複雑化した企業のIT環境の整備・運用・対応に欠かせない「社内ヘルプデスク」。専門性が高いがゆえに業務課題を抱えやすい部門ではあるものの、きちんと対策を行えば効率的かつスムーズな対応が可能になります。
本記事では、社内ヘルプデスクの5つの業務課題と対策方法を解説。おすすめのツールも詳しくご紹介します。
社内ヘルプデスクとは?
社内ヘルプデスクとは、主に社内のIT関連のサポートを行う部門のことを指します。社内のネットワーク環境を整備したり、導入したシステムに関するトラブルを解決したりとさまざまな問い合わせに対応します。
IT環境が複雑化している現代では社内ヘルプデスクの存在が欠かせず、効率的な問題解決のため多くの企業が部門を設置しています。
一方で、IT関連のサポート以外にも社内のあらゆる問い合わせに対応する部門として「ヘルプデスク」を設定している企業もあります。企業によって業務内容は異なるので、ヘルプデスクの求人に応募する際には、ヘルプデスクの業務範囲を確認するようにしましょう。
社内ヘルプデスクを設置するメリット
多くの企業が導入している社内ヘルプデスク。トラブルや問い合わせの対応やネットワーク環境の構築・運用・整備など、目立つ業務は行わないものの、日々の業務をスムーズに行うためには不可欠な存在です。
次に、社内ヘルプデスクを設置する2つのメリットを解説します。
生産性の向上
社内ヘルプデスクを設置する1つ目のメリットは、生産性の向上です。
規模によるものの、多くの企業ではさまざまなシステムを導入しています。社員が使用するシステムが多くなるほどトラブルなどが発生しやすくなり、社内サポートが必要になります。
社内ヘルプデスクがない場合、社員はそれぞれ技術的トラブルを解決しなくてはなりません。専門的な技術や知識を有している社内ヘルプデスクが設置されていれば作業環境を整備でき、課題もスムーズに解決可能。トラブルで業務が止まる可能性が低くなるので、生産性が向上します。
従業員満足度の向上
社内ヘルプデスクを設置する2つ目のメリットは、従業員満足度の向上です。
顧客が企業に心地よい体験を求めるのと同様に、従業員も自社のITサポートに対して快適な対応を求めています。従業員が日々業務を行うなかでITに関するトラブルは発生しやすいものの、なかには専門的な知見がなければ解決に時間がかかってしまう内容も多いのが現状です。
社内ヘルプデスクは、そうした技術的なトラブルに迅速に対応するのがメリット。業務が中断される時間を短縮できるため従業員が不満を感じにくく、従業員満足度が向上しやすくなります。
社内ヘルプデスクの仕事・業務内容
社内ヘルプデスクの仕事・業務内容は多岐にわたります。依頼によって必要な専門性が異なるため、社内ヘルプデスクに複数人が所属している場合はいくつかの部門に分かれていることがほとんどです。
ローカル部門の業務
ローカル部門は、従業員が使用しているパソコンやネットワークに関するトラブル対応などが主な業務です。問い合わせが多いため、FAQを作るのもローカル部門も担当します。
- 使用しているアプリやシステムに関する問い合わせ・トラブル対応
- パソコンの操作方法
- 社内機器の使用方法
- 修理・発注の手配
ネットワーク部門の業務
ネットワーク部門では、社内で利用しているさまざまなネットワークに関する対応を行います。社内で利用するパソコンやサーバー環境を知っておかないと業務が進まないため、ローカル部門やサーバー部門の業務も把握しておく必要があります。
- 社内ネットワーク環境の構築・整備
サーバー部門の業務
サーバー部門では、サーバーの設置や安定した運用を行います。ローカル部門・ネットワーク部門と比較してより専門的な知識を有している必要があり、日々細かな点検も実施します。
- サーバーの設置・設営
また、企業によってはこれらの内容以外にもヘルプデスクが担当する業務があることも。自社のヘルプデスクが担当している範囲を明確に知りたい場合や、これから転職する企業のヘルプデスクの業務が知りたい方は、問い合わせて確認するとよいでしょう。
社内ヘルプデスクに必要なスキル
社内ヘルプデスクに必要なスキルは、業務に関する専門的な知識のほかに、システムや社内についての理解などがあげられます。ほかにも、対応力・コミュニケーション能力・調整力なども必須スキルです。以下に、その主要なスキルをいくつか紹介します。
コミュニケーション能力
社内ヘルプデスクの業務は、社内のさまざまな部門や担当者と連携を取ることが多いため、円滑なコミュニケーションが求められます。特に、問題やトラブルが発生した際に、迅速かつ的確に情報を伝える能力は必須です。また、相手の立場や背景を理解し、適切な言葉で伝えることができることも重要です。
システムの知識
社内ヘルプデスクの業務には、社内のITシステムやツールに関する知識が必要です。特に、使用しているソフトウェアやハードウェアの基本的な操作方法、トラブルシューティングの方法などを理解していることが求められます。また、新しい技術やツールに対する学習意欲も大切です。
トラブルへの対応力
社内ヘルプデスクの業務は、トラブルが発生した際の対応が主な業務の一つです。そのため、冷静に状況を判断し、適切な対応をとる能力が必要です。また、トラブルの原因を迅速に特定し、解決策を提案する能力も重要です。
スケジュールの調整力
社内ヘルプデスクの業務には、多くの問い合わせや要望が寄せられます。そのため、効率的に業務を進めるためのスケジュール調整能力が求められます。特に、複数の問い合わせや要望を同時に処理する際に、優先順位をつけて対応することが大切です。
社内ヘルプデスクの業務課題と対策方法
社内ヘルプデスクは従業員のスムーズかつ安定した業務を行うために欠かせない部門ですが、問い合わせ件数が多く内容が多岐にわたるため、運用には多くの課題を抱えがちです。
