■ 被膜形成の条件
ベルハンマーの潤滑被膜は、摩擦によるトライボケミカル反応によって金属表面に化学的に結合します。
この反応により、金属表面に強固な極圧被膜が形成され、摩耗を抑えた滑らかな動きを実現します。
・形成条件:摩擦が発生することで被膜が生成されます(静置のみでは形成されません)。
・温度条件:常温〜高温まで形成可能ですが、摺動を伴うことで安定性が増します。
・負荷条件:リールのような低荷重環境でも、繰り返し使用により徐々に定着します。
■ 被膜形成・劣化の判断方法
・目視:金属表面に薄い光沢が残ります。
・感触:動作が滑らかで、長期間その状態が維持されます。
・音:摺動音や抵抗感の変化が増えたら、再塗布の目安です。
■ 錆とメンテナンスについて
・形成された被膜には防錆性がありますが、完全ドライ状態では錆発生の可能性があります。
・特に海水環境で使用した場合は、水洗い後に十分な乾燥(エアブロー推奨)を行ってください。
・乾燥後にごく薄く再塗布することで、潤滑と防錆の両立が可能です。
■ ドライ化の方法
被膜形成後は、余分なグリスをウエスで軽く拭き取る程度で問題ありません。
ベルハンマーの被膜は金属と化学的に結合しているため、パーツクリーナーで脱脂しても被膜自体は残ります。
ただし、完全に油分を除いた状態よりも、わずかに油膜が残る状態の方が防錆性・潤滑性ともに安定します。
■ ウェット/ドライの使い分け
・ギヤ部(高負荷部位):わずかにウェットを残すと安定。
・ベアリング部(軽負荷部位):ドライ寄りで使用可能。
ただし完全ドライでは防錆性能が低下するため、定期的な点検と再塗布をおすすめします。
■ まとめ
・ベルハンマーグリスゴールドNo.0は、リールにも使用可能。
・被膜形成には摩擦が必要(静置では形成されない)。
・ドライ使用も可能だが、防錆のために薄い油膜を残すのが理想的。
・ギヤはウェット寄り、ベアリングはドライ寄りで使い分けると効果的。