TOPスズキ機工問合せ一覧H1ベルハンマー カートリッジグリスを高温のエアシリンダ部(ピストンとシリンダの摺動面)に使用したいと考えています。 想定温度は150〜160℃程度ですが問題ないでしょうか? また、200℃を超えた場合はどのような影響が生じますか?
最終更新日 : 2025/10/16

H1ベルハンマー カートリッジグリスを高温のエアシリンダ部(ピストンとシリンダの摺動面)に使用したいと考えています。 想定温度は150〜160℃程度ですが問題ないでしょうか? また、200℃を超えた場合はどのような影響が生じますか?

■ 使用温度について
想定されている150〜160℃程度の連続運転環境であれば、問題なく使用できます。
カタログ記載の耐熱温度(〜200℃)は短時間ピークを含む上限目安であり、連続使用時は10〜20℃程度の余裕を持つことを推奨します。
そのため、今回の条件下では塗布量を控えめにし、点検・補給間隔を短めに設定することで、安定した潤滑性能を維持できます。

■ 塗布および運用のポイント
・塗布量:摺動面には20〜50µm程度の薄膜塗布で十分。厚塗りは摩擦熱や異物付着を招く可能性があります。
・補給間隔:初期は1〜2週間、または10〜20万ショット相当を目安に点検・補給を行い、状態に応じて延長してください。
・清掃:初回塗布時は既存グリースを拭き取り、摺動面を清浄化してから塗布します。
・シール材適合:NBRやFKM(フッ素ゴム)であれば150〜160℃程度は概ね問題ありませんが、200℃近い高温が続く場合は材質確認を推奨します。

■ 200℃を超えた場合のリスク
・基油の揮発や酸化による油分の抜け、残渣の硬化
・増ちょう剤の劣化による潤滑不良
・摺動抵抗や作動音の増加、シール材の劣化

これらの兆候が見られた場合は、運転を停止し、残渣を清掃したうえで再塗布することを推奨します。

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