次に、社内ヘルプデスクの業務課題と対策方法を解説します。
課題1.属人化しやすい
社内ヘルプデスクの業務課題の1つ目は、属人化しやすいことです。
システム運用や社内ヘルプデスクは属人化しやすい傾向があります。一見、難易度が低そうな依頼でも実際に取り掛かってみると想像以上に大変だったり、時間がかかってしまったりと引継ぎは想像以上に大変です。
急な退職や休職に備え、ノウハウはナレッジベースとして蓄積するよう体制を整えておきましょう。口頭では伝え漏れが発生したり、曖昧な理解のまま引継ぎが終わってしまったりするので、ナレッジベースツールを使いテキストで残しておくのがおすすめです。
ナレッジベースを作成しておくことで、引き継ぎ時以外にも、問い合わせ前の自己解決にも使えるようになります。
課題2.担当者がわからない
社内ヘルプデスクの業務課題の2つ目は、担当者がわからないことです。
社内ヘルプデスクが複数人いる場合、それぞれがメインの担当を持っていることがほとんど。しかし、チームに周知されていないと、1人に対して依頼の偏りが発生してしまいます。
問い合わせ内容を複数のジャンルに分け、チーム内外に担当者を明確にすれば、従業員は依頼先を間違わずに連絡ができます。無駄なやりとりが発生せず、タスクの混乱も防げるでしょう。
課題3.問い合わせが多すぎて対応が追いつかない
社内ヘルプデスクの業務課題の3つ目は、問い合わせが多すぎて対応が追いつかないことです。
従業員規模の大きい企業ほど、社内からの問い合わせ件数は増加します。複数人の社内ヘルプデスクがいたとしても、効率的に対応できる体制が整っていないとすべての問い合わせを捌ききれません。
件数に対して対応が追いつかない場合、チャットボットやFAQの導入も検討してみてください。簡単に解決できる問い合わせと、専門的な技術を有していないと解決できない問い合わせを振り分けるだけでも対応が楽になります。
それでもすべてを対処できない場合は、社員ヘルプデスクの採用が必要です。
課題4.回答漏れや進捗把握ができない
社内ヘルプデスクの業務課題の4つ目は、回答漏れや進捗把握ができないことです。
社内ヘルプデスクと従業員が個別でやりとりをしている場合、回答漏れが起きたり、依頼に対する進捗をほかの社内ヘルプデスクが把握できなかったりします。業務の属人化に繋がり、個人の負担も増えてしまい悪循環に陥ります。
回答漏れをなくし、進捗把握をできるようにするためには、社内に対して見える化できるツールの導入が必要です。窓口を一本化して依頼から対応までをツール上で行えば、社内ヘルプデスクのメンバーで互いの進捗も把握できます。
業務の分担に繋がり、1人に負担が偏ってしまうことも防げます。
課題5.同じ問い合わせが頻発してしまう
社内ヘルプデスクの業務課題の5つ目は、同じ問い合わせが頻発してしまうことです。
個別に対応を行っていると、同じ問い合わせが頻発してしまいます。それを防ぐには、社内共有のためのナレッジベースの作成が効果的。社内の誰もがノウハウを閲覧できれば、過去にした依頼のやりとりから、従業員は自身で課題解決が可能になります。
社内ヘルプデスクにおすすめのツール
社内ヘルプデスクの業務を円滑に進めるためには、適切なツールの導入が不可欠です。特に、問い合わせの多いサービス業やスタートアップ、窓口が多岐にわたる企業では、効率的な対応が求められます。以下に、社内ヘルプデスクにおすすめのツールをいくつか紹介します。
チャットボット
近年、AI技術の進化により、チャットボットが多くの企業で導入されています。チャットボットは、問い合わせに対して自動で応答するツールで、初期の問い合わせ対応やよくある質問への回答を効率的に行うことができます。また、担当者が不在の場合や深夜の問い合わせにも対応可能で、24時間365日のサポートを実現することができます。
FAQシステム
FAQシステムは、よくある質問とその回答を一覧化し、ユーザーが自分で情報を探せるようにするツールです。これにより、同じ問い合わせが繰り返されることを防ぐことができ、担当者の負担を軽減します。また、FAQの内容を更新することで、最新の情報を提供することが可能となります。
ナレッジ共有ツール
ナレッジ共有ツールは、社内の情報やノウハウを共有・管理するためのツールです。特に、複数の部署や拠点がある企業では、情報の共有が難しくなることがあります。このツールを導入することで、必要な情報を迅速に取得し、業務の効率化を図ることができます。
社内ヘルプデスクのための機能が揃ったツール「Tayori」
社内ヘルプデスクの業務を効率的に行うには、FAQを作成したり、問い合わせの見える化を行えるツールの導入が欠かせません。例えば、株式会社PR TIMESが運営する「Tayori」には、社内ヘルプデスクを設置する上で発生しやすい業務課題を解決に導く複数の機能が用意されています。
問い合わせの進捗管理・担当者の割り振り
「Tayori」では、問い合わせの進捗管理・担当の割り振りも可能。作成したフォームから送信された問い合わせは一覧で表示され、担当者をアサインできます。「Tayori」にログインできる方であればやりとりを閲覧可能かつ、進捗管理も簡単。対応漏れも防げます。
社内ナレッジベースの構築
「Tayori」では、FAQ機能を使って社内ナレッジベースの構築も可能。フォームで収集した問い合わせを元にして作成することで、問い合わせの数を減らせます。
ヘルプデスクの効率化のために使える「Tayori」は、無料からでも利用できます。興味のある方は、以下のリンクから資料を確認してみてください。
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