トルクカムには主に2種類の潤滑箇所があります。
1. 摩擦を利用してトルクを伝える部分(摩擦伝達面)
2.動作を案内する摺動面(ガイド部・ピン溝など)
それぞれに適したグリスの種類が異なります。
■ 摩擦伝達面
この部分では摩擦によって動力を伝えているため、極圧潤滑タイプのグリス(例:LSベルハンマーシリーズ)は不向きです。
潤滑性が高すぎると摩擦が減少し、トルク伝達不良や誤作動の原因となる場合があります。
■ 摺動面(カム溝・スライド面など)
摩擦を減らしたい箇所であり、摩耗防止や動作の安定を目的とする場合には、ベルハンマーメタルグリスの使用が適しています。
金属表面に強固な被膜を形成し、摩耗・焼付き・異音の発生を防止します。
■ まとめ
・トルクを伝える摩擦面 → 極圧潤滑タイプは不適
・摺動やガイド部 → ベルハンマーメタルグリスが有効
なお、トルクカムの仕様や材質によって最適なグリスが異なる場合がありますので、ディーラーまたは整備工場にて適合確認を行ってください。