現在スズキ機工では「自動車エアコン用パグオイル(ベルハンマー添加剤入り)」の専用製品について、販売の計画はございません。
自動車用エアコンの潤滑システムでは、以下のような非常に繊細な技術要件を満たす必要があります。
・冷媒(R134a, R1234yfなど)との溶解性・安定性
・ゴム・樹脂製シール材への影響(膨潤・劣化など)
・密閉・高圧循環環境下における化学的安定性
・コンプレッサー潤滑性および熱伝導性への影響
また、ご指摘の通り「二硫化モリブデン」等の一般的な極圧潤滑剤には、ゴム部品への攻撃性が懸念されることもあり、整備現場でも慎重な判断が求められる分野です。
こうした背景から、ベルハンマーをベースにしたエアコン専用潤滑剤を開発するには、相応の時間と高度な評価試験が必要であり、現時点では実用化には至っておりません。
とはいえ、既にベルハンマーをご愛用いただき、さらに高機能潤滑剤をエアコン系統にも導入したいというご要望は、開発部門にとって非常に重要なヒントとなります。
いただいたご意見は、今後の製品企画・技術検討の参考として社内で共有させていただきます。
現時点では明確な発売予定をお伝えできず恐縮ではございますが、こうしたお声こそが新しい挑戦への原動力であり、心より感謝申し上げます。