【1. 評価基準が共通化されていないため】
潤滑剤の温度特性については、国際的に完全に統一された基準が存在していません。
そのため、
・基油が劣化し始める温度
・グリスが軟化または硬化する温度
・実際の使用環境で性能が維持できる温度
など、どの指標をもって「耐熱」「耐寒」と定義するかがメーカーごとに異なります。
【2. 測定方法・試験条件が異なるため】
温度に関する評価試験には複数の方法があり、
・短時間での上限温度試験
・長時間の連続使用試験
・荷重をかけた状態での試験
・無負荷条件での試験
など、試験条件によって得られる数値が大きく変わります。
そのため、どの試験結果を採用するかによって表記温度に差が出ます。
【3. 理論値か実使用値かの違い】
同じ潤滑剤であっても、
・試験環境での最大許容温度(理論値)
・実際の使用で安定して性能を発揮できる温度(実使用値)
のどちらを表示するかによって耐熱・耐寒温度の表記が変わります。
多くのメーカーでは、実使用時の安全側を考慮した推奨温度を記載しています。
以上の理由から、潤滑剤の耐熱・耐寒温度の表記は、メーカーごとに差が生じる傾向があります。