果が見られます。

ギャンブルの当たり外れはランダムであり、何回もやったからといって当たるわけではありません。しかし、今まで書けたお金が惜しくて、やめ時とわかっていてもやめられない人は多いでしょう。

中には確率計算をはじめて、「そろそろ当たるはずだ」と続けてしまう人もいます。当たりが出なければ、今までかけたお金が全て無駄になると思っているのです。

恋愛

恋愛には、お金も時間もたくさんかかります。「別れなきゃ」と思っていても、今までかけたお金と時間が惜しくて別れられないという経験のある人も、いるのではないでしょうか。

また、いくらアタックしても無駄だとわかっている相手に、いつまでも猛アタックしてしまう人もいます。もちろん「好きだから」という理由もありますが、今までアタックしてきた労力が惜しくなって、アタックし続けてしまう人もいます。

ビジネス / 事業

コンコルド効果の由来となった旅客機事業のように、ビジネスにおけるサンクコストは厄介です。

このまま事業を継続しても成果が出ないとわかっていても、「今までかけたコストを回収しなければ」と、撤退するどころか規模縮小にすら踏み切れません。

特に、経営者や責任者にとって、コスト回収の重圧は計り知れません。事業のトップが退く判断をできなければ、会社や部署全体で、無駄なコストをズルズルとかけ続けてしまうでしょう。

 

コンコルド効果の3つの対策方法

私たちから冷静な判断力を失わせ、損失を膨らませていくコンコルド効果に、対抗する方法はないのでしょうか。

次からは、コンコルド効果の対策方法を3つ紹介します。

【コンコルド効果の3つの対策方法】

1.損切りする

2.ゼロベース思考で捉える

3.損益を計算する

コンコルド効果の対策方法を頭の片隅に置いておくことで、いざというときの損失を最小限に抑えられます。

対策方法1.一定の限度を設定して、損切りをする

コンコルド効果への1つ目の対策方法は、「一定の限度を設定し、損切りをする」ことです。

損切り」とは、損失を抱えていて、その後の回復が望めない場合に、損失を確定させることです。損失が設定額に達したら、問答無用で撤退や規模縮小に踏み切ります。

損切りする前こそ、サンクコストが惜しくてなかなか決断を下せません。しかし、1度決断に踏み切ってしまえば、新たな道が開けるものです。

株式投資やFXなどの投資の世界でも、損切りは常識となっています。

サンクコストがかかってくると冷静に判断することが難しくなります。事業を始める前に、一定の限度額を予め設定しておくことがおすすめです。

対策方法2.ゼロベース思考で捉える

コンコルド効果への2つ目の対策方法は、「ゼロベース思考で捉える」ことです。

ゼロベース思考」とは、「今までは今まで、これからはこれから」と、割り切って考える思考方法です。

投資を継続しても採算が合わないとわかっているのに、撤退や事業縮小といった決断に踏み切れないのは、「コストを回収しなければ」という責任感もあるでしょう。しかし、回収できないものはそのまま続けていても回収できないもの。

ゼロベース思考で「今まで」を切り捨てることで、正常な判断ができることもあります。回収できないコストを無理に回収しようとするのではなく、損失を最小限に抑え、新たな一歩を踏み出しましょう。

対策方法3.損益を計算する

コンコルド効果への3つ目の対策方法は、「損益を計算する」ことです。

どうしても撤退や事業縮小に踏み切れないなら、一度損益を計算してみましょう。

コンコルド効果の影響化では、サンクコストを惜しむ気持ちが強く、正常な判断ができません。しかし、どんな精神状態であろうと、数字は現実を突きつけてくれます。

まずは、事実に基づいた数字だけを使って、損益計算をしてみてください。損益計算で導き出された数字を見れば、冷静で客観的な視点を取り戻せるでしょう。

 

「もったいないから」と続けていることを断ち切ろう

事業の進退を決めるような重大な場面になるほど、コンコルド効果の影響は大きくなります。

しかし、コンコルド効果の影響はもっと身近なもの。例えば、「自社にはあまり合わないツールの月額料金を、初期費用が高かったからという理由で支払い続けている」というような状況も、コンコルド効果の影響を受けているといえます。

まずは、社内に塩漬けになっているツールや、利用しないのに契約し続けているサービスなどがないか見回してみましょう。

使われていない高価なツールがある場合、見直しをすることも一案です。

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